エネ基「裏シナリオ」 政府の「脱炭素」政策の破たん認めた
2025年3月14日米パリ協定離脱 会談で触れず 環境相は職責果たせ
日本共産党の山下芳生議員は13日の参院環委員会で、日米首脳会談で、石破首相が米国のパリ協定離脱について触れなかったことを指摘。「大臣は首相に、会談で取り上げるよう進言したのか」と追及しました。
山下氏は「二〇二四年の世界の平均気温の上昇が、一・五度を単年で初めて超えた。すでに世界でも日本でも、巨大台風、豪雨災害が頻発し、大規模な山火事が多発し、いま現在どのような対策をとるかが、今後長期にわたって若い世代の存続、人類の生存にも大きな影響を与えていく。米国のパリ協定からの離脱は、世界が協力して取り組むべき人類的課題に、排出量第二位の国が背を向けるという極めてゆゆしき態度だ。真の友人なら間違いを指摘すべきだ」とただしました。
浅尾慶一郎環境相は「政府部内の調整はつまびらかにできない」との答弁に終始。山下氏は「結果として石破首相は何も言わなかった。環境相としての役割を果たさなかった。さらに気候危機打開に背を向ける米国からLNGを買って協力するのは世界の流れから逆行している」と批判しました。
エネ基「裏シナリオ」 国際約束欺く 政府の「脱炭素」政策の破たん認めた
日本共産党の山下芳生議員は13日の参院環委員会で、政府がエネルギー基本計画の「参考資料」としている「リスクシナリオ」で「二酸化炭素(CO2)排出量がメインシナリオの一・五倍、液化天然ガス(LNG)は最大四割多くなると指摘。閣議決定し、国連に提出した日本の国別削減目標(NDC)が実現できないことを想定しており、国内外の人びとを欺くものと批判しました。
「シナリオ」では、①再エネが拡大しない、②燃焼時にCO2を出さない水素、アンモニアの燃料活用が進まない、③CO2を回収し地中に貯留する「CCS」技術が普及しないことを「リスク」としています。
山下氏は再エネについて「太陽光発電は、屋根置きや遊休農地の一部活用(ソーラーシェアリング)だけでも大規模導入が可能。風力発電は、潜在的なポテンシャルが高く、浮体式などの洋上風力を計画的に進めれば、さらに大規模導入が可能となる。地域のエネルギー収支の黒字化、町おこしにもつながる」と指摘しました。
そして、「再エネはリスクでなく大きなポテンシャルだが、水素、アンモニアの燃料活用は間違いなく大きなリスクだ。先進国でアンモニア混焼をめざす国はなく、調達する見込みもない」と指摘。
資源エネルギー庁の木原普一政策総括調整官は「水素アンモニア発電は発展途上の技術」と答弁。
山下氏は「CCSもリスクだらけで、進まないとしてこうしたシナリオが作られた。いよいよリスクと認めた。石炭火力にしがみつく「脱炭素」の道が破たんしたということだ。リスクがないシナリオは再エネの本格的普及だ」と指摘しました。