日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

活動レポート

温室効果ガス削減目標引き上げを PFAS規制強化を 経団連でなく科学・若者の声を

2024年12月19日
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(写真)質問する山下芳生議員=19日、参院環境委

温室ガス削減目標 引き上げよ

日本共産党の山下芳生議員は19日の参院環境委員会で、パリ協定の下で来年2月までに国連に提出が求められる政府の2035年までの温室効果ガス削減目標(NDC)について、科学的知見に基づいて削減目標を引き上げるべきだと訴えました。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告は、気温上昇を1・5度に抑えるために世界全体の排出量を35年までに19年比で60%削減する必要があるとしています。山下氏は「日本の目標は19年比53%削減と大きく乖離(かいり)している。その最大の要因は、日本がG7(主要7カ国)で唯一期限を切った石炭火力発電の廃止計画を持たないから」だと指摘。既存の技術で代替可能な発電部門などで脱炭素化を急速に進めるよう訴えました。

浅尾慶一郎環境相は「脱炭素と経済成長の同時実現が重要」だと答えました。

山下氏は、製品を作る際の電力が二酸化炭素を大量排出する石炭では取引から排除され、輸出できないと経済界も心配していると指摘しました。また、政府の排出削減グラフが石炭火力にしがみつく経団連の提言と全く同じだと告発。気候変動対策を求める団体「FFF東京」の若者らが13年比で81%以上の削減を求め行動していると紹介し、経団連の声を聞くのではなく「科学、若者の声を聞いて政策に反映させるべきだ」と強調しました。

PFAS規制値 緩い 重要研究を排除と告発

日本共産党の山下芳生議員は19日の参院環境委員会で、発がん性等が指摘される有機フッ素化合物PFASの摂取量の規制値(6月、食品安全委員会が通知)が、米欧の数十~数百倍の緩い値となっている問題を取り上げ、規制値を定める根拠から最新の重要な研究論文が排除されていると告発しました。

山下氏が挙げたのは、(1)国際がん研究機関がPFASの一種を「発がん性がある」と評価した研究(2)米国環境保護局(EPA)が、飲料水におけるPFASの規制値を、1リットル当たり4ナノグラム(日本は1リットル当たり50ナノグラム)とした研究(3)日本の環境省が10万組の母子を対象にした追跡調査(エコチル調査)で、母親のPFAS血中濃度と子どもの染色体異常の関連を指摘した研究―です。これらは国際的に高く評価され、各国の基準や対策に反映されていますが、日本では証拠が「限定的」「不十分」などとして排除されています。

山下氏は、日本の規制値の上限でPFASを摂取し続けた場合、推定される血中濃度は、米欧で健康への影響が懸念されているレベルを大きく超えると警告した小泉昭夫京都大学名誉教授の試算を紹介。にもかかわらず「健康に悪影響はない」と緩い規制値が容認されれば、「新たな安全神話」になると批判しました。浅尾慶一郎環境相は「総合的対策で命と環境を守る」と答弁。山下氏は「命を守るためには謙虚に科学と向き合うべきだ」と指摘しました。

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