アジアの脱炭素化阻害 改定温対法が成立
2024年6月11日改定地球温暖化対策推進法(温対法)が12日の参議院本会議で自民、公明、立民、維新、国民などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。
同法は発展途上国への「脱炭素」支援による温室効果ガス削減分を自国の削減分にカウントできる「二国間クレジット(JCM)」の体制整備を行おうというものです。
日本共産党の山下芳生議員は11日の参院環境委員会で反対討論し「JCMの対象には石炭火力や、化石燃料を使い続けることを前提にしたCCS(二酸化炭素貯留)も除外されていない。JCMはこれらを発展途上国で実施する“地ならし役”となっており、アジアの脱炭素化を阻害する」と批判しました。
山下氏は同日の質疑で、CCSは気候変動対策としての有効性の疑問、技術的困難や環境影響、コストの高さなど多くの問題を抱えていると指摘。さらに、日本企業がCCSとセットで二酸化炭素(CO2)を東南アジアなどに「輸出」する計画が急増し、13件に上っているとして「CO2を排出する事業の継続策となっている。相手国の環境団体からも抗議の声が上がっている」と批判しました。
伊藤信太郎環境相は「JCMの内容は各国との協議の中で個別に決定する」と述べ、化石燃料延命に関わる支援を否定しませんでした。