日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

活動レポート

民主政治の土台揺るがす 自民裏金 世耕氏をただす 参院政倫審で

2024年3月14日

山下:裏金はいつから?

世耕氏:知らない

山:始まったと推察される頃、派閥会長だった森元首相に経緯を聞いたか?

世:聞いてない。決めつけはいかがか

山:参院議員の改選年に全額キックバックいつから?

世:わからない

山:秘書に聞いたか?

世:5年前までしか聞いてない

→政倫審動画

 

以下しんぶん赤旗記事

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(写真)質問する山下芳生議員=14日、参院政倫審

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(写真)質問する井上哲士議員=14日、参院政倫審

自民党派閥の政治資金パーティー収入裏金事件を巡り、参院の政治倫理審査会が14日開かれ、清和政策研究会(安倍派)の世耕弘成前参院幹事長、橋本聖子元五輪担当相、西田昌司議員が出席しました。日本共産党の山下芳生議員は、安倍派の裏金づくりがいつ始まり、誰が関与したか「知らない」などと主張し調査する意志も示さない世耕氏を厳しく追及しました。(詳報)

安倍派が派閥パーティー収入のノルマ超過分を還付金とする仕組みをつくったとされる1997~2000年に清和会の会長だったのは森喜朗元首相です。しかし、世耕氏は「(森元首相に)聞いていない」「関与は一切認められなかった」と繰り返すばかり。山下氏は自民党調査では明らかになっていないと強調し、「(安倍派幹部の世耕氏は)知らなかった。関与は出てこなかったで、済まされる立場ではない。調べる責任がある」とただしました。

参院選時にパーティー券売り上げのノルマがなくなり、多額の還付金が議員にキックバック(還流)されていた問題について「19年以前に全額キックバックされたことはあるか」と質問。世耕氏は「そこまでさかのぼっての正確な検証はできていない」と述べるにとどまりました。

山下氏はこうしたルールが参院議員にしか適用されておらず、「誰がルールをいつからつくったのか、参院自民党として調査する必要があるのではないか」と追及。世耕氏は「われわれは捜査機関ではない。調べるのは難しい」と述べ、無責任な姿勢を示しました。

山下氏は、民主政治の土台を揺るがし自民党による組織的犯罪が問われているにもかかわらず「安倍派の幹部は誰一人、責任を持って真相解明しようとしていない」と指摘。「自民党政治の行き詰まりは極限に達している」と厳しく批判しました。

日本共産党の井上哲士議員は西田、橋本両氏がキックバックを受け取っていた問題を追及。両氏は「秘書が独自の判断で行ったことだ」などと責任逃れの弁明に終始しました。

 

自民“知らぬ存ぜぬ”

証人喚問で真相解明を

山下・井上氏が追及

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(写真)日本共産党の山下芳生議員と井上哲士議員が自民党裏金問題を追及した参院政倫審=14日

自民党派閥の裏金事件を巡り14日に開かれた参院政治倫理審査会、世耕弘成前参院幹事長をはじめ清和政策研究会(安倍派)所属議員が出席しました。全員口裏を合わせたように、裏金づくりは「知らない」「分からない」「関与していない」と繰り返し、真相解明を全くする気がない自民党の姿が露呈しました。日本共産党の山下芳生議員は「民主政治の土台を揺るがす自民党による組織的犯罪が問われているのに、幹部は誰ひとり、責任持って真相解明しようとしない」と厳しく批判。井上哲士議員は、橋本聖子元五輪担当相、西田昌司議員に説明責任を果たすよう迫りました。

いつから・誰が・違法性は

いつから、誰によって裏金づくりの仕組みがつくられたのか―。派閥幹部の世耕氏に対して実態解明を迫る質問が集中しました。

世耕氏は、政治資金パーティー券収入のキックバック(還流)がいつから始まったのかと問われ、「2013年くらいからは私の事務所にも還付金が発生していた」と答弁。少なくとも10年以上前から還流が行われていたと認めました。

一方で、衆院政倫審での安倍派幹部らの証言からは、還流が始まった時期が1997~2000年の間だと推察されます。山下氏は「この間の清和会の会長はだいたい森喜朗元総理だ。森氏に還付金が開始された経緯について聞いたのか」とただしました。

世耕氏は「特に聞いていない」「森先生の関与は一切認められなかった」と否定。「誰がいつ決めたのかは分からない」と繰り返しました。山下氏は「参院も含め自民党全体が問われる問題だ。あなたは『知らなかった』で済ませられるポジション(地位)じゃない。調べる責任がある」と厳しく批判しました。

安倍派では参院選の年だけノルマを免除し、改選議員が集めたパーティー券収入の全額を還流する仕組みがあったとされています。世耕氏は安倍派の参院議員でつくるグループ「清風会」の会長を務めた人物。この参院独自の還流の仕組みづくりに関与した疑いがあります。

山下氏は「このルールをつくったのは世耕氏ではないか」と迫りましたが、世耕氏は「こういうルールがあること自体知らなかった」と関与を否定しました。

一方、違法性の認識も問われます。安倍派では22年4月、当時の会長の安倍晋三元首相が還流廃止を打ち出し、死去後の同年8月に廃止撤回の協議があったことが明らかになっています。世耕氏はそれらの幹部会合に参加したひとりです。

山下氏は、同年8月の幹部会合で、還流の仕組みを「合法的な形」にする代替案が出たことも幹部証言から発覚しており、「裏を返せば現行のやり方は合法的な形ではない、つまり違法性の認識があったということではないか」と追及。世耕氏は「違法性の認識があれば立件されている」などと居直りました。

また、世耕氏は還流がなぜ復活したのかについては不明で、「誰が決めたのか私も知りたい」などと答弁。安倍派幹部らの証言を巡り、同年8月の会合で還流復活が「決まった」「結論は出なかった」と食い違いが生じていると指摘されると、世耕氏は「この時、確定的なことは決まっていない」と述べ、その後も幹部会合が持たれたことはないと説明しました。

秘書のせいにし開き直る

世耕氏らは口をそろえて還付金が収支報告書に不記載であるとは知らなかったと弁明し、還流された還付金の使い道も秘書に責任を押し付けました。

世耕氏は「議員会館の事務所に立ち寄るのは年に3~4回、1回10分程度という状態が10年以上続いた」とし、政治資金は自分で管理することが困難な状況だったと主張。「まさか自分が還付金を受け取っていると思っていなかったので、政治資金規正法上どういう形で処理されているのか深く考えることができなかった」と釈明しました。

西田氏は、事務所の担当者が派閥からの還付金の受け取りを拒否したものの、派閥側が「みんながやっているんだから」と言い、受け取らされたと説明。「その事実が私に連絡されなかった」などと釈明しました。

井上氏は、2022年4月に還付の中止をいったん決めた際、世耕氏が「直ちに参院議員全員に連絡をさせていただいた」と述べたことを示し、「秘書に連絡があっただけで知らなかった」とする西田氏の弁明と食い違うと指摘。西田氏は「少なくとも私はそういう記憶をしていない」と答えました。

さらに、井上氏が「還付中止の連絡があれば参院議員の間で話題になると思う。納得できない」と指摘すると、西田氏は「納得しがたいのはその通り。私自身がそうだった」などとしらを切りました。

橋本氏も「会計や経理にはいっさいかかわっておらず、帳簿、通帳、収支報告などを見たことはなかった」などと自らの関与を否定。こうした還流の仕組みは「19年に秘書が清和政策研究会の事務所に還付を受け取りに行った際、今回はノルマがなく還付が大きくなったことに驚いた秘書が、初めて還付金の金額の仕組みを報告に来た」と弁明しました。

橋本氏は、還流された資金を収支報告書に記載していないことについて、「領収書を発行していないので計上できなかった」とし、こうした運用がいつからどのような経緯で行われたかを事務所の担当者も承知していないと語りました。

井上氏は「『入り』をごまかす虚偽記載は、政治資金規正法に反する」と指摘。橋本氏が「便宜的に借入金という形にせざるを得なかった」と釈明したのに対し、「それはあなたの都合だ。国民の前にきちんと正確に報告しなければならない」と批判しました。