日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

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脱プラへ素材転換を 山下氏 資源循環促進法が成立

参議院環境委員会 2021.6.3
資 料 動 画

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(写真)質問する山下芳生議員=3日、参院環境委

廃プラスチックのリサイクルを進めるプラスチック資源循環促進法が4日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。日本共産党の山下芳生議員は3日の参院環境委員会での質疑で、プラ製品による海洋汚染を止めるため、リサイクル促進だけでなく生産量自体を減らす必要があると主張しました。

山下氏は、プラ製品のなかでも急増したペットボトルについて、日本での回収率は約9割に上る一方、毎年60万トンと生産・販売量が多いために「回収されない量も多い」と強調。東京農工大の高田秀重教授の推計によると毎年約25億本が環境中に流出していると述べました。

さらに、ペットボトル本体が海底に沈み、劣化せずに半永久的に残留する問題や、ボトルのふたから環境ホルモンが検出されている問題を指摘。日弁連がふたなどに含まれる有害物質の規制と情報開示を求めているとして、検討・実行を求めました。

山下氏は、ペットボトルをリサイクルしても、ガラス瓶を繰り返し使うのと比べ、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量が約2倍になるとして「素材転換を進め、プラスチックの循環量を減らすことが大事だ」と強調。小泉進次郎環境相は素材転換について「認識は同じだ」と答えました。

【議事録】

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
前回、全てのプラスチックは遅かれ早かれマイクロプラスチックになると、そして環境や人体に深刻な影響を及ぼすということを最新の知見に基づいて告発をいたしました。プラスチックを大量生産しリサイクルするのではなくて、私たちの社会から減らし、なくしていくことが必要だと問題提起をし、小泉環境大臣ともその認識の方向性は共有できたと思っております。
今日は、プラスチック製品のうち、私たちの社会の中に急増してきたペットボトルについて議論したいと思っております。
資料1に、ペットボトルの生産、販売量と回収量及び回収率の推移を示しました。生産、販売量は、一九九七年の二十一万九千トンから急増し、二〇一一年には六十万四千トンと十数年で三倍化し、その後六十万トン前後の水準が続いています。それから、回収率は、一九九七年の九・八%が二〇一二年には九〇・五%へと伸びて、その後九割前後を維持しています。一見、ペットボトルは回収率が高く、資源循環の優等生のように思われるんですが、実は、生産量や販売量が多いために回収されないペットボトルの量も多いということになっております。

資料2に、東京農工大の高田秀重教授に提供していただいたものを載せておきました。二〇一五年の先ほどの実績で見ますと、販売量二百二十七億本、回収率八八・八%ということですから未回収率は一一・二%になる、これ掛けますと、約二十五億本が回収されずに外部の環境に流出したことになります。毎年こうした膨大な規模のペットボトルの環境への流出が続いているということであります。写真のように、荒川の河川敷のごみは、多くはペットボトルとなっております。
資料3は、その荒川で散乱ごみを回収している荒川区のNPOの皆さんが回収したごみの個数を調べた結果であります。十二年連続で断トツ一位だったのが飲料ペットボトルです。まあ拾いやすいということもあるようですけれども、しかし、断トツ一位なんですね。
このように、ペットボトルはプラスチック製品の中ではリサイクル率が高いとされますが、膨大な数のペットボトルが回収されずに環境や海洋への流出が続いております。小泉大臣、こういう現実を直視する必要があると思うんですけれども、御認識いかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 あると思います。あると思いますが、一方で、やはりペットボトルの回収率だけを見れば、アメリカは二割、ヨーロッパは四割、そして日本は八五%ぐらい、約九割と、これは世界的に見ても回収率は高い状況にはあります。
ただ、先生がおっしゃりたいポイントというのは、とはいえ、ボリュームで見たらこれだけごみに出ているじゃないかと。このポイントはまさに、最近、私、無印良品がペットボトルをアルミに替えたという話をよくしますが、私もお話を直接伺ったときに、なぜアルミに替えたのかという中でいうと、無印良品さんが言っているのは、日本国内でアルミ缶のリサイクル率が約九八%、さらに水平リサイクル率ですね、アルミ缶がアルミ缶になる、これが既に七割、こういう現状もあって、さらにアルミ缶の方が賞味期限が長くできる、フードロス対策にも寄与する、こういった観点からペットボトルをアルミ缶に替える決断を、コストを掛かる結果になってもやるというふうに決められたんですね。
なので、我々としては、こういった取組も後押しすることはもちろん大事なことであろうと考えております。

○山下芳生君 さらに、ペットボトルについて深掘りしたいと思うんですが、資料4は、環境省の海洋ごみ実態把握調査による漂着ごみ実態把握調査の結果であります。漂着ごみを品目ごとに集計し、人工物のうち占める割合が大きい上位十位を整理するとこういう結果になるんですが、個数ベースでは、ボトルのキャップ、蓋が一七・六%で一位となっております。四位は飲料用ペットボトルの本体で六・九%と、もうペットボトル由来の漂着ごみがいかに多いかが分かります。同時に、この二つで差があることが大変重大な問題を含んでいると専門家は指摘しております。
本来、ペットボトルと蓋はセットのはずですが、しかし、数が違うわけですね。なぜこうなっているか。ペットボトル本体は水より重いので、漂着しないで海底に蓄積していくと考えられています。資料5の写真は、地中海で水深九百九十二メートルの海底に沈んでいるペットボトルの写真であります。黒く変色するも、原形をとどめております。深海に沈めば、紫外線が当たらずに劣化せず、半永久的に残留すると考えられています。
この調査結果は多くのペットボトル本体が海底に蓄積している可能性を示唆するものですが、環境省に伺いますが、ペットボトルなどプラスチックごみの海底への蓄積どのようになっているか、調査はされているんでしょうか。

○山本昌宏 環境省水・大気環境局長 お答えいたします。
環境省では、平成二十二年から海洋ごみの実態把握調査を実施しておりまして、その一環で、平成二十六年度から、海底に堆積するごみについても量や種類などの実態把握調査を実施しております。
それで、平成二十七年度から五か年間にかけて、沿岸域の代表的な湾、合計十二の湾におきまして実態を調査した結果、ごみに占める割合、容積ベースで申し上げますと、最も大きい品目がプラスチック製のごみとなっておりまして、この中には、プラスチック製の漁具、プラの袋類、プラスチックボトル、プラスチックの破片類があるということです。他方、金属類とかその他金属が支配的で余りプラがない湾もありまして、これは湾によって様々でございました。
ペットボトル特定ではないですけれども、そういった中で比較的多いところとしては、玄界灘とか大阪湾でそういうボトル、ペットボトルを含めたボトル類が二割弱というようなところが実態として把握してございます。

○山下芳生君 ようやく把握が始まったという感じで、それがどういう影響を与えるのかというのはこれからだと思います。
片や、ペットボトルの蓋には多くの添加剤が含まれています。資料6を御覧ください。
これも農工大高田先生作成の資料なんですが、タイトル、全てのペットボトルのキャップから環境ホルモンが検出されたということで、製品名、おーいお茶、午後の紅茶、アクエリアス、ポカリスエット、三ツ矢サイダー、もういつも私たちが飲んでいる製品のペットボトルのキャップの全てから環境ホルモンが出たというんですが、キャップの材質は、PPというのはポリプロピレンです。PEというのはポリエチレンです。どちらも熱で溶融し成形できる、使いやすい。比重が一以下ですから、これは海面などに漂うということになります。そのキャップから様々な紫外線吸収剤が検出された。
例えば、下にありますけれども、UV―Pという紫外線吸収剤は内分泌攪乱化学物質とされています。UV―328という吸収剤はREACH規制高懸念物質とされておりまして、発がん性、変異原性、生殖毒性など人の健康に影響を及ぼす物質、あるいは難分解性、生物蓄積性など環境に影響を及ぼす物質である懸念が高い物質であります。それから、右側のUV―327という吸収剤は化審法第一種監視化学物質とされておりまして、長期毒性等の有無がいまだ明らかになっていない物質でありまして、判明するまで数年を要することがあって、監視化学物質とされ、厳しく管理されている物質であります。こういうものがペットボトルのキャップから、全ての製品のキャップから出てきているということであります。
これが海面を漂流したり海岸に漂着したりする中で紫外線を浴びたら、どんどん分解されて海洋生物に取り込まれ、最終的には人間にも影響を及ぼし得るということになっているんですが、ただ、この対策はほとんど取られておりません。プラスチックの添加剤については、もう既に有害性が解明されているのに対策が極めて不十分なままとなっております。

資料7に、日弁連の五月二十一日に出されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案についての会長声明を載せております。
下の方に線引っ張ってありますけれども、「本法案は、プラスチックに使用される有害化学物質の規制について何らの規定も置いていないが、」、「プラスチック製品の製造事業者等に対し、一定の物質の使用禁止、添加剤のポジティブリスト制(安全性を評価した物質のみを使用可能とする制度)の導入、成分表示の義務化等の生産段階からの規制を導入すべきである。」とあります。これ重要な私は提起だと思いました。
小泉大臣、プラスチック添加剤のポジティブリスト制導入など、日弁連会長声明の提起について、直ちに検討し実行すべきではありませんか。

 

○田原克志 環境省大臣官房環境保健部長 お答えいたします。
プラスチックに含まれる添加剤については、他の物質と同様に、有害な場合には化学物質審査規制法におきまして生産段階の規制を行っております。具体的には、化学物質による環境汚染を未然に防止する観点から、環境への影響が懸念される場合には第一種特定化学物質に指定をいたしまして製造、輸入を禁止するとともに、新規に開発される化学物質に対しましては事前に国が審査を行い、問題がある場合は上市できない仕組みとしております。例えば、難燃剤として家電や自動車のプラスチック部品に幅広く使用されている添加剤などは、既に製造が、使用が禁止されているものがございます。この化審法の適切な施行によりましてプラスチックに含まれる添加剤による環境への影響の防止に努めてまいりたいと考えております。

○山下芳生君 今、農工大の高田先生の調査結果を示しましたけど、これは全部検出されたという結果なんですよね。ペットボトルのキャップから有害な物質、有害であるかもしれない、解明されなければ、物質が。今言ったのは、もうちゃんと禁止していますよということだったら、こんなことになるはずないじゃないですか。何でこうなっているんですか。

○田原克志 環境省大臣官房環境保健部長 今、資料の中で、例えばUV―328というのが青枠で囲まれておりますけれども、これにつきましては、ストックホルム条約の方で定められた手続に従って有害性などについて今議論がなされているところでございます。例えば、今年の一月に開催された専門家会合で議論がなされておりまして、いろんな評価書を作っていこうということで、まだ評価が定まっているというわけではないというふうに承知をしております。
先ほど申し上げましたように、個別の化学物質につきましては、化審法に基づきまして、適切に有害なものにつきましては製造の禁止などを行っているというものでございます。

○山下芳生君 ちょっと心配になるような御答弁なんですよ。これだけの化学物質が出たと、環境ホルモンがね、健康に影響があると。これは科学者の最新の知見ですよ。やっていますと言っていることと違う結果が出たのに、やっぱり真摯にこの結果を認めて、あるいは調査して対応しなければ、環境省の名に値しないんじゃないですか。環境省ですか。

○田原克志 環境省大臣官房環境保健部長 先ほども申し上げましたように、そのUVの、ここで検出されたというUV―328については、まだその有毒性などについて評価が定まっていないということでございます。

○山下芳生君 だったら、やっぱり情報開示すべきだと思うんですよ。小泉大臣、こういうことも含めてきちっと、一々ペットボトル全部に掲示することができるかどうか、私は可能ならすべきだと思いますけれども、何らかの形でこういうものが使われていますよということをちゃんと消費者に伝達しなければ、知らない間にこれ取り込まれているということになっているわけですからね。いかがですか。日弁連の指摘はそういうことだと思います。

○小泉進次郎 環境大臣 我々環境省としても、このペットボトルだけではなくて、プラスチックの健康に与える影響はどうなのかというのは関心を持っているからこそ、今後、その健康とプラスチックについても研究を進めていくと。これも予算も付けていますし、研究調査やっていくと。
ですので、まだ世界的にもこのプラスチックと健康の関係、これまだ未解明の部分がありますので、そういった中でしっかり知見を積み重ねます。知見を積み重ねるのを待っているのではなくて、減らしていく、そして使い捨てをやめていく、この対応は急務であろうと、そういった問題意識で、今世界の中でも先進的なこのプラスチック新法を御審議をいただいているところでもあります。

○山下芳生君 私は、やはりもうこういう疑わしいものは、知見が確定していないと言うけれども、科学者はこれは危ない物質だというふうに告発されているんで、だったらそれはきちっと情報開示してしかるべきだと思いますよ。そうじゃないとプラスチック減りませんよ。そう思いますね。
それから、もう時間が短くなってきたので、資料の8には、この間いかにこのペットボトルが日本の中で使われるようになったかという大まかな動きを記しておきました。元々はしょうゆの五百ミリリットルのペットボトルから始まったんです。そして、消費者の皆さん、あるいは自治体でごみの回収されている皆さんが、このペットボトルが増え過ぎるとごみの散乱とか心配だということで反対されたんですけれども、業界は、最初は自主規制だと言っておきながら、五百ミリリットル、あるいは自販機での販売というものを拡大する中で今こういうことが起こっている。環境省は、残念ながらそれ止めてこなかった。今の事態に至った責任の一端は環境行政が負わざるを得ないと私は思っています。


それから、資料の9ページに、この間リサイクルということが盛んに言われるんですけれども、今、水平リサイクル、ペット・ツー・ペットが一割で、業界は五割を目指すんだというふうに聞いておりますけれども、しかし、この資料九見ていただくと、これも高田先生の資料ですけど、ペットボトルはガラス製リターナブル瓶に比べてライフサイクルでのエネルギー消費量、CO2排出量が二倍程度多いという、これは非常に貴重な私は研究結果だと、読んで思いました。
要するに、ペットボトル五百ミリリットルを、左側ですけれども、ペットの樹脂、ボトル製造、それからリサイクル、廃棄、輸送などをするのに必要なエネルギー消費量は二・七メガジュール、CO2排出量が〇・一四キログラム、それに対して、このガラス製リターナブル瓶六百三十三ミリリットルを、原料の採掘、新瓶製造、洗瓶、洗う瓶、リサイクル、廃棄、輸送、ここまでするのに必要なエネルギー消費量は一・四メガジュール、CO2排出量は〇・〇八キログラムということで、いずれもペットボトルの二分の一ぐらいなんですね。
ですから、リサイクルしたら大分いいという概念もあるんですが、しかし、ガラス瓶の洗浄再利用と比べると、かなりやはり負荷が大きいということが明らかになっております。
ここから来る結論は、やっぱり素材を転換させるということが大事ではないかと。プラスチックの循環量を減らしていく、なくしていく、そういう転換を進めることが大事だと思いますが、大臣、この点いかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 そこは認識同じです。あくまでも、いかにこのペットボトルを、仮に使うとしたら再生プラやバイオプラ、若しくは代替素材、まさにアルミに替えるとか、こういったことを促していくことにもこの法案は資すると考えております。

○山下芳生君 これ本当に進めていく必要があると思っています。次世代のためにも、地球の未来のためにもですね。今、そういう動きがやはり世界的にもう起こっていると。
そもそも、例えば、私たち、水を、外国の水を、ペットボトルで売られていますけど、あれ運んできているわけですよね。それから、おいしい何たら山の水とか、遠くの山の水を運んできているわけですよ。やはりエネルギーも使うしCO2も出すと。それよりも、自宅で水道水をおいしくきれいに飲める方がよほど環境には優しいということだと思います。
資料の10枚目には、これはそういう流れの一環で、サンフランシスコ空港ではもうマイボトルを持っている方に空港として無料で水を提供していると。カウンターが付いていて、ペットボトル削減本数を表示して意識啓発も図っていると、いいことだと思います。


それから、資料の11、これは先日紹介したNHKの番組の最後の方に出てきた、社会システムそのものを変えてごみが生まれないようにする、そういうことを、市場原理も活用しながら開発された、使い捨て容器を一切使わない循環型プラットフォームをつくったお話でしたけれども、オンラインで繰り返し使う容器で商品を購入し、使い終われば回収されて洗浄され、再び充填され消費者に行くと。もうアメリカでは三万五千世帯が利用し、七か国でこのシステムが導入され、日本でも二十五社が参加して五月から開始されたと報道されておりました。アジアでも拡大の予定ですが、このプラットフォームを立ち上げた若いCEOは、買物は投票だと、持続可能な未来にどう投票するか、自分の行動が影響を及ぼすと考えるだけで正しい方向に一歩踏み出しているというふうにおっしゃっています。
公正な市場ということもありますけれども、それが国民の意識を変えるということでもあると思いますが、大臣、この動きはやはり注目し、これを加速させる必要があると思いますが、最後にいかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 同じ認識です。
今先生御指摘あったこのLoop、これは最近私、イオンさんに聞いたら、イオンさんがこのLoopをとうとう始めたということで、首都圏、東京と千葉、この首都圏の店舗でLoopで今消費者の皆さんに使っていただけるように始めたというので、私もそういった動きがどこまでこれから広がるか注目をしていますし、私自身もマイボトルを使うようになってから相当自宅でのペットボトルの消費量も減りましたし、今これ紙ですけど、やはりこうやって二本、今日だけでも委員会で私は使ってしまうんですよね。なので、今後、院のことは院でお決めになることですけれども、よりマイボトルとかも含めて浸透していくような社会になることをこの法案もきっかけに後押しができればというふうに思っております。

○山下芳生君 終わりますが、社会システム、流通システムそのものをやはり変革していくということがどうしても避けられないということも共通の認識に、社会共通の認識にしていく必要があるということを申し上げて、終わります。