日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

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非正規雇用を正規に 山下氏 少子化の大きな原因 参院予算委

参議院予算委員会 2022.3.18
資 料 動 画

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(写真)質問する山下芳生議員=18日、参院予算委

日本共産党の山下芳生議員は18日の参院予算委員会で、労働契約の締結時に労働日・時間が確定しない「シフト制労働」の「留意事項」(1月7日に厚生労働省が通知)の周知徹底や、非正規から正規雇用への転換、均等待遇の保障に本気で取り組むよう求めました。

山下氏は、シフト制労働者の労働日について「最低限日数」の合意は、使用者の都合でシフトが削減された場合の休業手当支払いを促す根拠になるかと質問。後藤茂之厚労相は「指摘の通りだ」と認めました。

非正規雇用は、1980年代の604万人(15・3%)から2020年には2090万人(37・2%)にまで増加しています。

山下氏は、「(増加は)自然現象ではない。派遣労働や有期労働の拡大など労働法制の相次ぐ規制緩和がもたらした」と指摘。低賃金で不安定な働き方を強いられ、結婚したくてもできない若年層が増加しているとして、非正規雇用の増大が少子化の大きな原因との認識はあるかとただしました。野田聖子少子化担当相は、「非正規雇用によって収入が減ることで、結婚ができず少子化につながることは明らかだ」と認めました。

その上で山下氏は、「岸田政権の言う『新自由主義の弊害』の中に非正規雇用が4割に増えたことは含まれるのか」と迫りました。松野博一官房長官がまともに答えないもとで、審議は一時中断。山下氏の繰り返しの追及に、松野官房長官は「非正規雇用の増大を単に弊害とだけ言えるかはさまざまな見方がある」と答えました。

山下氏は、「そういう認識でどうやって対策をとるのか。少子化を解決するのか」と厳しく批判。さらに非正規化が品質と技能形成に悪影響をもたらしているとの研究などにふれて、非正規雇用から正規への転換に取り組むよう求めました。

【議事録】

○予算委員長 山本順三 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。

○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
昨年、私は、当委員会で、シフト制の労働者には資料①で示した数々の理不尽があること、その根底には資料②で示した労働契約の問題があることを指摘し、EU指令のようなシフト制労働契約のルールが必要だと提案いたしました。当時の厚労大臣は検討したいと答弁されましたが、後藤厚労大臣、どうなりましたか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 厚生労働省では、EU指令など、欧州における日本のシフト制に類似した働き方に対する法規制に関する調査を実施をいたしました。本調査の結果も参考にしつつ、シフトの削減などのシフト制における紛争を未然に防止することを目的といたしまして、本年一月にいわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項を策定したところでございます。

○山下よしき 資料③に、このシフト制の留意事項、労働者向けパンフレットを付けました。厚労大臣、内容説明していただけますか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項とは、労働紛争を未然に防止し、シフト制を労使双方にとってメリットのあるものとすることを目的といたしまして、法令で義務付けられている事項に加えまして、使用者と労働者で話し合って定めておくことが考えられるルールについてまとめたものでございます。
具体的には、例えば、シフトの通知期限等シフトの作成に関するルール、シフトを変更する場合の期限等シフトの変更に関するルール、一定期間中の最大の労働日数、時間数、目安となる労働日数、時間数、最低限の労働日数、時間数など、シフトにおける労働時間の設定に関するルールを労働紛争防止のために労使で話し合って定めておくことが考えられるルールとして示しております。

○山下よしき 労働日数や時間数の最大、目安、そして最低限を合意しておく効果について労働者に分かりやすく説明いただけますか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 シフト制労働には、その時々の事情に応じて柔軟に労働日、労働時間を設定できるという点で契約当事者双方にメリットがある一方で、使用者の都合により、労働日がほとんど設定されなかったり、労働日の希望を超える労働日数が設定されたりする、そういうことによりまして紛争が生じることも考えられます。
このため、労働契約に最大、目安又は最低限の労働日数や時間数を定めることで、例えば、学生アルバイトのシフトが過多となり学業に支障が生じることや、コロナ禍において見られたようなシフト削減が行われることといったことから生ずる紛争の防止等につながることが期待されます。

○山下よしき シフトを通知する際の期限、シフトをキャンセルした場合の期限を合意しておく効果についても説明いただけますか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 シフト制労働は、その時々の事情に応じて柔軟に労働日、労働時間を設定できることから、労働条件の予見可能性を高めることにより紛争を防止することにつながるものと考えられます。
シフトを通知する際の期限やシフトを変更する場合の期限等といったシフトの作成、変更に関するルールを労使で話し合って決めることによりまして、例えば、労働日の通知やキャンセルが直前になることから生ずる紛争の防止につながることが期待されます。

○山下よしき 一つ追加で聞きたいんですけど、最低限日数の合意は、コロナ禍で横行したシフト削減のような使用者の都合でシフトが削減された場合の休業手当の支払を促す根拠にもなるんじゃないですか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 今委員から御指摘ありました労働基準法第二十六条における休業手当の支払につきましては、一般的には、最低日数に関する定めが労働契約に含まれている場合において、使用者の責めに帰すべき事由により労働者を休業させた場合は、同法の休業手当の支払が義務があるということで、御指摘のとおりでございます。

○山下よしき 重要な内容です。シフト制労働者が加入する首都圏青年ユニオンの提言とも方向性は一致します。
そこで、厚労大臣、労使双方に周知徹底すること、効果を見て法制化することが重要ではありませんか。

○厚生労働大臣 後藤茂之 シフト制留意事項については、リーフレットも作成いたしまして、ホームページに掲載しているほか、シフト制の労働者が多いと考えられる業界の団体や労使団体への周知協力依頼をしております。
都道府県労働局において、各種説明会、企業に対する指導、啓発を行うなど、あらゆる機会を捉えて周知を行っております。
シフト制については、その時々の事情に応じて柔軟に労働日、労働時間を設定できるという点で契約の当事者双方にメリットがあり得るために、一律に規制することは慎重な検討が必要であると考えておりまして、まずは本留意事項の周知徹底を行うことで、シフト制に関する雇用管理の適正化に努めてまいりたいと思います。

○山下よしき 留意事項は一歩ではありますけれども、悔しい思いをしてきたシフト制労働者が立ち上がり声を上げた成果だと思います。これを機に理不尽な扱いがなくなるよう、私も一層尽力したいと思います。
さて、シフト制以外にも派遣、パートなど、非正規雇用には様々な形態があります。厚労省、一九八四年と二〇二〇年の非正規雇用の数と割合、それぞれ報告していただけますか。

○厚生労働省 雇用環境・均等局長 山田雅彦 お答えします。
総務省労働力調査によると、非正規雇用労働者の人数は、一九八四年は六百四万人であり、二〇二〇年は二千九十万人であります。また、役員を除く雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は、一九八四年は一五・三%であり、二〇二〇年は三七・二%です。

○山下よしき 資料④に今の御答弁を赤い線で示しました。
非正規雇用は八〇年代の一割台から四割近くにまで増えました。これ自然現象じゃありません。派遣労働の拡大、有期契約労働の拡大など、労働法制の相次ぐ規制緩和がもたらしたものであります。
厚労省、非正規雇用の問題点や課題について報告していただけますか。

○厚生労働省 雇用環境・均等局長 山田雅彦 非正規雇用労働者は正規雇用労働者に比べて賃金が低い、各種手当の支給が不十分、能力開発機会が乏しい等の課題があり、待遇改善を図る必要があります。
望ましい働き方ビジョンについて、そこからポイントをちょっと指摘させていただきます。
雇用が不安定である、経済的自立が困難である、職業キャリアの形成が十分ではない、セーフティーネットが十分に整備されていない、ワークルールの適用が十分に進んでおらず、労働者の声も届きにくい。同じその報告で、課題として、若者を中心に非正規雇用になるとその状態が長期にわたって続き、なかなか正規雇用になることができないとされております。
このビジョン、二〇一二年に取りまとめられたものでありますが、その後、各種施策を取ることによって、非正規雇用労働についての課題については厚生労働省として対応してきているところでございます。

○山下よしき 今言われた問題は個々の労働者の問題であると同時に、日本社会全体の問題でもあると思うんですね。その最大の問題の一つが、非正規雇用の増大が少子化の大きな原因になっているということです。
資料⑤を見ていただきたい。三十歳から三十四歳の男性の有配偶率は、正規雇用五九・〇%に対し、非正規雇用二二・三%、約三分の一しかありません。
野田少子化担当大臣、非正規雇用の増大が未婚化そして少子化の大きな原因になっているという認識はありますか。

○内閣府特命担当大臣(少子化対策) 野田聖子 日本の場合、やはり少子化の原因というのは、まず未婚とか晩婚化の進行であります。夫婦の持つ子供の数の減少等がありますが、その背景には様々、個々人の結婚や出産、子育て希望の実現を阻む様々要因がある、絡み合っているということは考えられます。そのような中で、一九七〇年以降おおむね二人前後で推移していることから、少子化の原因は特に未婚化、晩婚化の影響ということが言えると思います。
若い世代の非正規雇用労働者の未婚率は、特に男性で正規雇用に比べて顕著に高くなっています。また、男性の年収別有配偶率を見ると、いずれの年齢層でも、一定水準までは年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にあります。したがって、雇用の安定を図り、経済的基盤を確保することが重要であると考えています。
このため、少子化社会対策大綱では、若い世代の経済的基盤の安定に向け、若者の就労支援、非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善を進め、若い世代の雇用の安定を図ることとしております。
厚生労働省と連携し、若い世代が将来に展望を持てるような雇用環境の整備を通じて、結婚を希望する方々がその希望をかなえられるよう、環境整備に取り組んでまいります。

○山下芳生君 いろいろおっしゃいましたが、端的に、非正規雇用の増大は少子化の原因になっていると、大きな、その認識はありますか。

○内閣府特命担当大臣(少子化対策)野田聖子 非正規雇用によって収入が減ることによって結婚ができない、結婚ができないということは少子化につながるということは明らかであります。

○山下よしき お認めになりました。
内閣府の少子化対策大綱は、少子化の主な原因、非正規雇用労働者の未婚率についてどう述べていますか。

○内閣府子ども・子育て本部統括官 藤原朋子 お答え申し上げます。
非正規雇用と未婚化、少子化との関係につきましては、令和二年五月に閣議決定をいたしました少子化社会対策大綱におきましても記載がございます。
まず、少子化の主な原因は、未婚化、晩婚化と、有配偶出生率の低下であり、特に未婚化、晩婚化の影響が大きいと言われていること、そして、若い世代の非正規雇用労働者の未婚率は、特に男性で正規雇用に比べて顕著に高くなっており、雇用の安定を図り経済的基盤を確保することが重要である、このように記載をされております。

○山下芳生君 今あったように、非正規雇用の増大が少子化の主な原因であることは明らかであります。
資料⑥に、非正規雇用の男性Aさんの高校卒業後の働き方を示しました。
十九歳から三十五歳の現在まで、三年ないし五年ごとに二つの職場を行ったり来たりしています。その間、賃金はほとんど上がらず、手取り月十四万円ほどしかありません。実家住まいなので首都圏でも何とかやっていけていますが、Aさんは、結婚など先のことは考えられない、同年代は結婚しているが自分はデート代も出ない、仮に結婚できたとしても子供を持つのは経済的に難しいのではないかと語ってくれました。
野田大臣、こうした実態と声について、少子化担当大臣としての感想を伺いたい。

○内閣府特命担当大臣(少子化対策)野田聖子 今まさに非正規雇用の方の当事者の声を聞かせていただきまして、御紹介いただきありがとうございます。
繰り返しになるんですけれども、やはり少子化の背景は、その結婚ができるかどうかというのがまず第一歩で、やはり現実的なことですから、家族を扶養していかなきゃいけないとか、住む場所を確保しなきゃいけないとか、当たり前のことなんですけど、非正規だと正規に比べて安定 性もないし、いろいろ不安材料があると。
もう一つ私はお願いしたいのは、やはり今後は若い人たちは、夫が大黒柱となって家計を背負うんじゃなくて、やっぱり妻も同等にやっぱり働いて共に家計を担い合うということで、男性が生活を見なきゃいけないんだという思いで、賃金が安いとそれでためらってしまうことをどうにかやっぱり越えていけるような社会も併せてつくらなきゃいけないと思っています。
男女共同参画担当大臣としてはそういう思いとともに、少子化対策担当大臣としては、今申し上げたような、大綱に基づいて関係省庁としっかり連携しつつ、結婚を希望する方々、非正規であっても、そしてきちっと生活ができるように、手だてが講じられるように環境整備に努めてまいりたいと思います。
また、ちょっとこども家庭庁もこれから皆様方に御審議いただくわけですけれども、やはり若い世代の経済的基盤の安定が少子化対策の観点からも重要であるという認識の下で、同様に、こども家庭庁においてもその司令塔機能を果たしていきたいというふうに考えています。

○山下よしき 私はこれまで非正規雇用労働者の声をたくさん聞いてまいりました。津波で被災したソニー仙台工場の後片付けに真っ先に駆け付けたのは期間社員の若者たちでした。法律や条例の改正内容を自主的に勉強して市民のどんな質問にも答えていたのはある自治体の非正規職員の女性でした。スペイン語が堪能で、サッカーの外国人選手をアテンドしていたのは大手イベント警備会社のシフト制の男性でした。
彼ら、彼女らは雇用の形こそ非正規ですが、仕事の中身と志はプロフェッショナルだと、そう思いました。なのに、低賃金で不安定な働き方を強いられ、結婚したくてもできない若年層が増えている。私は、新自由主義の弊害というなら、これこそ一番の弊害だと考えますが、松野官房長官、そういう認識ありますか。

○内閣官房長官 松野博一 お答えをさせていただきます。
一九八〇年代以降、新自由主義的な考え方が世界的に主流となり、世界経済の成長の原動力となったということはございますが、一方で、市場に依存し過ぎたことで、公平な分配が行われず、中間層の所得が減少し、格差や貧困が拡大するなどの弊害も明らかとなりました。そうした中で、我が国の可処分所得の伸びは主要先進国に対して劣後してきており、女性と男性、非正規と正規の労働者の格差などの課題も存在をしています。
岸田政権では、新しい資本主義の下、官と民が協働して成長と分配の好循環を生み出していくことを目指しています。若い世代の非正規雇用労働者の未婚率は、特に男性で正規雇用に比べ顕著に高くなっており、雇用の安定を図り経済的基盤を確保することが、若者が将来にわたる展望を描けるようにすることで重要であります。
新しい資本主義の取組においても、日本の未来を担う若者世代、子育て家庭に特にターゲットを置いて、所得の大幅な引上げをしっかりと目指していきたいと考えております。

○山下よしき 端的に聞きます。新自由主義の弊害の中に、非正規雇用が四割に増えたことは含まれるのか、含まれないのか、岸田内閣の見解伺いたい。

○内閣官房長官 松野博一 お答えをさせていただきます。
新自由主義という概念がどこまでの労働法制、税制にまたがるものかということはそれぞれの見解があるかと思いますけれども、岸田政権におきましては、先ほど答弁をさせていただきましたとおり、新しい資本主義という考え方の下で成長と分配の好循環を生み出すということを目標としております。そのことによりまして、しっかりと若者世代が未来に向けて展望を開けるようにすることが重要であると考えております。(発言する者あり)

○予算委員長 山本順三 いいですか。松野内閣官房長官。

○内閣官房長官 松野博一 お答えをさせていただきます。
新自由主義的な考え方が先生御指摘の問題に関して主要な原因かどうかというお尋ねであるかと思いますけれども、新自由主義的な考え方の弊害として、中間層の所得が減少していること、格差や貧困が拡大すること、こういったことが挙げられております。
その結果として、先ほど野田大臣からもお話、答弁がございましたとおり、若者の結婚に関して展望が難しくなっているということにはつながっているかと思います。

○山下よしき 答えていません。
新自由主義の弊害というのは岸田政権が言っているんです。その中に、非正規雇用を政治の責任として規制緩和の中で四割にまで増やした、そのことを弊害の中に入れるのか入れないのか。

○内閣官房長官 松野博一 岸田内閣の施策として、今般、人への投資について抜本的に強化をしていきたいという施策を……(発言する者あり)

○予算委員長 山本順三 御静粛に願います。答弁中。

○内閣官房長官 松野博一 掲げております。
三年間で四千億円規模の施策パッケージを創設する等、非正規雇用の方を含め、しっかりと再就職や正社員化に向けた支援を強化をしていくということを掲げさせていただいているところであります。(発言する者あり)

○予算委員長 山本順三 いいですか。じゃ、松野内閣官房長官。

○内閣官房長官 松野博一 お答えをさせていただきます。
非正規雇用の増大自体が弊害かと御質問であれば、直接的に非正規雇用の増大を単に弊害とだけ言えるかといえば、様々な見方があるんだろうというふうに考えております。

○山下芳よしき よく分かりました。新自由主義の弊害の中に非正規雇用を四割に増やしたことは含まれないということが岸田政権の見解だと。とんでもないですよ。そんな見解で対策ができるはずないじゃないですか。どうやって少子化を止めるんですか。それが原因ですよ。
もう一つ聞きたいと思います。萩生田大臣に来ていただいております。
資料⑦は、自動車産業における非正規化が品質と技能形成に及ぼす影響について調査研究した論文です。


非正規労働者に対しては教育訓練は必要に応じてであり、本来の統合型技能形成とはなっていない、非正規化に伴って定着化、チームワークの問題が顕著となり、品質の維持向上の問題も多くなるとあります。
萩生田経産大臣、認識と対策を伺いたい。

○経済産業大臣 萩生田光一 企業の産業競争力強化の観点から、非正規雇用者を含めた人材育成は不可欠だと思っております。働き方改革関連法案において、同一企業・団体における正規雇用者と非正規雇用者の不合理な待遇差を禁止しており、企業は雇用形態にかかわらず必要な人材育成を行うことが義務付けられていると承知しております。
その上で、今般、政府として、人への投資の抜本強化に取り組むべく、三年間で四千億円規模の施策パッケージを創設し、民間ニーズを反映しつつ、非正規雇用者を含めた人材育成強化に推進してまいりたいと思います。
引き続き、関係省庁と連携しながら、企業の人材育成の推進に取り組んでまいりたいと思います。

○山下よしき 示した調査は、自動車企業のグループの生産職場の千人を超える職場長から聞いた結果なんですよ。非正規雇用の増大が品質と技能形成に悪影響を及ぼしていると。この認識と対策を聞いたんです。

○経済産業大臣 萩生田光一 この職場の方はそういうふうに思われたんだと思います。
したがって、非正規の方であっても、これ人材育成していくのは当然です。そういう意味では、この会社が必要に応じてということであれば、これはまさに働き方改革の関連法案に合っているものだとは思いません。

○山下よしき 私、自動車以外の製造の現場の労働者の声を聞きました。熟練労働者は、非正規に教えても彼らはすぐいなくなる、非正規の若者は教わっても長くいられない。技能、技術の継承のモチベーションが教える方も教わる方も下がっちゃうというのが非正規の増大の現場への影響なんです。その認識ありませんか。

○経済産業大臣 萩生田光一 全ての職場でそうかと言われるとちょっと分からないんですけれど、そういう一面は否定できない部分あると思います。

○山下よしき そういう認識で経済産業の発展ができるのかなと私は思わざるを得ません。こういう結果が出ているんですからね。
私は、この結論として、正規雇用への道を開くということも言われております。正規雇用、増やすべきじゃありませんか。

○経済産業大臣 萩生田光一 先ほど申し上げたように、同一企業・団体における正規雇用者と非正規雇用者の不合理な待遇差を禁止しておりますので、企業は雇用形態にかかわらず必要な人材育成を行うことが義務付けられていると承知しております。

○山下よしき 同一労働同一賃金は大事なんですけどね、技能の継承のためには長期に安定して働いてもらうことが何よりも大事なんです。さっき言いました。
資料⑧、見てください。日本の非正規雇用の多さは異常なんですよ。この非正規雇用の増大は、少子化の主要因となって物づくりにもマイナスとなっております。


非正規から正規への転換に本気で取り組むこと、仮に非正規で働いていても暮らせる賃金など、正規との均等待遇を……

○予算委員長 山本順三 時間が参っておりますので、おまとめください。

○山下芳生君 直ちに保障することを求めて、質問を終わります。

○予算委員長 山本順三 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。