「君が代」強制は違憲――画期的な判決がでました！東京都教育委員会が「日の丸・君が代」を強制する通達を出したことは違憲・違法だとして教職員401人が訴えた裁判で東京地裁は21日、「日の丸」に向かっての起立と「君が代」斉唱の義務はないとする原告の主張を全面的に認める判決を言い渡しました。
　
　判決は、通達とこれにともなう都教委の指導は「教育の自主性を侵害するうえ、教職員に対し一方的な理論や観念を生徒に教え込むことを強制することに等しい」として、教育基本法10条1項の「不当な支配」に該当する違法なものだと判断。「日の丸・君が代」が「皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱」として用いられてきたことは「歴史的事実」と指摘し、懲戒処分までして起立・斉唱させることは思想・良心の自由を侵害するとのべ、違憲判断を示しました。

　すばらしい内容です。1999年、国会で「国旗・国歌」法案が審議された際、私は野中広務官房長官（当時）と論戦しましたが、野中官房長官も、「日の丸・君が代」が、アジアに対する侵略戦争を遂行するために利用された事実を認めました（論戦は、ＨＰ下段の「政策と信条」「演説・論戦・講演」に掲載しています）。また、他の議員との論戦のなかで、法制化によって「日の丸・君が代」を国民に強制するものではないとも答弁しています。都教委をはじめ、全国の教育現場で起こっている「日の丸・君が代」の事実上の強制は、「国旗・国歌」法を制定した当時の立法趣旨を大きく逸脱するものなのです（もちろん日本共産党は「国旗・国歌」法案そのものに反対しました）。

　今回の判決は、教育基本法10条が、教育行政の暴走に歯止めをかけるうえで大きな力となることも示しました。政府の教育基本法改悪案は、この10条を変えて、国家が教育内容に介入できるようにしようとしています。なんとしても教育基本法の改悪にストップをかけなければならないことも浮き彫りとなった今回の判決だったと思います。よし、がんばろう！

　

　きょうは、早朝、新幹線で上京し、大阪各地の地方議員・予定候補の皆さん、宮本たけし参院大阪選挙区予定候補と政府交渉を行いました。小林美恵子参院議員、吉井英勝議員も参加してくれ、こくた恵二衆院議員も激励に駆けつけてくれました。

　厚生労働省に対しては、介護保険法や障害者自立支援法で関係者が従来どおりのサービスを受けられなくなっている実態を告発し改善を要請。国民健康保険制度の改善、大阪・星が丘両厚生年金病院の売却中止、ホームレス支援強化、雇用促進住宅廃止の中止なども求めました。環境省に対しては、過大な需要予測にもとづく森之宮清掃工場の建て替え中止、寝屋川の廃プラスチック処理施設周辺住民の健康被害調査を要請。国土交通省に対しては、第二京阪自動車道の環境対策、大和川の浚渫、住之江競艇のナイターレースの中止、各駅のバリアフリー化などを要請しました。

　さすが、わが党の地方議員・予定候補はたのもしい。政府の若手官僚が机上の議論に終始するのに対し、現場の実態、住民のナマの声と運動を突きつけて対応を迫ります。

　「大阪市の国保会計の赤字は5年間で140億。国からの調整交付金の減額が170億にもなりこれが原因だ。市民の生活が苦しく保険料の収納率が低下する。するとペナルティーで交付金が減額され国保会計が赤字になる。それで赤字解消のために国保料値上げする。すると滞納者が増え収納率が低下しまたペナルティーが課せられる。まさに”悪魔のサイクル”だ。ペナルティー減額をやめるべきだ」（北山良三大阪市議）

　「昨年秋の廃プラ施設操業以降、『目がチクチクする』『朝、咳き込む』『花粉症が治らない』『ニオイがひどい』『医者に転地療養をすすめられた』『孫が保育所から自宅に戻ると咳をする』など100名以上の訴えが出ている。寝屋川市は”原因がわからないので調査しない”といっているが指導してほしい」（太田とおる寝屋川市議予定候補）

　「この夏ナイターレースが始まって街が変わった。夜9時から車がいっせいに街中を走り、地下鉄は満員で通勤帰りの人から『乗りにくい』との声が多数でている。また8時以降入場券なしで入場でき、子どもたちも入場可能となっている。親子連れの客が子どもに舟券を買わせギャンブルに興じる姿もある。酒類の販売は自粛といっていたが場内にあるテラスはビヤガーデン状態。こういう事態になっていることをあなたがたは知っているのか！」（あだち義孝大阪市議予定候補）という迫力ある追及に、はじめ「地元からは問題ないと聞いている」といっていた国交省の担当者も「警備関係を強化してそのようなことがないよう指導します」と答えざるを得ませんでした。

　地域の具体的な実態を突きつけ、いくつか貴重な成果も得ることができた、実り多い政府交渉となりました。参加者の皆さんお疲れ様でした。国会のスタッフの皆さんお世話になりました。