経済支援制度の強化を 法務省や議員に犯罪被害者ら 山下・井上氏 署名受け取る
2023年4月28日犯罪被害者と遺族らでつくる「犯罪被害補償を求める会」(藤本護理事長)は27日、殺人・傷害事件の被害者や遺族に対する経済的支援制度を抜本的に強化するよう法務省に要請しました。また、警察庁に対しても自動車損害賠償法に基づく支援制度と同程度の犯罪被害者等給付金を支給することを求めました。
同給付金の支給額は、事件当時の収入で算定されます。2021年12月に大阪市北区の心療内科医院で被害者26人が死亡した放火殺人事件で夫を亡くした女性は、夫が復職に向けた「リワーク・プログラム」を受けていたことに触れて「『無職』として給付金が減額されると知り、ショックを受けた。政府は被害者の声を聞き、制度の運用を改善してほしい」と要望しました。
19年に夫が殺害され、自身も重傷を負った女性は「加害者は夫の父親だった。すでに親族関係が破たんしていたのに、親族関係を理由に犯罪被害者等給付金は出なかった。加害者が刑務所で死亡し、損害賠償金も支払われない」と述べました。事件後に何度も手術を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にも苦しんでいるとして「生きていけないような状態だ」と涙ながらに訴えました。
要請書を受け取った各省庁の担当者は「関係機関と連携して必要に応じた検討を進めたい」(法務省)、「制度についての意見を庁内で共有したい」(警察庁)と応じました。
日本共産党の本村伸子衆院議員と清水忠史前衆院議員が同席しました。
国会要請では、共産党の山下芳生副委員長と井上哲士参院議員が藤本理事長から「犯罪被害者支援制度の確立を求める請願署名」を受け取りました。
山下氏は「社会全体で被害者を救済する制度をつくろうという運動が広がりつつある。政治を動かすために超党派で奮闘したい」と述べました。