日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

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藻場干潟の保全こそ 瀬戸内法改正案で山下氏

参議院環境委員会 2021.4.8
資 料 動 画

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(写真)質問する山下芳生議員=8日、参院環境委

瀬戸内法改正案が9日の参院本会議で採決され、日本共産党を含む賛成多数で可決し、衆院に送付されました。日本共産党の山下芳生議員は8日の参院環境委員会で、改正案にかかわる干潟再生事業について質問しました。

山下氏は、同事業は研究者からさまざまな問題点が指摘され、航路しゅんせつの海底ヘドロが使われている事業もあると批判。国交省が「土砂処分先の円滑な確保につながる」と述べるなど、ヘドロ処分が最大の目的になっていると追及しました。小泉進次郎環境相は「人間のエゴで地域の生態系を破壊しかねない。そこはしっかり見ながら責任を果たしたい」と答弁。山下氏は「一度失われた干潟藻場の人工的な再生は困難だ。環境破壊を止めるのが政治の役割だ」と指摘しました。

また、山下氏はノリの色落ちなどの対策として、これまで規制されていたリンと窒素を、県の計画に基づき特定海域に供給する改正案について「赤潮など被害が起こらないよう管理できるか」と質問。環境省の山本昌宏水・大気環境局長は「丁寧にモニタリングを行い、慎重に被害を起こさないようサポートしたい」と答弁。山下氏は「香川県で繰り返されてきた養殖ハマチの赤潮の被害などを二度ともたらしてはいけない」と指摘しました。

【議事録】

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
一九七三年施行の瀬戸内法とその後の取組によって、瀬戸内海ではリンや窒素といった栄養塩類が減少したことで水質は改善いたしました。一方、栄養塩類が多いほど生育状況が良くなるとされるノリは色落ちによる被害が生じております。そのため、ノリ養殖の関係者からは栄養塩類の供給を望む声が多く、今回の法改正となったと承知しております。
我が党は法案には賛成であります。ただ、心配な点もありますので、質問したいと思います。
今回創設される栄養塩類管理制度ですが、特定の海域をリンや窒素の総量規制から外して栄養塩類の供給を行うものであります。
そこで伺いますけれども、この区域や管理計画は誰がどのように決めるのでしょうか。また、栄養塩類の供給を求める者だけでなく、反対に富栄養化で水質が悪化することを心配する者、例えば海水浴場の関係者、あるいは魚の養殖業者などもこの計画策定に関わることになるんでしょうか。お答えいただけますか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 お答えいたします。
御指摘の栄養塩類管理計画は関係府県知事が定めるということになりますので、府県知事がそれぞれの海域において、海域の利用目的や潮流等の自然的な条件、あるいは排出水の排出の状況などを勘案、把握しつつ、地域の意見等を踏まえて策定するということになります。
今回の法律におきましてそのための手続というのを決めておりますので、その手続、プロセスの中で、関係者の御意見はしっかりとお伺いすると。また、環境省も協議を受ける立場にありますので、その際にもしっかりと関係府県と協力してやっていくということがございます。
計画の中には、実際にどうやってそれを、どこにどうやって供給するのかとか、それをどうやってモニタリングするのかということを定めると同時に、あと、計画を実施した後も継続的にモニタリングをするという形で、そのモニタリングで何か問題があったらすぐに軌道修正を図っていくというような順応的管理をするということを前提に設けておりますので、関係者の御意見もしっかり伺いながら、地域の環境保全と併せてそういった栄養塩類の管理ということが実現できるようにやっていきたいというふうに考えております。

○山下芳生君 素朴な疑問なんですけど、これ陸上と違って、海に区域を定めたとしても区域内外の海水は移動すると思うんですね。計画区域の外、周辺の海域に富栄養化の影響が及んで被害が発生する心配がありますけれども、そうならないように海水を管理するということは技術的にできるんでしょうか。また、万一被害が発生した場合に、誰が補償することになるんでしょうか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 まさにおっしゃるとおり、海域ですから、海はみんなつながっておりますし、海の中には流れもあるということでありますから、天候、気象条件も含めて、海の中の状況というのは刻々変わっていくということでございます。
そういう中で、どういった形でということでありますが、まず、計画策定の段階では、それまで瀬戸内海、都道府県がずっと水質に関しては常時監視をしておりますので、これまでの様々な調査データというものもありますから、そういうものをベースに、こういったところで実際に栄養塩類の不足が生じているところにどのくらいの栄養塩類の濃度を目標とするかというようなことを具体的に検討して、それに対してどういったところからそれが供給が可能かという、そういう手段も併せて検討すると。
その実施する前は、それは机上の話ですから、シミュレーションなどによりまして評価をして、ただ、実際にそのとおりになるかどうかというのはやっぱりやってみないと分からない部分がありますので、それは丁寧にモニタリングを図っていくということでございます。
当然、その策定のプロセスで、先ほど申し上げましたように、赤潮を懸念される関係自治体あるいは関係者の御意見もしっかり聞いた上で、恐らく最初は慎重なやり方でスタートしていって、徐々にそれを見直していくというふうなことになろうかと思いますが、実際に被害が生じないような形でそれはしっかりと取り組んでいけるように環境省としてもしっかりとサポートしていきたいと考えております。

○山下芳生君 この点で大臣の認識伺っておきたいんですけど、私、結局、今の話ではモニタリングしながら、試行錯誤やりながら慎重にということだと思うんですが、私、小学校の頃に瀬戸内海に面した香川県旧津田町に住んでいたことがありまして、津田の松原海水浴場が大変有名で、関西からもお客さん来ていました。それから、お隣の引田町では、先ほど冒頭おっしゃったハマチの養殖が大変盛んでして、一九七〇年頃でしたけれども、もう毎年のように大規模な赤潮が発生しておりました。赤潮というのは、もう御存じのとおり、富栄養化によってプランクトンが大量に発生し、海中の酸素濃度が欠乏して、そしてプランクトンが死んじゃって、赤潮、赤い色になっちゃう。その過程でハマチも死んじゃうわけですね。ハマチの養殖の生けすに死んだ魚がおなかを上にしてもうびっしり浮かんでいた光景を忘れることはできません。
これは、もちろん海水浴場もそうなると真っ赤な海ですから泳ぐ方はほとんどいないわけで、二度とあのような被害をもたらしてはいけないと思うんですが、今回の法改正によってそういうことはもたらさないという大臣の決意、伺いたいと思います。

○小泉進次郎 環境大臣 そういった現場の声を、私も香川県で実際にハマチの養殖をやっている漁師の方からも伺いました。この声をしっかりと受け止めて、そして、かつて赤潮による大量の被害が生まれた経験もお持ちですから、そこも踏まえて、環境省としては、まさに先生がおっしゃったようなモニタリングもやりながら、順応的なプロセスで、そして、必要があれば、我々が求められれば、技術的な助言、オブザーバーとしての参加、そして関係の自治体とも一体となって、そしてまた関係省庁の連携も必要であればしっかりやると、こういった体制で進めていければと思っています。

○山下芳生君 瀬戸内海では総量規制によって一定水質は改善されましたけれども、ただ、魚介類の生息数は依然減少を続けているんですね。漁獲高も、ピークであった一九八〇年前半を境にずっともう減り続けて、今、当時の三割以下になっております。これは栄養塩類の問題ももちろんあるでしょうけれども、それだけではなくて、藻場、干潟の減少、あるいは海底底生の環境悪化、あるいはもう温暖化の影響など、様々な要因が関連し合っていると考えられます。
今回の法改正に向けた中央環境審議会の答申でも、瀬戸内海の今後の環境保全の在り方についてという答申で、藻場、干潟の減少、底生環境の悪化の影響を挙げた上で、赤潮、貧酸素水塊の発生メカニズムや栄養塩類と水産資源の関係等について更に調査研究が必要とされています。
大臣、瀬戸内海における多様な水産資源の確保、これ法の目的にも書かれておりますけれども、そのためには様々な要因がどのように関わっているのか総合的な調査研究が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 山下先生御指摘のとおり、栄養塩類と水産資源の関係に関する更なる調査研究が必要であり、引き続き、水産庁などの関係省庁や自治体と連携しながら科学的な知見の充実に努めてまいりたいと思います。
環境省としては、関係府県による栄養塩類管理計画の策定を技術的に支援するためのガイドラインを策定をするほか、関係省庁や自治体と連携して、生態系を始めとした現状の的確な把握、そして、高精度な将来予測などの調査研究を一層充実させ、正確かつ継続的なモニタリングを実施してまいります。

○山下芳生君 瀬戸内海では埋立てが非常に広がりまして、瀬戸内全体で埋立面積は約四百六十平方キロメーターで、淡路島の四分の三の面積に当たる広大な区域が埋め立てられました。一方、藻場、干潟の面積は大幅に減少いたしました。
瀬戸内の主要な藻場であるアマモ場は、一九六〇年に二百二十六・三五平方キロあったのが、一九九〇年には六十四平方キロ、三十年で三分の一以下に減ってしまいました。
藻場、干潟の機能について、簡潔にちょっと説明いただけますか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 藻場、干潟につきましては、生物、生き物にとっての生息の場として貴重な場ということもありますし、水質の改善にも寄与するところがあります。さらに、本日お答えしているように、ブルーカーボンとしての機能ということも大変注目されておりますので、多様な機能を生物にとって持っていると考えております。

○山下芳生君 資料に付けておきましたけど、おっしゃったとおり、大事な機能があるわけですが、これがもう三分の一に減っちゃっていると。
そこで、藻場、干潟の再生事業というものが展開されておりますけれども、これも簡潔にちょっと御説明いただけますか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 再生事業につきまして、午前中にもありましたけれども、瀬戸内海の関係府県にヒアリングを実施したところ、平成二十七年度前回改正以降、三県で百七十・五ヘクタールの造成実績が確認されているという状況でございます。

○山下芳生君 資料三と四に、瀬戸内海での干潟、藻場の再生事業の様子について記しておきましたが、この再生あるいは造成事業で干潟などが再生されれば喜ばしいんですけれども、実は、研究者の方々からは、この再生事業について様々な問題点が指摘されている点も事実であります。
今日、私は、京都大学フィールド科学教育研究センターの向井宏特任教授が十年ほど前に書かれた、干潟、藻場の再生事業、その問題点という論文があるんですけど、これ読むと、これなかなか手放しで喜べないなと、この事業はですね、そう思ったので、ちょっと紹介します。この先生が紹介されているのは、山口県周南市の大島地区に広がる人工干潟、大島干潟の現地調査の結果です。まあ十年前ですから、その後更に事業は進んでいるんですけれども。
人工干潟には白い砂が敷き詰められて、遠くまで浅場になって海水浴には良い海岸ができているように見える。しかし、人工干潟の海水は濁って底が見えない。一方、百メートルも離れていない隣の自然海岸では、瀬戸内海の夏の海としては、海水は比較的きれいだ。隣り合っている人工干潟と自然海岸でなぜこんなに水の透明度が違うのだろう。その理由は人工干潟には生き物がいないことであると。自然海岸の方は、カキが岩や石にくっついていて、ごろごろしているし、砂を握るとアサリやオニアサリ、ソトオリガイなどの二枚貝がいる。泥の表面の穴からはマテガイが水管を出している。二枚貝だけではなく、アナジャコの巣穴もびっしりとある。ゴカイの仲間もいろいろ見付かる。いかにも生き物のにぎわいのあるいわゆる多様性の高い海岸である。人工干潟の砂はきれいだが、およそ死の世界に近い。アサリやカキやアナジャコのように生き物は海水を濾して水中の餌を食べている。そのような動物がいないため、人工干潟の海水は濁っている。一方、自然海岸の海水は、プランクトンや水中の懸濁物がどんどん動物に食べられて、水はきれいになっているということなんですけれどもね。
人工で造った、埋立て、人工で造成した干潟にはなかなか生き物はすまないのではないか、で、海が濁っているよというこの報告なんですけれども、こういう現象、広く起こっているんでしょうか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 確かに、人工構造物につきましては、それを造ったときすぐにそこに生物相ができるということは難しいというふうに承知しております。
ただ、例えば、関西空港の周りの護岸につきましても、生物が付きやすいような形、護岸にしまして、その後やっぱり年月を経ると大変豊かな生物相ができているというようなこともありますので、どういったところにどういう形で施工するかという、それが本当にその地域に合っているのかというところは重要かとは思いますけど、やはりそこの地域で一定の生物にとっての有用な場となるには時間も要するのかなというふうに思います。

○山下芳生君 関空の護岸に藻場ができて、魚がたくさん逆に捕れるようになったというのは、私も地元でもありますのでよく知っておりますが、干潟が結構うまいこといっていないという感じなんですよ、干潟の造成がね。
それで、このレポート、さらに、さらに人工干潟では、ところどころ砂で踏み抜いて体が埋まってしまう。一体どうしてこんなことが起こるのだろうか。人工干潟を造った国交省港湾事務所の人の話によると、この人工干潟に使われた土砂は、近くの徳山港の航路しゅんせつした海底のヘドロだという。海岸にしゅんせつしたヘドロを入れて、人工干潟を造ったということらしい。ヘドロをそのまま海岸に入れたのでは、地元の人の了解を得られない。そこでヘドロの上に九州玄界灘の海底から取ったきれいな砂を薄くかぶせて人工干潟にしている。かぶせた砂の層が薄いところでは、人間が乗っただけでヘドロの層まで突き抜けてしまうということのようだということなんですけれども。
で、この先生のレポートは、結構そういう、しゅんせつした土砂を、干潟を造るための薄い砂を掛けた下は全部ヘドロだったということは結構あるようで、そもそも、これはアサリの養殖のためにというふうにうたい文句はされているんですけれども、この検討した報告書には、当海域で地元関係者に受け入れられるアサリ生育場を整備する事業をつくることで、他の海域、現場でも航路、泊地、港、船を泊める泊地、整備事業に伴う土砂処分先の円滑な確保につながることに期待したいと、事実上、最初からしゅんせつ土の処分が最大の目的であることも記されているんですね。
こうなりますと、干潟の再生なのか、しゅんせつ土の処分、ヘドロの処分なのか、ちょっとこれはよく見る必要があるんじゃないかと思いましたけど、いかがですか。

○山本昌宏 環境省大気環境局長 そういった干潟、藻場、干潟の再生事業を実施するに当たりましては、委員御指摘の点で、実際にどういった材質のものを用いるのかとか、どういったところでどういうふうに用いるのかとか、そういった観点は重要だと思っております。
ただ、しゅんせつ土自体が、それ自体が悪いということではないと思いますけれども、その施工のやり方だとか、実際にどういうふうにやるかというところについては様々な、そこにやはり干潟を造るということは干潟の機能を期待するということでありますので、それが干潟として機能するような形で施工するように、その辺りはしっかりと検討が必要かと考えます。

○山下芳生君 やっぱり、これは成功しないと思うんですよね。これは、最近の中国新聞のレポートでも同じような、ヘドロで下にすぐ足が突き抜けちゃうというレポートがやっぱり載っていましたからね。
そもそも、干潟というのはどこででもできるものじゃないというのを大臣に是非認識伺いたいんですけど、やっぱり干潟というのは自然の環境の下で、雨が降って、山から川が流れてきて、そこで土砂として流れてきた砂や石が一番流れの穏やかなところにだんだんたまっていくと。そして、そこに次々と流れてきては海流によってまた流されていく。しかし、ずっと一定維持できているようなそういう条件のところに干潟ができて、さっき言ったような機能をずっと有して環境保全に役立っていると思うんですが、そういう場所でもないのに、ここを埋め立てちゃって、干潟なくなったからここに造成しましょうといって造っても、これはなかなかうまいこといきません。結局、維持することが大変で、砂を次々と入れなければならなくて維持管理費が大変だというところも結構出ていますよね。
ですから、この再生事業について、本当に効果があるのか、問題ないのかということを、私は、環境省としてもう一遍この時点でチェックする必要があるんじゃないか、そう思いますけれども、小泉大臣、いかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 個々の再生事業に対する是非ということについてはお答えすることではないんですけど、一般的に申し上げれば、自然環境の改善を図ることが望まれる事業がより効果的に実施され、かつ効果が維持、継続されるように、事前の評価や予測を行いつつ事業を進めるべきものだと考えています。
今後、自然環境保全地区で人の手によって再生される藻場、そして干潟、こういったものが、先生の御懸念というのは、環境を再生したいという地域の皆さんのその思い、こういった声は大事だけれども、一方で、それが人間のエゴによって、結果として、善かれと思ってやったことが地域の生態系を破壊しかねない、こういったことってやっぱり考えなきゃいけないことなので、そういったところをしっかり見ながら我々としても責任を果たすということが大事だと思うので、よくそこは現場の声も、状況も見ながら我々の責務を果たしていきたいと思います。

○山下芳生君 もう一点、藻場なんですけれども、北海道の増毛海岸で、漁協、それから鉄鋼協会、東京大学、北海道大学などの共同で、鉄鋼スラグと有機材を組み合わせたものを海岸に埋設して周辺に藻場を再生させるという取組があるんですけど、鉄鋼スラグですからね、有害物質の産業廃棄物ですから、有毒物質も含むものであるわけで、これは賛否分かれております。
これも、もう一回大臣に伺いたいんですけど、さっき自然の摂理ということをおっしゃいましたけれども、あわせて、この材料として埋め立てるとかあるいは埋設する、その材料が産業廃棄物の処分だとか、そのためにこの事業が悪用されているという面があるかどうか。
これも、単に見た目がきれいな干潟ができているからいいねでは済まない、やっぱりそこもちゃんとチェックしないと逆に環境悪化するということになりかねないので、先ほど考えてみたいとおっしゃいましたけど、チェックする際にはその点も、産廃の処分地として悪用されているかどうか、これは大事なチェックポイントだと思いますが、いかがでしょうか。

○小泉進次郎 環境大臣 環境省では、これまで、環境技術実証事業において、先生御指摘の鉄鋼スラグを活用した一部の製品について実海域での試験を行い、その効果と影響について第三者が客観的に実証することによって、利用者による導入の際に比較検討を容易にし、適正な選択を可能にしています。
また、本実証事業において、藻場の造成などに当たって鉄鋼スラグを活用した一部の製品について一定の効果を確認しているものの、鉄鋼スラグの安全性については懸念の声もあり、製品により性状も異なるため、藻場、干潟造成など水域の環境改善に用いる場合については、その効果のみならず、水環境に悪影響を与えないことが担保されることが重要であります。このため、個々の事業においてその効果と影響について事前の評価を行って、事業実施後の影響についても十分に確認することが重要です。
加えて、実施に当たっては、地域における丁寧な説明と合意形成が必要と認識しています。

○山下芳生君 時間参りましたので終わりますけれども、一番私が言いたいのは、一度失われた干潟や藻場を人工的に再生することは極めて困難だと、やはりそういう環境破壊を止めるということが政治の役割だということを申し上げて、終わります。