大阪カジノ認定撤回を 山下氏「まともな依存症対策ない」参院決算委
日本共産党の山下芳生議員は17日、参院決算委員会で、政府のIR(カジノを中核とする統合型リゾート)推進本部(本部長・岸田文雄首相)が大阪府・市が提出したカジノ事業の計画(区域整備計画)を認定したことで質問し、「まともなギャンブル依存症対策はなく、予定地の土壌汚染調査も今後となっている」として、認定の撤回を訴えました。
山下氏は、国立病院機構久里浜医療センターの推定では、日本のギャンブル等依存症割合は2・2%で、大阪カジノの年間入場者数は1600万人になっていると指摘。新しいカジノ施設によってどれだけの新たなギャンブル依存症患者が出るのか、そして大阪府・市の依存症対策で何人患者を減らす予定かをただしました。
斉藤鉄夫国土交通相は「IR審査委員会によって、十分な対策が確認されている」としながら、「具体的な数字は出ていない」と答弁しました。山下氏は「日本で初めてカジノをつくろうとしているのに、あまりに無責任だ」と批判。「『依存症対策』の『啓発』も『カジノに行っても依存症にならないように』と言うのみ。相談・治療にあたるカウンセラーや医師・看護師がどれだけ増えるかもわからない。結局依存症になるのも治すのも自己責任ということだ」と指摘しました。
山下氏は、年齢階層ごとのギャンブル依存症割合をみると、25~49歳までの「子育て世代」で依存症が顕著であると提起。「仕事や子育てのストレスをギャンブルで解消しようと、依存症になる割合が高い」として、実態の認識を聞きました。
斉藤国交相は「認識を持っていない」と答弁。山下氏は「それでカジノを認定していいのか。子育て世代に新たな苦しみを与える」として「岸田政権がかかげる『異次元の子育て支援』に真っ向から逆行するものだ」と迫りました。