日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

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大阪カジノ認定撤回を 山下氏「まともな依存症対策ない」参院決算委

参議院決算委員会 2023.4.17
速記録 資 料 動 画
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(写真)質問する山下芳生議員=17日、参院決算委

日本共産党の山下芳生議員は17日、参院決算委員会で、政府のIR(カジノを中核とする統合型リゾート)推進本部(本部長・岸田文雄首相)が大阪府・市が提出したカジノ事業の計画(区域整備計画)を認定したことで質問し、「まともなギャンブル依存症対策はなく、予定地の土壌汚染調査も今後となっている」として、認定の撤回を訴えました。

山下氏は、国立病院機構久里浜医療センターの推定では、日本のギャンブル等依存症割合は2・2%で、大阪カジノの年間入場者数は1600万人になっていると指摘。新しいカジノ施設によってどれだけの新たなギャンブル依存症患者が出るのか、そして大阪府・市の依存症対策で何人患者を減らす予定かをただしました。

斉藤鉄夫国土交通相は「IR審査委員会によって、十分な対策が確認されている」としながら、「具体的な数字は出ていない」と答弁しました。山下氏は「日本で初めてカジノをつくろうとしているのに、あまりに無責任だ」と批判。「『依存症対策』の『啓発』も『カジノに行っても依存症にならないように』と言うのみ。相談・治療にあたるカウンセラーや医師・看護師がどれだけ増えるかもわからない。結局依存症になるのも治すのも自己責任ということだ」と指摘しました。

山下氏は、年齢階層ごとのギャンブル依存症割合をみると、25~49歳までの「子育て世代」で依存症が顕著であると提起。「仕事や子育てのストレスをギャンブルで解消しようと、依存症になる割合が高い」として、実態の認識を聞きました。

斉藤国交相は「認識を持っていない」と答弁。山下氏は「それでカジノを認定していいのか。子育て世代に新たな苦しみを与える」として「岸田政権がかかげる『異次元の子育て支援』に真っ向から逆行するものだ」と迫りました。

速記録を読む

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
大阪の知事選挙、市長選挙直後の十四日、大阪府・市から提出されていたカジノを中心とするIR施設の区域整備計画が政府によって認定されました。
斉藤国土交通大臣、選挙の結果を見て認定したんですか。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) 大阪のIR区域整備計画については、外部有識者から成る審査委員会において、期限を設けることなく、多岐にわたる審査項目について必要な審査を重ねてきた結果、今般、認定し得る計画との審査結果が得られたことに基づき、認定をいたしました。
したがいまして、御指摘のような統一地方選の結果を受けて計画の認定を決めたということでは全くございません。
○山下芳生君 選挙中に大阪で行われたIRに関する世論調査では、読売、朝日の調査では反対の方が多く、毎日では賛成が多かったです。また、選挙の出口調査でも、IRについて賛否が拮抗し、分かれました。この選挙結果は、大阪府民がIR、カジノに賛成したことを意味するものではありません。
そこで、今回の大阪のIR、カジノ計画の認定は果たして厳格に審査されたのか、何点かただしたいと思います。
まず、ギャンブル依存症対策について質問します。
日本で依存症対策の中心的な役割を担っている独立行政法人国立病院機構の久里浜医療センターが推定した日本におけるギャンブル等依存症割合は二・二%となっております。大阪のカジノ計画の年間入場者数は千六百万人なので、かなりの数の新たなギャンブル依存症患者、深刻化する患者が生まれることになります。ギャンブル依存症対策というんだったら、どれほど依存症患者を生まず、増やさず、減らすか、これが問われると思います。
斉藤大臣、大阪府・市が計画し大臣が認定した日本で初めてつくるカジノでは、依存症対策によって、何人増えるはずの患者を何人減らすことになるんでしょうか。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) まず最初に、今回、第三者の審査委員会におきまして、昨年四月二十三日に申請書が出されたわけですが、一年掛けて本当に慎重に審査をしていただいたと、このように我々認識しているところでございます。
そして、先ほどの御質問でございますが、カジノによりギャンブル等依存症者が生じることのないよう最大限の対策を阻止、阻止していくことは大変重要な時点、事項でございます。
カジノについてはカジノ事業の免許等を受けることが必要となっており、その際は十分な依存防止対策が設置されるかについても確認されることとなっております。その上で、IR整備法では、日本人のカジノ入場について、入場回数制限、七日間で三回、二十八日間で十回、入場料の徴収、二十四時間当たり六千円、本人、家族の申出による利用制限といった措置を講じることとされております。
国土交通省としましては、大阪の計画において盛り込まれている依存防止対策が確実に実施されるよう、関係機関ともよく連携しつつ、今後の計画の実施状況を評価、実施状況評価等において状況を十分確認してまいりたいと思います。
○山下芳生君 私が問うたのは、新たにつくるカジノによってギャンブル依存症患者が何人増えるのか、その増えるはずのところを、この資料に、大臣が今少し、一部紹介された対策で何人減らすことになるのか、この数字を聞いているんです。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) 今回の審査委員会の評価の中に、この対策によって、具体的に何人が依存症になり、それを何人減らすかという具体的な数字は出ておりませんけれども、IR整備法で指定されたこの依存症対策のいろいろな観点からのいろいろな仕組みが入っていると、このように評価委員会で評価されたということでございます。
○山下芳生君 今大臣、カジノをつくることによって何人依存症患者が増えるのか、そして対策によって何人患者を減らすことになるのか、それは出ていないと、この計画ではと。そうなんですよ、出ていないんですよ。
私は、日本で初めてカジノをつくろうというのに、どれだけ依存症患者が生まれるのか、それをどれだけ減らすのか、そのためにこういう対策をするんだということすらないというのは、余りに無責任だと言わなければならないと思うんです。
それから、先ほど利用回数制限というふうにおっしゃいました。しかし、カジノは二十四時間営業ですよね。で、一回の利用の上限時間は二十四時間です。したがって、月曜日の二十一時から火曜日の二十一時前まで利用し、次に水曜の二十一時から木曜の二十一時前まで利用し、さらに金曜の二十一時から土曜の二十一時前まで利用すれば、制限の三回の利用で、月曜日から土曜日まで週六日間、合計七十二時間カジノに入り浸ることができるということになるわけです。
それから、入場料六千円と言いますけれども、依存症患者は、例えば競馬なら一回二十万円とか四十万円を賭けるのはもうざらですよ。カジノは更に桁違いの高額な賭け金になりますから、六千円の入場料ではほとんどハードルにならないと、そう思います。
その上で、具体的に聞きますが、このIR事業者が実施する対策にあります視認とICT技術を活用した問題あるギャンブル行動の早期発見とは何でしょうか。
IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 具体的にはこれからだと思いますけど、大阪においてですね。
今、海外の事例におきましても、入場、そのカジノの入場というか、IRの地域に入るときの入場で、顔認証とかいろいろな情報でもって入場者を把握した上で、カジノの中での行動におかしな点がある場合には、その状況を把握して適切に対応するということが行われておりますので、そういうものを想定した計画になっているというふうに考えております。
○山下芳生君 大変抽象的でしたけど、私がレクチャーで聞いたときには、これどういうことをやるんですかって聞いたら、エキサイトして暴れる、周りに迷惑を掛けるなど、余りにギャンブルに傾倒している人にまずお声掛けから行うと、失礼にならないようにというんですね。しかしね、エキサイトもしないで、暴れることもしないで、静かにギャンブルに傾倒する人はいるんですよ。そういう人には声も掛からない。ですから、これは、これで制限していくということにはならないと思います。
それから、同じく、賭け金額や滞在時間の上限設定を可能にするプログラムの導入とありますけれども、これはどういうことですか。もう具体的に、そういうプログラムできているんですか。
○IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 計画においてはそのようなことが盛り込まれていますけれども、更に具体的にどうするかというのは、これから細かいところが詰められていくんだろうというふうに考えております。
○山下芳生君 これからなんですよね。
じゃ、このプログラムにおいて、利用客の収入や資産に見合って制限するということはやるんでしょうか。いかがですか。
IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 具体的にどういうプレーヤーが来るかということも踏まえて、具体的な対応というのはこれから検討されるものだというふうに考えております。
○山下芳生君 何も考えられていないということですが、私がレクチャーで聞いたときには、この所得、資産に見合った制限は考えていないということでしたので、これ、考えていないんだったら、効果的な上限設定はできません。
それでは、大阪府・市が実施する対策はどうかと。普及啓発の強化とありますけれども、ギャンブル依存症にならないためにカジノには行かないようにしましょうという啓発はやるんでしょうか。
IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 具体的には、その大阪府・市の取組なので、そういうものが入っているかどうかまでは現時点では把握しておりません。
○山下芳生君 入らないと思います。高校生向けに大阪市が出したリーフレットには、カジノは娯楽ですと、行かないようじゃなくて、娯楽ですよと、気を付けて楽しみましょうという趣旨のものが出されましたから。レクチャー受けたときにも、行かないようにとは啓発しないでしょう、カジノに行ってもギャンブル依存症にはならないよう注意しましょうという啓発になるという御説明でした。
しかし、カジノに行ったら、そのうち何%かは必ず依存症になるんですよ。ですから、そういう、行っても注意しましょうでは、これも対策にならないと思います。
それから、大阪府・市の対策では、仮称、大阪依存症センターを新たにつくって、医師、弁護士に相談できるようにすると聞きました。ただ、その後の継続的な相談や治療は各市町村や医療機関で受けることになるとのことでした。
そこで聞きますが、それでは、大阪全体で相談や治療に当たるカウンセラー、医師、看護師をそれぞれ何人増やす計画なんでしょうか。
IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 今委員から御指摘があったセンターの設置というのは、大阪の計画に入っておりまして、審査委員会でも評価されているところですけれども、具体的なそのお医者さんの数とかカウンセラー等々につきましては現時点では決まっていないということだと思います。
○山下芳生君 これも決まっていないということなんですね。
カジノをつくることによって依存症になる人がどれだけ増えるのか試算もしない。これは、依存症対策としての啓発も、カジノに行かないようにとは言わない、行っても依存症にならないようにと言うだけ、そして、いざ依存症になったときに相談、治療に当たるカウンセラーや医師、看護師がどれだけ増えるのかも分からないと。もうないない尽くしと言わなければなりません。
そもそも、ただでさえコロナで大阪の医師、看護師が足らぬことが明らかになったのに、ギャンブル依存症対策までやらさんといてと大阪では医療人から怒りの声が上がっております。結局、依存症になるのも自己責任、治すのも自己責任ということに私はなっていると言わざるを得ません。
それがどういう事態を招くのか。資料二に示しましたけども、二〇一三年のWHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究の中で、ギャンブル依存症の調査結果が示されております。
ここにあるように、年齢階層ごとのギャンブル依存の割合を見ると、男性では二十五歳から二十九歳が一〇・八%、三十歳から三四歳が一七・二%、三十五歳から三十九歳が一〇・八%、四十歳から四十四歳が一四・〇%、四十五歳から四十九歳が九・二%と、ほかの世代では一桁台なのに二十五歳から四十九歳までの子育て世代でギャンブル依存の割合が顕著に高くなっております。女性でも、全体的に男性より低いですが、やはり子育て世代が高くなっております。
仕事や子育てのストレスを解消しようとギャンブルに手を出した子育て世代の中で依存症になる方が多いと考えられます。子育て世代がギャンブル依存症になったら、もうその影響は計り知れないですよね。子供の将来の教育のためにと蓄えていた貯金に手を付ける、会社のお金にも手を付ける、あるいは育児放棄や虐待も起こるなどですね、もう本人だけではなくて、子供を含む家族全体が不幸になることも少なくありません。
斉藤大臣に伺いますが、子育て世代のギャンブル依存の割合が高いという実態について、大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) まず初めに、私、先ほど、大阪からの申請が昨年の四月二十三日に出されたと、このように申し上げましたが、正しくは四月二十六日でございました。おわびして訂正させていただきます。
今、依存防止対策でございますけれども、今回の審査委員会では、大阪依存症センターを設置することや、MGMの経験を踏まえた様々な依存防止対策が計画されている点が審査委員会でも評価され、この第三者性のある審査委員会でも評価されているということをお伺いさせていただきます。
先ほどの御質問につきまして、その子育て世代の依存症については、ちょっと私、認識を持っておりませんので、ちょっと答弁を控えさせていただきたいと思います。
○山下芳生君 そんな深い、何か解説をせよと言っているんじゃないんです。
これ実際に、WHOの調査に基づく資料の一環として出ているんですが、明らかに子育て世代のギャンブル依存の割合が高いんですよ。私は、仕事のストレス、子育てのストレスというのが背景にあるんじゃないかなと思うんですけれども。
これ、実態としてはこういう事実があるわけですよ。この実態について大臣の認識を伺っております。感想で結構です。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) 今回のこの依存対策をしっかり行っていくこと、依存防止対策をしっかり行っていくこと、ということが改めて必要だということを感じました。
○山下芳生君 子育て世代で依存が高い、割合が高いと、この感想、認識です。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) 確かに、子育て、私の経験からしても、子育てをしているときというのは非常に、いろいろな大きなストレスがあったり悩みがあったりするものでございますけれども、今回、このIR整備法に基づいて計画された計画の中で、依存対策、依存予防対策、依存防止対策がしっかりと施されているということについて、ある程度の評価がこの審査委員会で得られたということと、それから審査委員会が今回意見書を付けておりますけれども、その意見書の中にも、この依存防止対策について、これからも新しい知見に基づいてしっかり行うことと、このような意見書が付いたものと、このように認識しておりまして、この依存防止対策について、これからもしっかり取り組んで、事業者には取り組んでいただかなければならないと思っております。
○山下芳生君 お答えになっていないんですね、幾ら聞いても。
私が聞いたのは、子育て世代が忙しいということを聞いたんじゃないんですよ。子育て世代がギャンブル依存の割合が他の世代と比べて顕著に高いと、これについて認識を問うているんですけれども、お答えありません。どうですか。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) ですので、先ほど、子育ての時代というのは誰にとっても非常にストレスが多かったり御苦労が多かったりするということの表れかなとも思いますけれども、今回のこの計画、大阪の計画に対しても、審査委員会から、この依存防止対策について、しっかりこれを行うようにという意見が、意見書が付かれた、書かれていたということも申し添えさせていただきました。
○山下芳生君 あのね、ギャンブル依存症の実態を、私この専門家の数字まで突き付けて言っているのに、子育て世代が一番割合が多いということを事実をもって示しているのに、そのことに言及されない。不都合な真実には目を向けない。それでカジノやっていいのかと、認定していいのかと言わざるを得ないですよ。何でそれが言えないんですか。そんなことで対策なんかできるはずないですよ。
今でもギャンブル依存症がこういうふうに子育て世代を苦しめているんですよ。更に新たなギャンブル、より射幸性の高いカジノをつくったら、子育て世代に新たな苦しみを与えることになりますよ。それは、斉藤さんが所属する党が一生懸命訴えている子育て支援、これ真っ向から逆行するし、岸田政権の次元の異なる子育て支援とも真っ向から反すると思いますよ。そのことをなぜ直視してどうするかということを考えないのかということを本当に私は遺憾に思います。
次に進みたいと思います。
夢洲の土壌問題です。カジノ予定地の夢洲は、資料三にあるように、この航空写真ですけれども、大阪の大阪湾の中に埋め立てられた島なんですけれども、大阪は高度成長期に深刻な公害が起こりました、多発しました。ここに書いてある安治川や木津川沿いに林立していた工場や造船所からの廃液が河川や大阪湾に堆積をしておりました。この廃液でヘドロ状になった河川や大阪湾の底の泥、底質をしゅんせつし、埋め立ててできたのがこの夢洲なんです。
資料四、御覧ください。
昭和四十九年から平成十年までの大阪湾に注ぐ河川における底質PCBの定点調査結果を添付いたしました。底質の暫定除去基準十ミリグラム・パー・キログラムを大きく超える、あるいはそれに近いPCBが検出され続けております。今でも、大阪港内の福町堀では最大値五百四十ミリグラムという底質PCBが検出されております。こういうPCBを含むしゅんせつ土砂の処分場として造られたのがこの夢洲なんですね。
資料五、夢洲の区分図を添付いたしました。
二区が万博会場、三区の赤い部分がIR予定地です。しゅんせつ土砂はこの二区と三区に投入されました。言うまでもなく、PCBは発がん性を有する猛毒であります。
ところが、IR事業者も大阪市も、この夢洲のIR予定地における土壌汚染調査、PCBの調査をやっておりません。やっていないのに、夢洲の土壌にPCBは含まれていないと主張しております。私は、これは年間二千万人のIR利用者の安全、健康にとってゆゆしき問題だと思いますが、斉藤大臣、深刻なPCB土壌汚染の問題があるのになぜこの場所で認定をされたんですか。
○国土交通大臣(斉藤鉄夫君) 土壌汚染対策につきましては、鉛、ヒ素、フッ素が確認されていますが、関係法令にのっとって塗装や盛土による対策が予定されております。
審査委員会は、御指摘の論点も踏まえ、申請者から対策等や、関係省庁等からそれに対する意見を聴取いたしましたし、また、臨時のその専門家の先生方にも入っていただいて審査をしていただいたと、このように認識しております。その上で、審査委員会で認定し得る計画との評価を行っていただきました。この評価を踏まえて判断し、認定をしたところでございます。
また、調査等により仮に今後土壌汚染に関する新たな事象が判明した場合は、関係法令にのっとり適切かつ迅速に対処されるよう、あらかじめ対応策を幅広に検討しておくことを審査委員会として求めております。
国土交通省としましては、今後の計画の実施状況評価等において適時状況を十分確認してまいりたいと思っております。
○山下芳生君 私も、この審査報告書、結果報告書を見ましたけれども、大臣おっしゃっているように、ちゃんと書いてあるんですよ。調査していないと、調査を省略しているということを書いてあって、したがって、今後もし調査して出てきたらちゃんと対応しなければならないと。
しかし、今後でいいのかということですよ。今からこれ工事進むかもしれません。後でも述べますけれども、ここ、どういう工事が行われるかといいますと、排土作業ということが必ず起こります。土をどけるということですね。どけなければならない。そのときの従事する労働者の安全、どういうふうに担保されるのか。PCBが暴露に、暴露されるのだったら、これ労働安全衛生上ですね、衛生法上、防護マスクを着けるなどが必要になるんですが、PCBがどれだけ入っているか分からなければ、労働者の安全取れないじゃないですか。
もう早く、調査していないんだから、調査をしなさいということを指示すべきではないかと思いますし、そのままこの土壌汚染対策、このままよく、私、認定しちゃったなと思うんですけれども、大臣、いかがですか。どうするんですか、これ。
IR推進本部事務局次長(秡川直也君) 認定に至るときまでの情報では、今IRが計画されている夢洲三区においてそのPCBが検出されたという事実はありませんので、それに基づいて審査委員会が判断をして、認定に値する内容だという報告があったということでございます。
○山下芳生君 答弁者の方、全然この経過を御存じじゃないようですね。調査していないんですよ。調査一本しかしていないんですよ。それはIRの予定地の横ですよ。地下鉄の駅の工事のときについでにやっただけです。しかし、IRの用地は調査していないんですよ。だから、今後調査してもし出ればというふうに書いているんですよ、報告書にはね。全く事実の経過を理解しないで答弁なさらないでいただきたい。
大臣、これは、本来はしゅんせつ業者が掘り込むときにどのぐらいPCBがあるか資料出しているんですね。それ全部提出していただければ分かるはずなんですけれども、それもしない、土壌の調査もしない。それでよく認定をしたもんだと私は思いますけれども。
もう時間が参りました。もっともっとこれ、やらなければならない鑑定価格の問題もあるんですが、私ね、認定はされましたけど、こうやって聞いても、まともな依存症対策はされておりません。土壌汚染対策も今後ということになっております。これではとても認定できるような計画ではなかった。認定の撤回を求めて、質問を終わりたいと思います。
以上です。