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自公政治にかわる新しい流れを (「女性のひろば」10月号掲載記事)

2007年11月01日

 七月におこなわれた参議院選挙では、日本共産党は比例代表選挙で三議席を獲得しました。日本共産党に支持をお寄せいただいた『女性のひろば』の読者のみなさんをはじめ、多くのみなさんのご支援で、私も六年ぶりに国会に返り咲くことができました。心からお礼申し上げます。

汗と涙がぎっしりつまった議席


 日本共産党はこの選挙で、比例代表では五議席、選挙区では現有議席の確保と回復区の議席を取り戻すためにがんばりましたが、議席を二つ後退させたことを大変申し訳ないと思っています。比例代表で得票した四百四十万票は、前々回、前回と比べて、少しですが増やしていただきました。今回の選挙で得票を増やしたのは民主党と共産党だけです。汗と涙がぎっしりとつまった貴重な三議席のなかの一議席をいただき、非常に責任を感じています。六年間、候補者として蓄えたエネルギーを大爆発させてがんばりたいと思っています。

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歴史的惨敗を喫した自民・公明


 今回の選挙は、わが党にとっては二つの難しい条件のもとでの選挙でした。安倍自公政権にたいする国民の激しい怒りが吹き荒れて、野党第一党の民主党に票が集中した一方で、・自民か民主か」という「二大政党づくり」のキャンペーンが強まり、自公批判の流れが日本共産党にくることをせきとめる役割を果たしました。
 今回の選挙結果をみるときに何よりも大事なのは、国民が自民・公明の政治の古い枠組みを続けていては、日本の前途はないと判定を下したことです。自民党は二十七議席減、公明党は四議席減、自公両党は前回比約百万票減、前々回比約五百万票減と参議院での多数を失い、文字通りの「歴史的大敗」となりました。
 六年ぶりに国会に戻って驚いたのは、自民党の議員たちの元気のなさ。しょんぼり歩いているのを見ると、つくづく「変わったなあ」と思います。

「生きるのをやめなさい」というのか


 選挙中は「ストップ貧困、憲法九条を守れ」をスローガンに貧困・格差問題と憲法改定問題を焦点にたたかいました。和歌山で開かれた小さな集会で、ご夫婦で年金を十万円受け取っているという年配の女性が語ってくださったことが忘れられません。・目の治療はあきらめました。おかずのないご飯を何回も食べています・。うつむいたまま、小さな声で。六月の住民税増税の直前でした。自公政権は定率減税を廃止して、このような方たちの住民税まで三倍、四倍に上げたのです。・生きるのをやめなさい」というに等しいやり方ではないですか。本当に許せないと思いました。この問題での日本共産党の告発は与党に大きな打撃を与えました。
 選挙の最終盤に、大阪市で悲しい事件がおこりました。東淀川区で三十代のご夫婦と二歳、五歳の子どもたち―妻のお腹(なか)には赤ちゃんもいました―が無理心中したのです。妻と子どもたちの首を絞めて、夫はとび降り自殺をしました。・仕事がない」・このままでは赤ちゃんを産めない」・ご飯(はん)が食べられない」というメールを残して。東淀川区は、温かい人間の絆を強めようと生活相談をおこなっている共産党支部がたくさんある地域です。でもこの五人の命を救えませんでした。
 ぼくは悔しかった。貧困は自然現象ではありません。逆立ち税制で弱い人から税金をとり、社会保障を改悪して病院や介護の現場から人々を追いだし、人間らしい雇用を奪い…と弱い人をばっさり切り捨ててきた自公政治の結果、おこっていることではありませんか。・もっと共産党が大きくならなあかん、強く、大きくなって、貧困に苦しむ人を救える党にならなあかん。こんな悲劇を二度とださんようにがんばろう・。みんなで涙を流しながら決意を固めあいました。

小学生からもらった手紙


 うれしいこともありました。兵庫県但馬地方で演説をしていたときのことです。山の中のバス停の前で話し始めたら、十数人の小学生が聞いてくれました。・戦争しないと決めた憲法9条を捨てないように、おとなががんばるからね」と話したら拍手してくれて。後日、五年生の男の子から手紙がきました。・ぼくたちは戦争したくないし、家族や友だちを失いたくありません。もし会議に出るのであれば、ぼくのことを安倍総理にいってもらえませんか。安倍さんのせいで日本がこわれそうです。六十年間の安心できる日本をこわさないでください」
 返事を書きました。・あなたのような小さい人たちが戦争はしたくないと強く思い続けてくれたら、きっと日本は戦争する国にはならないでしょう。だってこの国の未来を決めるのはあなたたち小さい人たちなのですから。私はあなたに約束します。国会に出ることができたら必ず安倍総理にあなたのことを伝えます。そして小さい人たちの未来を総理大臣が勝手に悪くしてはいけないですよ、といいたいと思います」と。当選して約束を果たすことができます。

民主党に投票した人々の思いは


 暮らしの問題でも平和の問題でも、日本共産党の存在意義はこれからますます大きくなるでしょう。今回の結果はそれがストレートには反映されませんでしたが、国民のみなさんも、日本共産党がもっと大きくなってほしい、と深い部分で求めていると思うのです。わが党の支持者のうち約10%の方々が民主党に投票したという調査結果がありますが、この方たちがどのような思いで民主を選択したのかをほうふつとさせる党本部に寄せられたメールが、日本共産党創立八十五周年記念講演会(八月九日)で紹介されました。
 「今回残念ながら議席を減らしてしまいましたが、この結果は自公を、安倍総理を、ひきずり落とすための苦肉の策の結果だったわけで、私自身も日本共産党の政策に心から同調しておりましたが票が分散しないように苦肉の策を講じることとなりました。しかし日本共産党を支持する気持ちはまったく変わっていません。ですから今回日本共産党を支持する方が減ったというようには決して考えないで、自信を持ってがんばっていただきたいです(略)」(二十二歳の女性)。同様のメールが本部に多数寄せられています。
 わが党の支持者が「苦肉の策」として民主党に投ずる動きがあった一方で、無党派層や他党支持者が百数十万人という規模で新たにわが党に支持を寄せてくださいました。・こんなに訴えやすい選挙はなかった」というのがみなさんの実感ではないでしょうか。選挙中も選挙後も、有権者のみなさんの反応は驚くほど温かいのですが、支持者が固定した四百四十万票ではなく、新たな支持が百万単位で寄せられたという分析結果はぼくの実感ともぴったり一致しています。

新しい政治を求める国民的な模索が始まった


 今回の選挙で、安倍・自公政権の基本路線にたいする「ノー」の審判は下りましたが、ではそれにかわる新しい政治はなにか、という問題についてはこれから国民的な規模でダイナミックな探究が始まります。初登院のときにNHKに感想を聞かれて「ワクワクする」といったのですが、胸躍る情勢がこれから始まると思うと楽しみでしようがありません。政治プロセスを前にすすめるうえで、とくに参議院では野党が多数を占めるという新しい状況が切り開かれた国会で、日本共産党の果たす役割は非常に重要です。
 選挙結果はすでに大きな変化をもたらしています。選挙前の国会で自公が強行した改憲手続き法を具体化すべく、臨時国会で憲法審査会が設置されることになっていました。ところがこの選挙結果を受けて今国会では事実上立ち上げることができなくなってしまったのです。
 そしてテロ対策特別措置法です。テロ特措法は、米国などによるアフガニスタンへの報復戦争を支援するために、自衛隊をインド洋に派兵する根拠とされてきた法律ですが、十一月一日の期限切れを前に、延長させないたたかいがこの秋最大の焦点となるでしょう。六年におよぶ報復戦争の結果がもたらしたものは、・戦争でテロはなくならない・という事実です。民主党が反対を貫くなら、参議院においてテロ特措法延長法案を葬ることは可能です。新しい国会では、人道支援の名のもとにアフガンやイラクでなにがおこなわれてきたかが明らかにされるでしょう。そのリアルな実態は、9条を放棄することの是非を国民に問わずにはおかないと確信しています。
 政府・与党が進めようとしていた消費税増税は、国民の審判によって、この秋に持ち出すことは困難な状況になりつつあります。年金制度の改善では、年金受給条件を現在の加入期間二十五年から十年に引き下げるというわが党の提案にたいして、与党は「検討する」と約束しました。政治とカネの問題では、与党はわが党が提起した一円から領収書を添付する方向で政治資金規正法の見直しを提起せざるをえない状況になっています。しかしこの問題では真相究明がなによりも重要です。参議院で国政調査権を発動し、徹底的な真相究明をおこなうことを強く求めてゆきます。
 日本共産党は選挙で「緊急福祉一兆円プラン」を公約に掲げてたたかいましたが、この公約は野党で一致できる部分が多く、部分的に実現しうる可能性が出てきました。・子どもの医療費の無料化」・障害者自立支援法による負担増の撤回」・母子家庭の児童扶養手当削減の中止」などは参議院で多数派になる可能性がうまれています。一致点で野党が共同して実現したいと思います。

国会と国民の共同で広がる可能性


 悪法をストップしてほしい、そして切実な要求を実現してほしい、という国民の思いが参議院で野党を多数に押し上げてくれたのです。国会での新しい力関係のもとで、国政を現実に動かすさまざまな可能性が広がっています。国会では少数でも、日本共産党の主張が国民の声と結びつくならば、国会全体を動かすこともありうるという自覚をもって、一歩でも二歩でも国政を動かすために奮闘します。同時にいまほど国会のたたかいと国民運動の共同が求められているときもないのです。自公大敗を受けて「チャンス到来」と元気に運動を発展させる機運も広がっています。ぜひこれまでの活動の枠を超えた運動を地域でおこしていただきたいのです。
 「二大政党型選挙」も変化しています。四年前、自民と民主は「消費税増税」・憲法改定」を共通の政治目標として「どちらが実行力があるか」を競いましたが、今回は民主党は対決型の選挙戦をおこない、自公政権の批判の受け皿になることに成功したものの、本当の政治的な対決軸を最後まで示すことができませんでした。日本共産党は大企業・財界の横暴な支配とアメリカへの従属体制という国民の苦しみの根元に正面から対決する政党です。新しい政治の方向を探求する国民の認識と日本共産党の立場は必ず接近する。そのことを確信して、・大局観・をもって新しい未来のためにがんばりぬく決意です。(談)

(「女性のひろば」2007年10月号より)

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