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『前衛』4月号掲載「党を語り、新しい政治をおこす力に---志位和夫著『日本共産党とはどんな党か』

2007年03月09日

photo党を語り、新しい政治をおこす大きな力に――志位和夫著 『日本共産党はどんな党か』 山下よしき(『前衛』2007年4月号 読書のページ)

 活動で走りながら一気に読みました。この一年余りに、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった三つの講演・演説が収められています。二大選挙を前に、いいタイミングでいい論集が出たと思います。

 なにより、この論集は、ひろく国民に日本共産党を語り、国民とともに新しい政治をおこす大きな力となるでしょう。
有権者と対話すると、多くの人が、貧困と社会的格差のひろがりに胸を痛め、なぜこんな社会になってしまったのか、打開の展望はどこにあるのか、模索していると感じます。

 論集で志位委員長は、「格差社会の根源には、人間らしい労働のルールを壊し、税金でも社会保障でも社会的責任を果たさない財界・大企業の横暴と、それを応援する政治のゆがみがあります」と解明しています。意図的な「自助努力」「再チャレンジ」キャンペーンもあるだけに、この「格差社会の根源」を語り広げることは大事です。

 対話すれば、納得を得ることは難しくありません。トヨタ、松下、キャノンなど大企業ほど派遣・請負労働者を大量に活用し使い捨てにしていることや、高齢者への限界を超えた負担増と大企業・大資産家への減税という「逆立ち税制」は、国民によく知られているからです。

 対話では、根源にメスを入れる力を持った党は日本共産党しかない、ということをどう理解してもらうかがポイントになります。論集で志位委員長は、「結党以来、財界献金をびた一文受け取ってこなかった」点を強調していますが、これは説得力があります。

 とくに、日本経団連による「優先政策事項」の発表と「企業献金の斡旋」など、「財界が政党をまるごと買収する仕掛け」がつくられ、自民、民主の「二大政党」がそれに組み込まれていることの暴露は、対話でも大きな力を発揮します。
 また、日本共産党が「草の根で国民と結びつき、草の根の力で政治を動かす政党」であることも共感と信頼を呼びます。論集では、大企業職場の党支部からの具体的告発が「サービス残業」是正のきっかけとなった例や、地域の党支部と地方議員が地道に粘り強くとりくんできた生活相談活動が、サラ金高金利引き下げの成果の根底にあることも紹介されています。

 さらに、論集は、日本共産党の立場が「大企業敵視」でなく、民主的ルールのもとで「国民と大企業が共存する社会」をめざしていることにも触れていますが、これは保守層との対話で新鮮に受け止めてもらえます。懇談したある県の経済団体代表の方は、「みんなが一生懸命働いているのに、これほど将来不安が膨らんでいるのは、どこか仕組みがおかしいから」と語り、「経済的民主主義」に立った改革に大いに共感してくれました。

 このように、広範な国民に政治と日本共産党を語り、ともに新しい政治をおこすうえで、この論集は大きな力となるにちがいありません。

 論集はまた、世界の流れを大きくつかみ、党員として元気に活動する力にもなるでしょう。

 論集で志位委員長は、憲法改悪反対の国民的多数派を結集するうえで、「海外で戦争する国」づくりという憲法改定のねらいとともに、世界の大きなうごきとのかかわりで憲法九条の値打ちをあきらかにすることがカギであると述べています。民青同盟の集まりで、イラク戦争・占領の大破綻を見ても、北朝鮮核実験に対する国際社会の対応を見ても、二十一世紀の世界は、軍事ではなく外交こそが重要な意味を持つ時代となっている、そういうときに日本が憲法九条を投げ捨てることは世界の逆流となると語ると、「民青や共産党の運動が世界的なものであり大切だということがわかりました。ガンバロウ!」という感想がありました。

 論集には、靖国問題での核心を突いた日本共産党の問題提起が、アジアだけでなくアメリカでも反響を呼び、五年ぶりの日中首脳会談など日本外交を一歩前進させる結果につながったことが、アメリカ議会での第二次大戦終結記念の決議などの動きとあわせて示されています。

 また、「新自由主義」経済路線の押し付けが、世界各国で経済の停滞、貧困層の増大など悲惨な事態をもたらして破綻し、ラテンアメリカでは自主的で民主的な経済路線を取る政権が次つぎと誕生していることも詳細に記されています。

 さらに、どんな大国の横暴にも屈しない日本共産党の自主独立の路線が、イスラム諸国をはじめ世界であらたな友人を獲得する土台となっていることも、この間の野党外交を通じた志位委員長の実感が込められて報告されています。

 いずれも、長い視野、世界的視野で見るなら、歴史は紆余曲折を経ながらも着実に進歩していること、ダイナミックに変化する二十一世紀の世界と日本共産党の綱領路線が同じ方向で響きあっていることをつかむことができます。二大選挙勝利をはじめ、日本における社会進歩の事業の前進にむけて、深いところから勇気と元気が湧いてきます。
 日本共産党員はもちろん、新しい政治を求める人にひろく読んでもらいたい論集です。

[新日本出版社 本体価格一〇〇〇円]
(やました・よしき=元参議院議員)



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