---演説や講演が評判ですが、心がけていることがありますか。
落語研究会の体験も生かし
山下 いつもどう話せば伝わるのか悩ましいのですが、私の経験では魂から出てくるものがないと、相手に伝わりません。自分の魂がふるえてないといけない。机上でつくったものでは相手の心を動かせません。泣いたり、笑ったり、喜んだりすることがないと。とくに、関西では、まず笑ってもらう、そして泣いてもらうことで、思いが伝わっていくように思います。
私は少年時代から人を笑わすことがすごく好きで、高校生のころは落語研究会を立ち上げたりしました。そのころの体験は、いまもどこかで生きてるかもしれないですね。
党支持者以外の不特定多数の人の中でも聞いてもらえるような演説をしたいと思っています。私の場合、道を歩いている人が足を止めて振り返ったときのしゃべりが次の演説原稿になります。
たくさんの乗客が目の前を急ぎ足で移動する、大阪の京橋駅前は、力がためされるところです。先日、演説したとき、小さな人垣ができ、最後まで聞いてくれた中年男性から「がんばってや」と声をかけられてうれしかったです。
---講演では、4月の日本と中国の関係についての講演に「すばらしかった」という感想がたくさん寄せられましたね。
山下 「21世紀の世界のなかで 日本と中国の関係について考える」というテーマでした。いやあ、大変でした。近畿各地への行き帰りの電車の中や自宅で、不破さんの『21世紀の世界と社会主義 日中理論会談で何を語ったか』はじめ中国関係の本とカンヅメで格闘しました。それをすべて出し尽くしたという感じです。
1時間半の講演が終わったときは、ほんとに解放感に浸りきりました。その場で参加者2人が共産党に入ってくれて、涙がでるはどうれしかったです。疲れも吹っ飛びました。
---党を語る会では2月以降、27回講演されてますね。
山下 自分でいうのもおかしいですが、日本共産党の全国24,000の支部は、全国の小学校の数、あるいは郵便局の数と大体同じで、国民にとって一番身近な草の根の組織です、という話は、共産党の役割をイメージしやすいと好評なんです。
党を語る会で入党にドラマ
党を語る会での入党には、いつもたくさんのドラマがあります。和歌山では、会場で33歳の青年が入党してくれました。フリーター生活に悩んでいる方でした。
私が、非正規雇用が急増していることについて「悪いのはあなたたちではない。若者の能力を正当に評価せず、使い捨てにするいまの社会と政治が悪い。そんな政治をいっしょに力をあわせて変えよう」とよびかけているという話をしたら、「その通りだと思った」と共産党に入ってくれたんです。魂が共鳴し
合ったんでしょうね。いい日でした。 (つづく)
写真:大阪赤旗まつりであいさつする山下よしきさん=21日、堺市・大泉緑地
(「しんぶん赤旗」2006年5月25日付より)