このところメディア各紙誌で日本共産党の露出がじわり高まっています。
まずは、「静岡新聞」の3月22日夕刊。「共産党『上げ潮』の流れ? 独自の路線で存在感」との見出しで囲み記事がありました。「確かに最近共産党の存在が『見える』場面がある。一つは国会対応だ」として、日本共産党が原則として審議拒否をせず、「審議を通じて問題点を明らかにする」方針をとっていること、「つなぎ法案」撤回の議長斡旋、参院予算委員会の正常化にも「共産党の働きかけがあった」ことを紹介。さらに志位委員長の派遣問題での政府追及と若い世代からの反響も取り上げています。
記事は「ねじれ国会で二大政党が右往左往する分、独自路線がより明確に映るといえるだろう」と述べていました。
次いで、「週刊朝日」4月4日号。「日本共産党宣言 志位和夫共産党委員長 資本主義を叱る」というタイトルの5ページ立ての特集です。リード部分に、「円高、株安、原油高が進み、経済の先行きは不透明だ。19世紀にマルクスとエンゲルスは『共産党宣言』で『ヨーロッパに共産主義という妖怪が出る』と書いたが、今や国際的な投機マネーに引きずられた『超資本主義という妖怪』が世界を脅かしている。共産主義者の目に今の社会はどう映るのか。志位和夫・共産党委員長に聞いた」とあります。
インタビュー記事で志位さんが語っているように、貧富の差が地球的規模で拡大し、国境を超えた投機マネーが国民経済を破壊し、恐慌や不況を制御できずにいます。地球的規模の環境破壊も深刻です。「資本主義の枠組みでは、こうした問題を根本的に解決するのは難しい」という認識が広がり、イギリスやアメリカなどで、資本主義の本質をとことん明らかにしたマルクスを再評価する動きがでていますが、今回の「週刊朝日」の特集もその一つの表れといえるでしょう。
記事では、「資本主義の矛盾が世界的に深刻になっている」「日本はさらに特殊です。日本の労働基準法では残業時間の上限が決まってない。こんな国はヨーロッパにはありません」「ヨーロッパにも派遣労働はありますが、臨時・一時的な業務に限定され、正社員と同じ労働をすれば同じ待遇を受けられる均等待遇のルールがある。日本にはない。…人間の使い捨てです。19世紀的な野蛮な資本主義が、新しい残酷さをもって復活している」「目先の利益だけを追い求め、企業活動を無制限に自由化したら社会全体が不自由になる」などなど、日本の「ルールなき資本主義」を大きな視点から批判する志位さんの発言がたっぷりと紹介されています。重要部分はゴシック体になっていますがその場所も的確です。
続いて志位さんは、「マルクスは『資本論』で、『資本主義は株式会社を発展させるがそれは巨大なギャンブル制度を作り出す』と書いています」「もっぱら投機や企業買収でもうけるというのは商売の邪道で、資本主義にとっても先のない末期症状です」と、大規模な投機マネーが国際的に飛び交う現代資本主義の矛盾をマルクスの叙述も引用して根本から解明したうえで、インタビュアーの「人にとって幸せな生き方とはどのようなものだと考えていますか?」との質問に次のように答えています。
「人間にはいろいろな発達の可能性があるのに、資本主義社会では、ごく一部の人しかそれを実現できない。長時間労働で自由な時間がない。雇用が不安定で生存条件が危うい人も少なくない。社会主義とは生産手段を社会全体のものにすることです。そうなれば搾取がなくなり、労働時間が抜本的に短縮され、社会のすべての人の人間的発達を保障できるようになる。それが人類全体の財産になり、社会全体を豊かにしていく」――短い言葉ですが、ここには社会主義的変革の中心とその効能が濃縮されています。このくだりが週刊誌の特集に掲載されたことは、日本と世界の現状を憂うすべての人たちにとって大変大きな意義があると思います。
インタビュアーの「生産を社会化しても、みんなが『誰かがやってくれる』と、あぐらをかいてしまったら仕組みは壊れませんか?」との疑問に、「社会の発展に即して、人間の意識も変わってくるでしょう。人間は総体として見れば無限の可能性をもった存在です。モーツァルトが作曲し、ピカソが絵を描くのは苦役ではなく喜びだった。本当に自発的な意思にもとづいて行われる労働は喜びになりえます。もともと人間は、労働を通じて猿から進化してきたんですから」と志位さんが答えている深い意味もぜひ汲み取ってほしいと思います。
当面の改革プランとともに、希望ある未来社会の展望を語ることが、行き詰った現代社会を変革する深いエネルギーを引き出すことになると、あらためて思ったのでした。ぜひ多くの方に読んでほしいものです。
23日(日)は、東京の宿舎で秋田の調査のまとめと質問準備でした。今週は3回質問に立つ可能性があります。24日(月)は、山下室で質問対策会議。参院予算委員会の大門議員、井上議員の質問を応援傍聴。井上さんが紹介した、米軍内で貼られている「やめさせよう!事件を目にしたら」とかかれた性犯罪予防(?)ポスターが、逆に異常に高い性犯罪発生率を物語っています。夜、議員団会議と法案審査会でした。
写真が米軍の性犯罪予防(?)ポスター。実物は青い色ををしています。