2006年08月16日
14日放送の「ビートたけしのTVタックル」はとても面白かった。小泉首相の靖国参拝の是非が主テーマでしたが、日本共産党のこくた恵二衆院議員・国対委員長の発言は冴えに冴えていました。 首相の靖国参拝にはっきりと「反対」したのはこくたさんだけ。それでも、ハマコー氏や評論家の三宅氏、自民党の高市早苗衆院議員らを相手に、堂々の論陣を張り、靖国支持派の”急所”をズバッと突いていました。靖国支持派の”急所”とはなにか。それは東京裁判を否定し、日本の過去の侵略戦争を正当化していることです。 こくたさんは、「東京裁判にも問題点はあった。天皇の戦争責任を明らかにしなかったこと、広島・長崎への原爆投下やシベリア抑留を問題にしなかったことなどだ。しかし、全体として日本の起こした侵略戦争がまちがっていたとの結論は正しい」と、東京裁判の全面的で正確な評価(これが説得力があった!)を述べたうえで、「あなたがたは、日本の起こした戦争がまちがいだったという結論まで否定するのか?」と繰り返し詰め寄りました。 この1問こそ、靖国問題の本質を突く1問です。TVタックルは、生放送ではなく収録後に編集したものを放送する番組で、日本共産党の発言はけっこうカットされるらしいのですが、今回は違いました。こくたさんの繰り返しの追及を繰り返し放映したのです。視聴者にもわかりやすい、非常にシンプルかつ重要な質問だったからでしょう。しかも、結局、靖国支持派の誰も答えることができませんでした。勝負ありです。 歴史の教訓をふまえたこくたさんの発言と対比して、自民党の高市早苗氏の発言には大きな疑問を感じざるを得ませんでした。いろいろな歴史の断片を並べて見せるのですが、それらは明らかに、日本が過去に行った戦争を「すべてまちがいだったとは言えない」と言わんがための“材料集め”としか思えないのです。彼女は私と同世代で、もちろん戦争体験はないはずですが、なぜ、事実をありのままに見ようとしないのか?歴史の大きな教訓から意図的に目をそらし、枝葉末節にしがみつくのか? 「過去に目を閉ざすものは、結局のところ現在についても盲目となる」(ワイツゼッガー旧西ドイツ大統領)との言葉は、彼女のような人にこそ噛みしめてもらわねばなりません。同時に、国会では靖国支持派が改憲派と重なっていることを、私たちは軽視できません。過去、現在、未来を、大局観を持ってつかみ行動する力を、とりわけ若い世代の中で大きくする仕事に本格的に当たりたいと思います。