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北京の2日目 理論交流が本格的に始まりました

2006年05月23日

photo 北京での2日目。いよいよ中国共産党との理論交流の始まりです。朝、ホテルから会場となる中国共産党中央対外連絡部(国際関係の仕事をする部局)へ向かいます。北京でも朝の交通混雑は例外ではなく、渋滞する車の列が盛んにクラクションを鳴らしていました。

photo 地下鉄や連結バスと並んで、自転車も有力な通勤の足のようです。

photo 途中、よく知られる天安門の横を通り過ぎました。

photo 天安門前広場も見ることができました。
 

photo 午前中は、中国共産党・張志軍中連部(中央対外連絡部の略)副部長と会談しました。李軍同二局(中連部のアジア担当局)長らも同席されました。

 冒頭、張志軍さんから歓迎のご挨拶。それに対し、日本共産党の不破哲三前議長は、「昨年12月の理論交流を通じて、中国共産党のマルクス主義研究プロジェクトが、中国のあらたな発展を展望してのものであることがよくわかりました。その仕事に私たちがいささかなりとも貢献できるとしたらうれしいと痛感しました。その続きの仕事を北京でやることとなり大変うれしく思っています」と返礼。これは私たち日本共産党側のメンバーに共通した気持ちだと思います。

 会談では、まず歴史問題が話題になりました。先日、日本でお会いした王毅駐日大使との夕食会でも話題になったこの問題は、やはり現在日中両国間で解決すべき最大の問題です。不破さんは、昨年5月の時局講演会で、過去の侵略戦争の正当化は、中国、韓国にとどまらないで、世界の歴史認識に対する否定となる、という問題の本質を明らかにしたこと、その後、国内外の世論が変化し、自民党総裁選挙にも影響を与えていることを説明しました。

 また、靖国問題の背景には、侵略戦争を推進した勢力が、戦後そのまま政界に復帰し、首相にまでなるという、世界で例のない日本の戦後政治の歴史があること、日本の国民、とくに若い人たちに、過去の戦争の真実を明らかにする必要があることも述べました。そのうえで、中国に対しては、靖国派に対するきっぱりした態度とともに、日本のそれ以外の層との積極的交流が大事ではないか、との考えを示しました。張志軍さんは、熱心にメモを取りながら聞き、この問題での日本共産党と不破さんのいろいろな努力がよくわかったと述べました。

photo 休憩を挟んで、話題は、世界の共産主義運動をどうみるかに移りました。張志軍さんは、ヨーロッパを中心に世界のさまざまな共産党や市民運動と交流を重ねている人で、この問題には特に強い関心を持っているようでした。不破さんは、インド共産党(マルクス主義)が、ソ連解体の影響を受けずに自主的な発展を遂げていることを紹介しながら、ヨーロッパの党の理論と活動について、歴史的に調べなおしてみてわかったこと、を説明しました。不破さんのノートにはその研究の資料がびっちり貼り付けてあります。いよいよ本格的な理論交流の始まりという感じです。(写真は、中連部の玄関。ひとつの部局だけで日本共産党本部のビルより大きい!)

 不破さんが、まず取り上げたのは、ヨーロッパのある党がとなえている「新・共産主義」なる「理論」でした。そこには3つの特徴があるとして、@社会主義をめざす勢力が政権を獲得することを否定する、A社会の仕組みを変える「革命」を否定し、「プロセス」に重きを置く、B「生産手段の社会化」もあいまいな言葉で否定する――を挙げました。これらは結局、科学的社会主義(マルクス主義)の基本的な考えをすべて否定するものです。その前提に立って、これとは違う「社会主義」をめざす、というものです。こうした傾向が現れた背景には、ソ連が崩壊したことで、そこに依拠していた「理論」の総否定が起こり、理論的空白が生まれていることがある、と不破さんは指摘しました。張志軍さんは、興味津々という様子で聞いていました。

 続いて不破さんは、日本共産党の綱領の立場を説明しました。日本共産党は、まず資本主義の枠内での民主主義革命をめざしています。そこには、@アメリカとの軍事同盟を廃棄し、対米従属から抜け出す、A大企業・財界のあまりにも横暴な支配から抜け出して、「ルールある経済社会」をつくる、という二つの任務があります。しかし、私たちは、この改革でも、国家権力をそのままにして実現できるとは考えていません。たとえば、安保条約をなくすには、その意思を持った政権が必要です。また、個々の民主的改革は、自民党政権でも可能ですが、経済社会の枠組みを変える改革は、政権を握ることなしにはできません。だから、私たちの綱領では、この二つの改革を、民主連合政府という政権の樹立と結びつけて提起しているのです。

 関連して、不破さんは、日本における共産党への集中攻撃の激しさは、ヨーロッパにも世界にもほとんど例がないことを紹介。その中で活動しようと思えば、現在と未来についての綱領にもとづく確信と、どんなに攻撃されてもがんばれる強力な組織とが、ともに必要であることを強調しました。私は、あらためて、職場、地域、学園で奮闘している日本の同志たちを誇りに思うとともに、これは、日本に限らず、“そもそも共産党とは何か”にかかわる重要な問題だとの思いを強くしました。

photo 3時間の会談でしたが、中身の濃いものとなりました。(写真は、中連部のロビーにて。右端が、日本共産党国際局の林信誠さん。かつて日本の大手企業の社員として中国で仕事をしていた林さんの中国語は抜群。中国人から「あなた日本語が上手ですね」といわれるほどです。私の左が、山口富男幹部会委員・社会科学研究所副所長。8年前、日中両共産党間の関係正常化に道を拓いた功労者でもあります。左端が、国際局の島田峰隆さん。「しんぶん赤旗」のヨーロッパ特派員だった島田さんは、英語、イタリア語、スペイン語に通じる語学の達人で、ヨーロッパの市民運動にも詳しい。中連部のような独自のビルは持たないけれど、わが日本共産党国際局の人材は豊富です)

photo いったんホテルに戻って昼食をとり再び中連部へ。午後は、昨年12月の日本訪問団団長だった張西明中央宣伝部理論局副局長らとの懇談、理論交流です。まず、張西明さんから、昨年の理論交流の成果をまとめて報告したこと、中国共産党の理論関係者や指導部から高い評価を得たことなどが語られました。

 それに対し不破さんも、日本共産党の側でも理論交流の報告会をCS放送などで見た人たちから、@中国共産党との対話を通じて、日本共産党の綱領路線がよりよくわかった、A中国に対するさまざまな思いが解決され理解が深まった、という感想が寄せられていることを紹介。第1回目の理論交流が、両党関係発展の大きな力になったことが確認されました。

photo さて、ここからが生の会談の面白いところですが、明日予定されている中国のマルクス主義の研究者、専門家の皆さんとの理論交流の進め方が問題となりました。事前に両党間で相談できてなかったので、張西明さんが不破さんに「効率よく進めるために、何かテーマはありますか?」と聞けば、不破さんは「どういう問題意識を持っている人が集まるかわからないので、テーマはそちらの方から提起してもらったほうが効率よいと思います」と返す、という感じになり、10分間の休憩をとることに…。(写真は、中連部のリン・リさんから、明日出席される中国側の研究者、専門家のリストをもらう不破さん)

photo ここで颯爽と登場するのが、外交のエキスパート緒方靖夫副委員長・国際局長です。あっという間に、不破さんと相談し、張さんに駆け寄って話をまとめてしまいました。緒方さんの提案は、@明日は超一流の人たちなので、先方から質問を出してもらい、それに答える方が効率的になるのではないか、A今日の残りの時間で、中国共産党のマルクス主義理論研究プロジェクトの進行状況について説明してもらったら、明日の準備にもなるのではないか、というもの。さすが、合理的でスピーディーな提案に脱帽です。結局、明日はその方向で進めることになりましたが、果たしてどんな質問が出され、どんな理論交流となるのか、いまからワクワクします。(写真は、背中が緒方さん。右が超西明さん)

photo  夜は、張西明さんたち中央宣伝部の皆さんとの夕食会。有名(らしい)な北京ダックのお店で、交流を深めました。張さんは、私が胸に着けている「憲法9条を守ろう JCP」のバッヂを見つけ、「とてもうれしく思います」と言ってくれました。小さなバッヂひとつが国際的な平和の交流になるんですね。(写真は、挨拶する不破さん。右端が緒方さん)

photo ところで、北京ダック料理にこんなにたくさん種類があるとは知りませんでした。ローストしたダックをスライスして薬味と一緒に皮に包んでいただく、という食べ方なら私も知ってはいましたが、きょうはスープやバター揚げなど何種類もの料理が出てきて驚きました。物事を部分でなく全体としてとらえる――マルクス主義哲学にも通じる夕食会となりました。北京ダックに感謝です。

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