日本共産党 参議院議員 党副委員長
山下よしき

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「自然・生態系の破壊招きかねない」自然公園法改訂案質疑

参議院環境委員会 2021.4.22
速記録 資 料 動 画

山下芳生参院議員は、4月22日の環境委で、自然公園法改訂案は事業者の利用・開発の歯止めが十分でなく、自然環境と生態系の破壊を招きかねないと批判しました。

改訂案では、公園内で宿泊施設等の営業を行う事業者が中心となり自治体と「協議会」を作る制度を新設。協議会が事業計画を策定し、環境大臣が認定すれば、ホテル建設などの許認可が不要となります。

山下氏は、モデルケースとなった瀬戸内海国立公園内の六甲山地域の開発では、兵庫県・神戸市・阪急阪神ホールディングス等で構成された「協議会」に環境省が参画し、開発が厳しく規制された「特別保護地区」の指定をわずか1年で外したことを指摘。歯止めとなるべき中央環境審議会の手続きも「協議会」方式によって形骸化していることを示し、「これでは全国の国立公園が乱開発され、貴重な自然・生態系が破壊されてしまう」と批判しました。

さらに山下氏は、公益性・公平性に問題があり長年不認可だった「分譲型ホテル」の審査基準の検討会に三井不動産関係者が参加した結果、同社が共同経営する国立公園内のホテルに第一号の認可が下りたと指摘。「自作自演だ」と批判しました。

【議事録】

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
まず、大臣に基本的な認識を伺いたいと思います。
私、学生時代にワンダーフォーゲル部に所属しておりました。ワンダーフォーゲルというのは、資本主義の発展期に人間が疎外されるという環境が生まれる中で、自然の中で人間性を回復しようというドイツやヨーロッパから広がった運動であります。私も里山から日本アルプスまで日本各地の豊かな自然に接してまいりました。働くようになってからも、職場の仲間たちや家族と一緒に自然を楽しんでまいりました。人の手の入っていない自然というものは、人間の心身を浄化してくれる力があると実感しております。
国立公園というのは、次の世代も自然の中で私たちと同じ感動を味わい楽しむことができるように、優れた自然を守り、後世に伝えていくところだと認識しております。ただ、人が入ることによって、例えば高山の動植物が生息できなくなるなど、自然が壊れることもあります。したがって、自然に親しむことと自然を保護すること、そのバランスが非常に大事だと考えております。
そのために、国は自然公園を指定して貴重な自然を保護し管理する役割を担っていると思うんですが、小泉大臣、自然に親しむことと保護することのバランスの大事さ、いかが認識されていますか。

○小泉進次郎環境大臣 まず、国立公園を守ることよりも大きな話ですが、今気候変動がここまで広がっている中で既にもう1.2度上昇していて、この気候変動対策の強化ができて効果を上げなければ、我々が幾ら国立公園を守ろうと人の手を入れても、取り返しが付かない自然のダメージが起きることは間違いないと考えていますので、環境省として気候変動が大きな課題として取り組まなければいけないとまず考えてはおります。
そういった上で、この自然に親しむことと保護をすること、このバランスということですが、私はやはり両方大事だと思っているので、今回、今まで保護というものが大前提の中で、むしろ利用のルールをより明確にすることによって保護が効果的に行われる。こういった言葉は、まさに知床で、現場で頑張られている知床財団の皆さんからも、今回のことは歓迎すると、そういったお話もありますので、この法案の改正によって先生がおっしゃるようなバランスが持続可能な形で維持されるように期待をしています。

○山下芳生君 私は、今回の改正案でそのバランスが崩れるのではないかという危惧を持っております。
第一に、法案で新設される協議会なんですけれども、法案では、自然公園内で宿泊施設等の営業を行いたい事業者が中心となって都道府県や市町村とともに協議会をつくります。この協議会が事業計画を策定し、環境大臣に申請するわけでありますが、認定されれば事業者が自然公園内で事業を行うための許認可手続については既に許認可を受けたものとして不要となるということになります。
環境省、協議会による事業計画が優先されて自然保護がおろそかになる心配ありませんか。

○鳥居敏男環境省自然環境局長 議員の御指摘の、計画に盛り込まれたものは許可が不要になると、確かにワンストップで手続が不要になると思いますけれども、その計画の中には、例えばこういうものを作りますとか、こういうところにこういうことをしますとかというのは、かなり、例えばその規模、構造が分かるような図面とかを添付してもらうとか、そういったことでしっかり審査ができるような、計画の中にそういうものを入れていただくということが、今後、これは施行通知等でしっかり周知をしていきたいと思いますけれども。
だから、何か漠としたものでそのまま認めちゃって、もう手続要りませんというようなことではなくて、そこはしっかり公園の保護上支障のないようにしていくことが重要ですので、そのような対応をしていきたいというふうに思っております。

○山下芳生君 今回のモデルケースになったと思われる一つケースを紹介したいと思うんですが、瀬戸内海国立公園の六甲山地域なんですけれども、かつては企業の保養所などでにぎわっていた同地域を活性化させるために、二〇一八年の三月に六甲山再生委員会が設置されました。参加者は兵庫県、神戸市、神戸経済同友会、神戸商工会議所、阪急阪神ホールディングス株式会社、六甲山観光株式会社などで、自然保護団体や生態系に詳しい有識者は参加されていません。
二〇一八年三月二十七日の第一回六甲再生委員会では、六甲山地域の開発のために規制緩和が必要であるということが議論されまして、それを受けて、二〇一八年六月に環境大臣が六甲地域の公園区域及び公園計画の変更を中環審に諮問し、二〇一八年八月十三日に同地域の公園区域及び公園計画の変更が官報で告示されております。要するに、協議会のような六甲山再生委員会で規制緩和の議論がされたのが三月、八月にはそれを認める官報告示がされたと。僅か五か月の超スピード審議で規制緩和、開発の規制が緩和されたわけですね。
ちゃんとこれ、再生委員会、中環審で審議されたんでしょうか、たった五か月で。

○鳥居敏男環境省自然環境局長 もちろん公園計画、その区域並びに地種区分なんかの見直しにつきましては、中央環境審議会の意見も聞かなきゃいけませんし、もちろん都道府県の意見を聞いたり、そしてパブリックコメントに付すというような、これは所要の手続というものがございますので、そこでしっかり議論をして、今議員がおっしゃった、ちょっと期間は早まっていますけれども、通常の手続を経てこの公園計画の変更を行ったというものでございます。

○山下芳生君 手続は行ったということなんですが、六甲山再生委員会に委員として、実は、環境省近畿地方環境事務所国立公園課長さんが参加されております。その国立公園課長は六甲山再生委員会でどういう役割を果たしているかということなんですが、資料一に第一回六甲山再生委員会議事要旨、二〇一八年三月二十七日開催ですけれども、載せております。
これ見ますと、兵庫県知事が、六甲山再生委員会のスケジュールですと、来年の三月に取りまとめをしようというスケジュールになっているんですが、六甲山の国立公園計画の改定作業とマッチしているんだろうかと、ちょっと心配されているんですね。それに対して環境省の公園課長さんは、現在、環境省では、平成二十九年度、つまり前年、二〇一七年度、兵庫県さんと共同事務局ということで委員会を立ち上げて公園の取組を検討してまいっております、公園計画の点検を行って集団施設地区を追加しているのが非常に大事なポイントになってきておりまして、通常は公園計画の点検、三年ほど掛けてやるところをスピード感を持ってやろうということでというふうになっているんですね。
要するに、大丈夫だと、環境省は兵庫県の意向に沿って公園計画の改定、あるいは集団施設地区の追加を、通常点検に三年掛かるけれども、スピード感を持ってやっていますというこれは答えになっているわけですね。
本来、自然保護の観点から私はブレーキ役となるべき環境省が、県の意向に沿ってアクセルを踏んでいると、これちゃんとやれているんですか、これ。

○鳥居敏男環境省自然環境局長 スケジュールが何か早まったというのは、確かに、この六甲再生委員会の第一回の会議から告示までの期間は確かに委員がおっしゃったような期間ですけれども、公園計画等の変更はおおむね五年から十年、それぞれの地域に五年から十年ごとに実施するということになっているわけでございます。
そして、この六甲地域の公園計画の変更は、平成二十二年の二月九日に行われております。その次が御指摘の三十年八月十三日ですから、これ八年間間が空いているわけで、この八年間の間にいろんな、公園の中で現実、実態と公園計画が合っていないようなところ、あるいは公園区域をもっと明確にしなきゃいけないようなところをチェックをして、それを審議会に諮って、そして公園計画区域を見直しをしていくというプロセスを経ますので、そのスケジュールが何か早まってやっているというわけではなくて、前回、その三十年の前は二十二年ですから、八年間間を置いてやっているということを申し上げておきたいと思います。

○山下芳生君 いやいや、通常三年ほど掛けてやるところをスピード感を持ってというのは環境省の課長さんが言っているんですからね、今の説明とはちょっとずれているんですよ。
さらに、六甲山の再生委員会で議論した開発規制の緩和がどういう内容かを見たいと思うんですけれども、六甲山地区と摩耶山地区に集団施設地区を追加するということなんですが、資料二は、その摩耶地区、摩耶山地区の保護規制計画変更図であります。これ、下が南側なんですけど、南側の摩耶ロープウエーで展望台、掬星台に上がってくると、そこからは、日本三大夜景の一つ、六甲の夜景が一望できる人気のスポットなんです。このスポットを有する摩耶山地区全体の開発を容易にするための変更が、特別保護地区三ヘクタール及び第一種特別地区二十七ヘクタールを第二種特別地区に変更するものとしてやられたわけですね。
この図の中にある網が掛かった部分ですけれども、この中で箱に囲まれて丸保と書いてあるのが特別保護地区です。特に優れた自然景観、原始状態を保持している地区で、最も厳しい行為規制が必要な地域です。それから一特、丸で囲んだ一特は、特別保護地区に準ずる景観を有し、特別地域のうちでは風致を維持する必要性が最も高い地域で、現在の景観を極力保持することが必要な地域、いわゆる特別保護地区と第一種特別地域になるわけですが、ここが、もっと全体そういう地域だったんですよ。これが今度全部それ外されて、第二種特別地域に緩和されるということになってしまいました。そして、この地域全体、摩耶山地区全体が集団施設地区に設定されるわけですね。
資料四を、ちょっと一つ飛ばして資料四見ていただいたら、これ第二回六甲再生委員会に環境省が提出した、そして説明した資料なんですけれども、公園計画第四次点検、摩耶山集団施設地区の指定とありまして、集団施設地区、面的な利用計画といって、これまでは、主に第一種特別地域に指定されていて、保護と利用の軸足が保護寄りになっていた、点検後は、利用拠点としての整備方針を踏まえ、第二種特別地域として公園事業としての利用を展開できるようになった。公園事業として認定されますと個々の許認可が不要と先ほど言いましたけれども、これ法律によらなくてもそういうことになっているんですね、公園事業となればですね。こういうふうになっているわけですけれども、もう面として規制をがさっと取り払ってしまったわけです。
こうなりますと、さっき小泉大臣、特別保護地区は手を付けないんだと言っていましたけど、これ手を付けています。そうなると、ここにリッツ・カールトンが建つかもしれない。日本三大夜景の一つが見れますよということで、外国の富裕層を呼ぶというふうなこともあるかもしれない。そういうことがやられているわけです。特別保護地区というのは、こういうふうに開発、あっという間にされてしまっている。
大臣、さっきの御答弁と違うことが起こっていると。いかがですか。

○小泉進次郎環境大臣 私、例として挙げたのはあれ日光ですので、それが一概に横展開をするという、そういうことはないと思います。

○山下芳生君 まあ日光はそうかもしれません。でも、ここはそういう保証はないわけですよ、特別保護地区が網を外されて第二種特別地域になっちゃったんですからね。そういう心配が起こっているということであります。
どういう地域かといいますと、資料五にこの特別保護地区の写真を、うちの事務所で現地に行って撮ってまいりました。ツツジが非常にきれいでした。それから桜の花も咲いておりました。
本来だと、こういう貴重な自然が残っている地域ですから、公園計画の変更あるいは地種の変更に当たっては、生態系や自然環境への影響など、十分な調査や議論、評価が必要だと考えられます。しかし、さっき言ったように、たったこれ一か月程度でね、諮問から、変更を決定してしまった。
資料六を見ていただきたいと思います。
この公園計画の変更が中環審に諮問され、そして二〇一八年七月三日、第三十六回自然公園等小委員会で審議されました。その審議の中で、これ、佐々木委員という委員さんが、摩耶山で特別保護地区と第一種特別保護地域を第二種特別地域に変更すると、まず、もうちょっとこの理由を教えていただきたい、こうなっても重要性、大切さというのは何らかの形で担保できるんでしょうかと、これは当然の、自然環境を保護する立場から当然の質問が出たら、今度、環境省の国立公園課の方の答弁。摩耶山については、現状、園地として広く整備されている箇所ですとか、自然環境の資質などから、園地を中心とした範囲を第二種特別地域に変更するという整理を行うこととしましたと、こうさらっと言っているんですけど、違いますよ、事実は。このさっき示した摩耶地域の真ん中の辺りは摩耶自然観察園になっておりまして、鳥のさえずりゾーンとか木道とか登山道があって、原生林も残っている地域なんですよ。何かもういかにも広く整備されている箇所というふうに言っちゃっている。しかし、事実は違います。
また、当該地域の土地所有者としては神戸市さんとお寺さんの二者です、委員が心配されていた保護は担保できるのかという御懸念に対しては、土地所有形態から考えても、ある程度大規模な開発というのは今後進まないものと考えておりますと言いますけれども、所有者である神戸市がここを大規模に開発しようとしているんですから、何の担保にもこれはならないと言わなければなりません。
小泉環境大臣、もう一遍聞きますけれども、とても貴重な自然を開発から保護するための中央環境審議会の審議が余りにもずさんな、この程度のやり取りで大きな変更がされてしまった、いかがですか、これ、いいんですか、本当に。

○小泉進次郎環境大臣 今回の法改正の意義というのは、保護と利用を両輪で回していくというのが法改正の意義であります。
ただ、今日何度も申し上げていますが、今後の計画については、環境の保護をないがしろにしない、これが計画の認定の要件にもなっていますので、今後しっかりとそこを見ていくことが必要ですし、環境省の大事な中環審のこの審議の在り方について、今年新たに改選がありまして、高村会長の下、新たな体制で行います。その下でしっかりと、環境のことがないがしろになされることがないように、審議会の審議なども進めていただきたいと思います。

○山下芳生君 私はこの六甲山再生委員会のような協議会が全国に横展開されて、こんなふうにあっという間のスピード審議、環境省も一緒になって開発をどんどんどんどん進めるということがやられちゃったら、これは今回の法改正が、貴重な自然を開発から守るどころか開発にさらしてしまうということになりかねないという危惧をしております。
最後、時間がもう少しありますので、分譲型ホテルについて私からも質問します。
自然公園は国民共有の財産であり、ホテル等の事業を公園事業として行うためには、公益性、そして公平性が要求されます。
長年、分譲型ホテルは公園事業として認可されてきませんでした。ところが、二〇一九年八月、第四回国立公園における宿舎事業のあり方に関する検討会で、分譲型ホテルが公園事業として可能になる審査基準が了承されました。先ほど大臣がるる述べられた審査基準であります。その審査基準によって初めて公園事業としての分譲型ホテルとして認可されたのが、伊勢志摩国立公園内のアマネムという分譲型ホテルであります。
実は、この国立公園における宿舎事業のあり方に関する検討会には、このアマネムを共同経営している三井不動産株式会社ホテル・リゾート本部長補佐の雀部優さんが委員として参加されておりました。私、ここに名簿を持っておりますけれども、第一回からちゃんと参加されております。この雀部氏がこの検討会の中で、超富裕層向けの上質な公園事業による宿舎の整備をずっと主張されて、そして、その結果こうなったわけですね。
大臣は、資料を最後に付けておりますけれども、三月二十二日の当委員会で我が党の市田議員が質問したときに、アマネムの話もありましたが、こういった業界の要望を受けたためにこういったことになったということではないということははっきり申し上げておきますと答弁されましたが、実際は利害関係者のアマネムの役員が検討会の委員になって、アマネムの要望がストレートに反映された結果、分譲型ホテルを可能とする規制緩和が行われ、そのアマネムが第一号になったわけですよね。これは完全な自作自演だし、大臣の答弁は虚偽答弁だったということになりませんか。

○小泉進次郎環境大臣 虚偽答弁に当たるとは考えておりません。
そして、今回、このアマネムの話がありましたが、それを想定してこの分譲型ホテル、こういったことを新たに認めるということになったものではないというふうに承知しています。

○山下芳生君 ちょっと苦しいんじゃないですか。それは想定していなくても、結果はそうなっちゃったんですよね。三井物産の要望どおり、提案どおりになったわけですからね。あっ、三井不動産ですね。
こういうやり方を私は想定していなかったで済ませたのでは、これからこの制度が大変な開発優先になっちゃうんではないかという危惧を拭えません。取り返しの付かない自然環境、生態系の破壊を招きかねないと、引き続きチェックしていきたいと思います。
終わります。

【反対討論】

○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、自然公園法の一部を改正する法律案について、反対討論を行います。
今、世界では百万種の動植物が絶滅の危機に瀕しています。日本でも、この十年間で新たに九百七十一種がレッドリストに掲載されました。生物多様性条約「愛知目標」が掲げた、二〇二〇年までに絶滅危惧種の絶滅及び減少の防止と絶滅種に対する保全の維持改善という目標は達成できませんでした。
自然公園法は、自然の風景地を保護するとともに利用の増進を図るだけでなく、前回改正において、生態系の危機を食い止めるため、新たに生物多様性の確保に寄与することを目的に加えました。
ところが、この十年間で政府が取り組んだのは、インバウンドの誘客政策の一環として八つの国立公園で先行展開した国立公園満喫プロジェクトです。同プロジェクトは、自然公園の豊かな自然を観光資源とし、富裕層や外国人旅行客を対象に、施設やサービスの上質化で公園利用者を一千万人に増やすことを目的としています。国立公園満喫プロジェクトは、環境の保護よりも利用の促進に偏っており、問題が起きています。本法案は、このプロジェクトを全国の自然公園に展開するためのものであり、問題です。公益性、公平性に問題のある分譲型ホテルが全国の国立公園に広がるおそれもあります。
本法案では、事業者を中心として組織された協議会が、利用拠点改善整備事業や自然体験活動促進計画を行うために、公園計画の変更を提案できるとしています。公園計画は、自然公園の環境保護のため、利用と規制を定める重要な計画です。協議会の提案を可能にしたことで、公園計画の策定という国の責任を事実上事業者に委ねたことは問題です。公園計画の変更時の中環審への諮問手続も形骸化しており、歯止めとなり得ません。
さらに、この協議会を事業を実施する企業等の事業者と自治体だけで構成することも問題です。地域の環境保護団体や有識者、地域の住民の参加は自治体が認めた場合に限られ、参加させなくてもよい仕組みになっています。
そして、この協議会の提案を受けた環境大臣に対し応答義務が課せられたことで、従来に比べ短時間で結論を求められることとなりかねません。包括的な生態系の把握はいまだにできていません。調査検討が不十分であれば、事業実施に伴う生態系に与える影響を見過ごすことになり、取り返しの付かない生態系の破壊を招くことになります。
以上を述べて、反対討論とします。

 

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