「現在(いま)と未来をつなぐ みえ若者のつどい 2008」にゲストとして参加してきました。17日の三重県津市は、時折雪の舞う冷え込みようでしたが、会場は「こんな働かされ方って、アリ?!」「憲法が変わると私たちが戦争に加担することに?!」などのテーマで若者たちの真剣な討論が交わされ、熱い空気が満ち溢れました。
「働かされ方」の討論では自分たちの体験や思いが次々出されました。「残業代がでなかったり有給が取れなかったりしても『しょうがない』っていう声もあるけど…」に、「あきらめずに声を上げることが大事。派遣最大手のグッドウィルに対する事業停止命令も、たった一人の派遣の若い女性の労働基準監督署への申告からはじまった」とアドバイス。
すると、「申告と言っても、中小企業や私の行ってた小さな障害者共同作業所では、会社や職場がつぶれてしまうのではと思って申告できない…」「福祉・介護の職場で5年間働いたけど手取りは15万円で頭打ち。やりがいはあってもそがれてしまう」「病院の看護師も夜勤ができなければ正社員でなく準社員・パートにされる」などの意見が。
すごく大事な意見です。日本の中小企業の経営者は大企業に収奪されている点では労働者と共通の立場を持っています。ですから、中小企業の職場では経営者に要求を突きつけるだけでなく、大企業の横暴を許さず、下請け中小企業を守る法律の厳正な運用を求めるなどで共同することも大事です。
それと、福祉や医療の職場では、国の法制度によって施設の収入が決まる面が大きい。とくに最近は、障害者自立支援法、介護保険法、診療報酬連続引き下げなどで、国の支出が大きく削られ、利用者負担の増大の一方で、施設の報酬・収入がどんどん減らされています。そのことが福祉職場の賃金・労働条件の低下に直結し、“やりがいがそがれる”事態を生んでいるのです。
意欲や能力のある若者たちが、低賃金で自立できないために、福祉の職場から去っていく。福祉の仕事は、高い専門性とヒューマニズムが必要とされるのに、これは社会全体の損失です。
という話をしていると、こんどは障害をもった若い男性の手が挙がりました。「いまリハビリをしながら、いずれ福祉施設で働いて、もっと重度の障害をもつ人たちの支援ができるようになりたいとがんばっています。でも皆さんの話を聞いて、福祉の職場で働くのが不安になりました」
おっと、それは大変です。元気になってもらうための企画なのに、がんばっている人に不安を与えて帰ってもらうわけにはいきません。私は、福祉や医療の制度が悪くなる根本に、小泉内閣時代に決めた、社会保障費の自然増を毎年2200億円削るというレールがあることを説明。そして、先日の参議院本会議で自民党を代表して質問に立った元厚労大臣の尾辻参院議員会長が、「社会保障費の削減はもう限界。平成21年度予算では2200億円の削減を行わないようしてほしい。どう抑制するかではなく、どのような社会保障サービスが必要かから議論すべき」と発言をしたことを紹介。
もう一押しです。若者が福祉の職場でやりがいを持って働けるよう、みんなで政治の流れを変えようと呼びかけました。彼もニッコリうなずいてくれて一安心。
さらに、「米作農家の収入が時給換算すると260円にしかならない問題をどうしますか?」(食品関係に就職が決まった男子大学生)、「沖縄では基地がないと困る人もいるんじゃないですか?」(ナント14歳の中学生。エライ!拍手!)、「いじめをどうやったらなくせますか?」(障害をもつ男の子。来てくれてありがとう!)、「アメリカの大統領選挙をどう見ますか?日本に影響はありますか?」(司会をしてくれた女子大学生。オツカレサマ!)など、たくさんの質問や意見が出され、昨日に続きあっという間に2時間半が経過してしまいました。
それにしても、若者たちから投げられる真っ直ぐな球を、その場で受け止めて答えを投げ返すというのは、真剣勝負ですっごくいい。彼たち彼女たちにごまかしは通用しません。エネルギーもいっぱい使うけど、あとに心地よさが漂うのは、お互いに全力投球でのキャッチボールが、人間としての信頼感を生んでくれるからでしょう。
つどい終了後、その場で1人が日本共産党に、2人が民主青年同盟に入ってくれました。やった〜!!!みんな、がんばれよ〜。そしてまた会いましょう。
一緒に答えてくれたのは、衆院予定候補の中野たけしさん。三重県下をくまなく回り、とてもよく勉強されています。
1992年、私が国政候補(参院比例代表)として初めて三重県におじゃました時、青年の集いでお会いした女性がお二人、今回も来てくれました。「あの時とぜんぜん変わっていませんね」なんてうれしい言葉をいただき感涙にむせぶの図です。