2007年09月18日
安倍首相の無責任な辞任表明で、国会が空転している間、街頭に打って出ながら、論戦の準備にも力を入れています。18日は兵庫県但馬地方の医師不足問題を調査。 但馬では昨年12月、「医師不足」を理由に、9つある公立病院のうち3つを診療所にする計画がもちあがりました。しかし、各地で住民ぐるみの反対運動がおこり、現在もすべて病院として存続しています。 ところが、今度は「医師の集約化」の名の下に、10月から中小病院の医師が拠点病院に「集約」されようとしているのです。たとえば、梁瀬(やなせ)病院は現在5人の医師が3人に、出石(いずし)病院は4人が3人に減らされます。そのために、梁瀬病院では9月から時間外の救急の受け入れを中止せざるをえませんでした。10月から当直体制が維持できるか心配されています。 国や県の「医師不足対策」が、地域の病院から医師を奪い、患者を減らし、黒字から赤字に転落させる――こんな馬鹿なことがあるでしょうか。 梁瀬病院のある旧山東(さんとう)町の区長会長は、「命をなんと心得とるんや」と憤ります。昭和31年、住民が一等地を確保し資金を出してつくった病院をつぶすわけにいかんと、区長会長みずから大阪に医師確保に走ったといいます。 地域医療にやりがいを感じ、少ない人数でも奮闘されてきた梁瀬病院の医師は、地域の中小病院が、まずすべての患者を受け入れ、より高度な治療が必要な人を「ふるいわけ」して送るから、拠点病院も体制を整えて受け入れることができる、といいます。納得です。 安心して住める地域を壊し、地域全体の医療体制も崩壊させることになる「医師の集約化」。その誤りをただすとともに、根本にある政府の医療費抑制政策、医師養成抑制政策の転換をかかげて論戦に挑みたいと思います。 安治川敏明・豊岡市議、藤原敏信、鈴木逸郎・両朝来市議が同行してくれ、大変いい調査になりました。感謝です。(写真は、和田山病院の野垣秀和病院長との懇談)