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「思い出」と「笑顔」を奪った障害者「自立支援」法 3男の保育所民営化の説明会 礒田さん急逝す

2006年12月21日

photo 「今年になって思い出というのが少なくなってきました」「こんなに職員に笑顔がない年はなかったと感じます」

 大阪・柏原市にある知的障害者通所授産施設「夢工房くるみ」(曽奈美章施設長)を訪問した際聞いた言葉です。障害者「自立支援」法が、施設の利用者と職員にどんなに深刻な影響をもたらしたか、とてもよく示していると思います。

 「思い出」を奪ったのは、利用者への「1割負担」と、施設への「日割り」方式(これまで利用者1人当たり「月額いくら」と決まっていた国から施設への支援費が、利用者の「通所日数」に応じた支払いにかわった。利用者は体調を崩しやすく毎日通えない人も多いので、施設に大幅な収入減をもたらした)の導入です。

 これまで年に1回行っていた和歌山への1泊2日の旅行ができなくなりました。利用者も施設も、旅行のための積み立てをする余裕がなくなったからです。「ぜひ聞いてほしいことがある」と待っていてくれた利用者の女性Aさん(クリクリした目のかわいいお嬢さんでした)は、「(旅行は)夜いっしょにご飯を食べたり、みんなでわいわい話したり楽しかった。帰ってからビデオ見たら楽しかったー」といいます。今年になってその思い出のビデオの数が減りました。

 楽しい思い出が減ったのは、施設のなかだけではありません。利用者の休日の過ごし方も大きく変わりました。外出が減ったのです。外出時に同行してくれるガイドヘルパーの利用料が高くなり、「これまで月2回の利用が、3カ月に1回になった」とAさんはいいます。

 「職員の笑顔」の源は、利用者の笑顔。これまでもかなり厳しい労働条件でしたが、それに支えられてがんばってきました。ところが、利用者の笑顔が少なくなったうえに、施設収入の大幅ダウンで、退職職員の補充ができなくなり、レベルアップのための研修の回数も減ったといいます。職員からも笑顔がなくなったのもうなずけます。

 お話を聞きながら思いました。「思い出」と「笑顔」のない生活が、憲法25条ですべての人に保障されるはずの「健康で文化的な人間らしい生活」といえるのか?障害をもつ人たちに、ただ動物的に生きることを強いるようなこの法は憲法に反するのではないのか?まさに、人間の社会としての後退です。

 しかし、けっして悲観的な話ばかりではありませんでした。「これまでばらばらだった障害者団体が、柏原でも初めてひとつにまとまりました。右と左がくっついた。これまでなら考えられなかったことです」とは北丸浩一事務長。悪法に立ち向かい、人間社会の後退を食い止め進歩させる力も、着実に大きくなっています。

 貴重なお話をありがとうございました。訪問には橋本みつお市議も同行してくれました。

photo きょうは、日中、柏原で活動。午後は、2カ所で「山下よしきと語るつどい」。「中学卒業後、トヨタ系自動車部品メーカーで45年働いて、定年後の年金が月20万円切れる。最近家の電気消して節約してる。いったい消費税はどこに消えたのか?」「18歳からずっと働いた主人の年金が月16万円。まちがいではないかと社会保険事務所に確認したがまちがいではなかった。定年後もどこか働きに行かなあかん」など、老後の不安がリアルに語られました。

 同時に、「年金が悪くされ税金が値上げされるたびに、(生活の)防衛、防衛ばかり。ザルで水をすくうようなもんや。生活を守る一番の近道は政治を変えること。でないと死ぬまで防衛や」「アメリカにはボーンと出すのに、自国民には全然出さん。主人と2人で政治変えるように死ぬまで旗振らんならんなあって話してる」と、政治を変える意気高い決意も。こちらが元気になりました。

 夜は、3男の通う公立保育所が民営化されようとしている問題で、大東市保育課による説明会があるというので妻と一緒に出かけました。仕事を終えたお父さんお母さんたちがたくさん集まりました。

 「大東市の財政が厳しいから」「民間の方が経費が少ないから」との説明に、「(一足先に民営化された)上三箇保育所でよくなった点はなにかあるか?」「同和保育所の特別な優遇は続けながら、なぜここが民営化されるのか?」など疑問と批判が爆発。わが保護者会もなかなかやります。

 私は、いま問題意識を持っている「人間社会の進歩とはなにか」という観点から意見を述べました。すなわち、人間社会の進歩とは、社会保障の充実=だれもが人間らしく生活できる環境、子どもの場合なら、どの子も、もっている能力が全面的に引き出され、成長発達できる環境、それを個人まかせにするのでなく社会全体で支えることにあると思います。そのために必要な資源(財政やマンパワー)がどれほど充足したものになっているか。それが、社会の進歩や豊かさのモノサシだと思います。

 そう考えると、“保育にかける予算が少なければ少ないほどよい行政”であるかのような見方は、問題の立て方、モノサシが大きくズレているといわねばなりません。大東市の配布資料には、民間保育所と比較して公立保育所の「超過負担」(国の基準を超えた市の負担分)が大きいことが問題だと描かれていますが、「超過負担」の内容を見ることが大事です。子どもの成長発達にとって重要な役割を果たしている経験・知識の豊かなベテラン保育士が多いこと、障害をもつ子どもの受け入れを積極的に行っていること、地域の子育て支援に力を入れていることなど、民間ではなかなかできない役割を担うために必要な経費なのです。いわば「超過努力」であり、悪いことではなくむしろ良いことなのです。

 「超過負担の意味がすごくよくわかりました」。若いお母さんが言ってくれました。子どもたちによりよい環境を残すため、足元の運動にもかかわっていきたいと思います。

 自宅に戻ると、悲しい報せが。昨日お見舞いした、党大阪府委員会副委員長の礒田常司さんが急逝されました。礒やん、なんでやねん!…残念で悔しいです。






 

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