自民、公明両党は、昨日（１４日）の参院特別委員会での教育基本法改悪法案の強行採決に続き、本日（１５日）、参院本会議で同法案の可決・成立を強行しました。

　世論調査では、「今国会での成立にこだわるべきでない」が圧倒的多数だったように、国民の多くは、「子どもと教育にかかわる基本法なんだからあわてるな」「もっと国民の声、子どもたちの声を聞け」という気持ちだったと思います。「やらせ」「さくら」なしの公聴会では、多くの識者が法案に「反対」「慎重審議」を主張しました。これらを無視し、数を頼んで強行した暴挙に、満身の怒りを込めて抗議したいと思います。

　委員会強行採決を受けて、昨日、日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党４党は、書記局長・幹事長会談を開き、「安倍内閣不信任決議案の提出をはじめ、衆参両院であらゆる手段を講じて教育基本法改悪法案の廃案のために全力をつくす」ことを確認しました。国民の世論と運動の高揚が後押ししたのだと思います。

　そして、きょう、朝８時５０分、野党４党で、衆院に内閣不信任決議案を提出。内閣不信任案はすべての案件に優先されるので衆院、参院とも議事がストップしました。

　午後１時、衆院本会議が開会。冒頭、与党は「国会会期を４日間延長する」手続きを強行しました。相撲にたとえるなら土俵際まで追い詰められた力士が、土俵そのものをゴムのように後に伸ばすようなもので、大変姑息なやり方です。

　衆院で、内閣不信任案が与党による反対多数で否決されたあと、参院が動き出しました。日本共産党は、「衆参両院であらゆる手段を講じて」という昨日の野党４党の確認にもとづいて、参院でも安倍首相問責決議案を提出すべきだと主張しました。これは当然のことです。国会で最後までたたかってこそ国民世論を喚起することができるのですから。

　ところが、民主党はそれに応じませんでした。残念です。そこで、公党間の約束を守らなかった民主党の対応に遺憾の意を表明しつつ、政党としての責任を果たすという意味で、日本共産党は、安倍内閣問責決議案を参院に提出しました（社民党と共同）。ただ、伊吹文部科学大臣の問責決議案は、民主党も含めた野党４党で提出することができました。

　そして、午後４時半からはじまった参院本会議で、伊吹文部科学大臣問責決議案が否決され、続いて、午後６時過ぎ、教育基本法改悪法案が可決・成立となったのです。

　悔しいし、怒りで身体が震えました。強行した勢力には、来年の一連の選挙で審判を下さなければなりません。同時に、教育基本法改悪反対のたたかいは、今後に大きな財産を残したと思います。

　まずなにより、子どもと教育にかかわる草の根からの議論が大きく盛り上がったことです。私が参加した、草の根の懇談会では、いじめ・自殺や学力の問題を通じて、「競争とふるいわけで子どもたちのストレスをふくらませる教育でなく、どの子も”わかる喜び”を感じる教育環境の整備が大事ではないか」「充分愛された子どもは愛することができる。国からたっぷり愛されたら子どもたちは、放っておいても国を愛する心を持つようになる」など熱い意見交換がされました。子どもを中心に、お父さん、お母さんや地域のなかで、教育がこんなに語り合われたことは初めてではないでしょうか。

　ふたつめに、教職員の皆さんの構えです。教育基本法改悪反対のたたかいを通じて、教育とは何か、教育基本法の魂はどこにあるかが再認識されたのでしょう。たくさんの教師から、「どんな法律がつくられようとも、私たちは、教室で目の前にいる子どもたちをぜったいに守り抜く」「勝ち組・負け組みの格差を当然視したり、すすんで戦場に行くような子どもをつくる教育には身体を張って反対する」という声を聞きました。本当に心強い。

　こうしたお父さん、お母さんたち、先生たちがいる限り、子どもと教育を守る力がなくなることはありません。真理と正義を力で抑え込むことはできません。

　そのことに確信を持ち、またきょうから新しいたたかいにのぞみたいと思います。

　きょうは、国会でのたたかいと心ひとつに、朝から夜まで、教育基本法改悪案を廃案に！と訴え続けました。大阪市西淀川区では、たつみ正夫府会予定候補とともに、有力者訪問、小集会、街頭宣伝。夕方、京橋駅頭で、大阪憲法会議・共同センターの皆さんと宣伝。宮本たけし参院大阪選挙区予定候補もいっしょ。夜は、品川正治さんをお招きしての大阪革新懇の講演会で国会情勢報告でした。