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滋賀で父娘無理心中――悲しくて、悔しくて…

2006年12月08日

 悲しくて、悔しくて、涙をこらえきれませんでした。滋賀県東近江市の小集会で聞いた話と、そこでいただいた新聞記事の内容です。まずは記事をお読みください。
 
                 ※  ※  ※

 <<障害の娘2人 負担重く――のしかかる自立支援法>>
 
 紅葉の名所、湖国の古刹(こさつ)で、父娘3人の命が人知れず散った――。4日、滋賀県甲良町で起きた無理心中事件。同県日野町の会社員の父親(43)と、養護学校に通う長女(14)と二女(10)の死因は練炭による一酸化炭素中毒だった。母親は3年前に他界し、父親は在宅支援サービスを利用しながら、1人でまな娘を懸命に育てていた。その生活を追い込んだ一端は、4月に施行された障害者自立支援法。過重な負担が父の背中にのしかかっていた。

 <<甲良の無理心中――父「将来不安」と遺書>>

 「生活が苦しい」「娘の将来が不安」。車内に残された便せん3枚の遺書には、悲観の言葉が並んでいた。自宅からは、消費者金融の督促状が見つかった。

 娘2人は、2003年4月から養護学校に通学していた。同11月、母親が病死。それまでは自宅から通っていたが、平日は養護学校の寄宿舎で過ごすことになった。

 在宅支援は、娘たちが自宅に戻る金曜日の夕方、父が会社
から戻るまでの約2時間利用。ヘルパーが食事の世話をした。娘の夏休みなどの際は、近隣の児童福祉施設に短期入所させていた。

 4月に施行された障害者自立支援法が、じわりと父親を追い込む。

 ヘルパー利用は、本人負担がこれまでの月1000円程度から約6000円に増加。今年8月に受けた短期入所費も、1000円程度だったのが2万円に膨れあがった。「出費が痛い」。役場の職員にこぼしていた。

 父親は5年前から勤めている製造業の工場で、平日の朝9時から午後5時まで働いていた。給料は月に二十数万円ほど。まじめで無口。同僚に家族のことを話すことはなかったという。

 新築の家。周囲には一見、金銭的に不自由のない生活に見えた。しかし、心中する前、会社に数十万円を借りようとして断られ、長崎に住む兄にも金の相談をしていた。

 娘の今後も悩みの種だった。寄宿舎が2年後に廃止されることになり、2人を自宅から通わせるか、障害が重い二女を寄宿舎のある学校に転校させるか、学校に相談していた。

 親子水入らずの時間は週末だけ。「一緒に博物館に行きました。娘もとてもうれしそうでした」。学校との連絡ノートに父の文字が残る。9月末にあった体育祭では、父が手作りのお弁当を食べさせていた。

 父親は毎月1回、仕事帰りに役場の福祉課を訪れた。娘2人の在宅支援サービスの日程を決めるためだった。11月30日も訪れたが、その時、12月1日のサービスをキャンセルした。

 週末明けの月曜日。3人の遺体は、車の中で折り重なって見つかった。

(「中日新聞」 2006年12月6日 社会面)

                  ※  ※  ※

 転記しながら、また泣けてきました。3年間一人でがんばってきた43才のお父さんは、どんな気持ちで車のドアを閉めたのか…。それを思うと、同じ子をもつ親としていたたまらない。

 小集会でこの新聞をくださった方が言いました。「きょう来られない近所の人の代わりにお話します。障害をもつ25歳の息子さんをお持ちの男性です。来る前に1時間以上話してくれました。10月に、息子さんの入所している施設から、3年契約にしてほしいといわれたそうです。その契約をしたらどれだけ大変か。月々の生活費だけで5万3千円。歯磨きや石鹸も自分もちになる。病気になったら通院、入院は自己負担。付き添いは家族がやり、3ヶ月以上の入院なら退所してもらうという契約です。

 男性は、『息子には、新しい服のひとつも買ってやれてない』と、自分を責めて、うつになり、引きこもりになっています。父娘心中の記事の載った新聞をもっていて、『これは将来のワシかも知れん…。施設に子どもを預けている親の3分の2はそう思っている。お金がいるんや、子どもを抱えたら。そんなこと全然考えてないやないか』と言ってました」と。

 聞きながら怒りがこみ上げました。父娘の無理心中、それを知り「将来のワシかも…」と語る別の父親。この事件を知り、この声を聞いた政治家なら、一刻も放置できないはずです。久しぶりに、バッジのない悔しさを味わいました。そして言いました。「そのお父さんにお伝えください。お話しっかり受け止めました。けど死なないでください。どうか日本共産党の議員になんでも相談してください。私でもかまいません。すぐに飛んでいきますから、と」。

 重い障害とたたかう人たちとその家族に、さらに重い経済的負担を課した障害者「自立支援」法。この法律は、明らかに“人間社会の後退”をもたらしました。直接の当時者である、障害者と家族、施設関係者だけでなく、すべての人が、「自分たちの社会がこんなことでいいのか!?」「世界第二の経済力をもつ国でこんな事態を許していいのか!?」と受け止めるべき問題だと思います。あったかい人間の連帯の力で、社会の後退を押し戻すために、私にできることはすべてやりぬきたいと思います。

 そして来年の選挙、どんなことがあっても負けられません。

ぜひ、ご意見・ご感想をお寄せください
 
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