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えっ!お産を「地域限定」に? 大和高田市立病院を訪ねました

2006年06月09日

 びっくりしました。お産を「地域限定」にした病院があるんですね。奈良県の大和高田市立病院。午前中、同病院を訪ね、内海敏行事務局長からお話をうかがいました。

photo 同病院は、産科の分娩の予約を、6月7日以降、大和高田市と葛城広域圏管区(御所市、香芝市、葛城市、広陵町)の住民、大和高田市の親元への里帰り出産する人に限定しました。内海事務局長によると、昨年度は900人余の出産でしたが、今年度は4月に約90人、5月は100人超と、昨年を上回るペースで、このままいくと年間1100〜1200人にもなる見込みとのこと。医師不足などから周りの民間病院が相次いで産科を休診したため、出産予定者が同病院に集まってきているそうです。同病院の産科医は3人体制ですでにパンク状態。医師増員もままならず、医療の安全と市民病院の立場を考慮して、やむなく「お産の地域限定」に踏み切りました。

 産科医の不足で、「出産できる病院がない」という地域が全国各地で生まれていることを知ってはいましたが、事態はとても深刻です。新基準でいくと昨年度の出産者のうち3割、約300人は同病院で産めなくなります。今年度から産科を休診した周辺の病院のことを考えると影響はもっと大きいでしょう。その人たちはいったいどこでお産をすればいいのか!?出生率が1.25にまで低下し(奈良県は1.12で東京都に次いで全国ワースト2位)、少子化が大きな社会問題となるなかで、安心してお産できる病院が地域にないという事態は、社会全体で緊急に解決しなければならない問題です。

 ではどうすれば産科医を増やすことができるのか。逆に考えると、なぜ産科医が増えないのか。内海事務局長は、「産科医に対する世間の目」の影響を指摘します。

 一昨年12月に起こった福島県立大野病院での帝王切開手術中の大量出血に関して、手術の執刀医である産婦人科の医師が逮捕・起訴されました。手術中の死亡という大変不幸な事件であり、亡くなられた女性とご遺族には心よりお悔やみを申し上げたいと思います。同時に、産科医不足と、その結果として少人数の医師が献身的・自己犠牲的に、出産というリスクの高い医療行為を行わざるを得ないという背景のなかで起こった事件について、執刀医一人のみの刑事責任を問うことに批判が起こっています。

 医師でもある日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は、「こうしたことがまかり通るなら、苦しい環境の中で、リスクの高い出産に従事しようとする医師はいなくなってしまう」と指摘し、諸外国では、医療事故に関して、刑事責任追及の前に第三者機関で原因究明にあたる仕組みができており、日本でも、医療事故は第三者によって死因の特定など事実解明を行い、それを通じて医師の診療行為に問題があった場合に責任追及を行う仕組みにするべきではないか、と国会で問題提起しています(3月22日、参院厚生労働委員会)。

 そのことを紹介すると、内海事務局長は大きくうなづき「そのとおり」とのことでした。産科医の増員のために、安心して出産できる地域と社会をつくるために、診療報酬上の配慮などとともに、この問題提起はかなり重要な位置を占めると認識をあらたにしました。

 きょうの懇談には、中野あけみ参院奈良選挙区予定候補、今井光子奈良県議、太田敦、沢田洋子両大和高田市議が同行してくれました。

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