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「コミュニケーションは基本的人権」「障害があっても働きたい」 兵庫で障害者団体と懇談

2006年03月20日

 兵庫県で障害者団体を訪問しました。いよいよ4月1日から障害者自立支援法が実施されます。自立支援法は、その名と違い、“障害が重い人ほど負担が重くなる”「応益負担」を導入するなど、社会保障の理念に反する内容となっています。昨年の法案審議では、障害者・家族の反対運動が空前の規模で全国に広がりました。私も大阪城野外音楽堂での3千人を越える集会に参加し連帯のあいさつをさせていただきました。自民・公明が日本共産党などの反対を押し切って可決・成立させましたが、「これまでどおりサービスを受けられるのか」「定率1割の利用料はとても払えない」など、障害者と家族のなかに不安が広がっています。

 きょうは、日本共産党が2月に発表した「障害者自立支援法実施にむけての緊急要求――2006年4月までに、これだけは解決を」をもって、兵庫県聴覚障害者協会、兵庫障害者連絡協議会、いかり共同作業所を訪問、現段階での要求を聞かせていただきました。堀内てるふみ参院兵庫選挙区予定候補、大沢たつみ前参院議員、浜本党国会議員団兵庫県事務所長が同行してくれました。

photo 兵庫県聴覚障害者協会では若き事務局長の嶋本恭規さんが手話通訳を介して応対してくれました。嶋本さんは、一番大きい問題はコミュニケーション支援(手話通訳などの派遣)だといいます。私は、聴覚障害者の方が手話通訳を利用されるのはどんな場合か、どこに頼むのか、初歩的な質問。嶋本さんは、病院では手話通訳がないと症状を正確に伝えられず、あいまいなやりとりで出された薬を飲まなければならなくなること、普通校に通う子どもの保護者懇談やPTA会合、地域の町会の集まり、会社の会議や研修なども手話通訳がないと参加できないことを教えてくれました。

 手話通訳の派遣は、現在、都道府県や市町村の事業として行われており、神戸市の場合、市の窓口にお願いして派遣してもらうそうです。費用は市の予算から通訳に支払われるので、障害者の負担はありませんでした。自立支援法では、手話通訳派遣は、市町村が実施する「地域生活支援事業」の「基本事業」として位置づけられます。すべての市町村で手話通訳派遣が必須になる一方、市町村ごとに事業内容に格差が生じたり、「有料」になる場合もあるといいます。

 嶋本さんは、人間として人とのコミュニケーションは基本的人権であり、コミュニケーション支援における「応益負担」はなんとしても食い止めたい、と力を込めます。私が、党の緊急要求にも「国は予算を大幅に増やし、市町村に対して十分な財政支援を行うべき」とあることを紹介すると、大きくうなづいて「ぜひお願いします」とのことでした。力を合わせてがんばりましょう。

photo 兵庫障害者連絡協議会では、高度障害者教育や心臓病の子どもを守る会など様々な分野の方が集まってくれました。やはり一番の問題は「応益負担」の導入。「育成医療」にあたる子どもの心臓病の手術も、これまでの月1万円程度の応能負担が、月4万2600円に跳ね上がります。施設経営に対する打撃も大きい。知的通所施設では、現在一人月16万円の支援費単価が10万円にガクッと減る場合もあるといいます。そうなれば職員の配置を減らすなどサービスを低下せざるをえません。「1割負担」で利用者が減ればさらなる打撃となります。

photo いかり共同作業所では、光岡留美子所長はじめスタッフの皆さん、親や支援者の方が集まってくれました。障害をもつ子(30代)のお母さんは、「なんにもないところから3人5人の親が集まってスタートし、20年間がんばって積み重ねてきたんです。これまでも制度がくるくる変わって振り回されてきたが、こんどは最悪です。働きに行くのになんでお金出さないかんのか?いったい誰が考えたのか信じられない!」と怒りをぶつけます。所得保障なしの負担増で、作業所に来れなくなる人が出るのではないか、報酬単価が下がり、作業所の運営ができなくなるのではないかが心配だといいます。そして、人格を尊重するいかり作業所を続けてほしい…と。
 
 お話を聞きながら、まさに稀にみる悪法だと痛感しました。光岡所長は、「障害があっても働きたい、養護学校を出ても行くところがない状況を変えたいと、たくさんの障害者と家族ががんばり、社会もその方向で進んできた。その流れに逆行します」といいます。

 ではどうしたらいいか?悪法を抜本的に改めさせる大きな展望を持ちつつ、当面の緊急課題としては、各自治体における独自支援をつよめることです。すでに、横浜市や京都市、京都府や東京都などでは、障害者の自己負担を全額、あるいは半額助成するなどの支援策を決めています。これは大きい。こうした経験を全国の自治体に拡げることが大事です。意見交換では、「障害者の問題はまだまだ関心をもたれていない」「もっと障害者の実態、自立支援法でどうなるかを知らせよう」「みのもんたさんが『朝ズバ!』で毎日パラリンピックのことを取り上げている。この問題も取り上げてもらおう」など、前向きの議論となりました。私も、私にできることを実行したいと思います。日本共産党へのご注文も含め、貴重なご意見ありがとうございました。


◆きょうのおまけ 「金(きん)プラ」の「ハイライ」◆

photo 堀内さんおすすめの老舗洋食屋「金プラ」の「ハイライ」こと「ハイシライス」。なんともいえない甘みと酸味に「大盛り」(850円)もぺろり。「金プラ」の店名の由来を尋ねると、洋食が禁止された戦時中に出したメニューに、卵の黄身を衣にして揚げた海老の天ぷらがあったとおかみさん。その黄金色の海老天が評判になって「金プラ」と呼ばれるようになったそうです。深い歴史があったんですね。ちなみにハイシライスは3週間も煮込むとのこと。職人のこだわりと長年それを支持する神戸の人びとに脱帽です。

 

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