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和歌山へ。高野山から「めっけもん広場」まで訪ねました

2005年03月15日

 3月15日。朝から和歌山へ。南海電車、ケーブルカーと乗り継いで高野山に上がりました。海抜800メートルを超える、真言密教の聖地、高野山にはまだ雪が残っていました。

photo 高野町の後藤太栄町長と懇談。住民投票も踏まえて、隣町との合併ではなく、自立の道を選んだ高野町。町長は「一時のことで合併を考えてはならない。町の歴史、今後について町民に情報を提供することが必要です」といいます。「国の方針に逆らって独立しても…」という人には「国の方針って何ですか?コロコロ変わってきている。理念が見えない。ただ財政が大変というだけ」と反論したそうです。昨年就任したばかりの若い町長からは、自立への強い信念が伝わってきました。

 町長は「私は町職員に謝らなくてはならない」とも。じつは、長野県から招いた助役の進言で「町政改革アンケート」を職員に出してもらおうとなったとき、町長は職員のなかにどれほど問題意識があるのか心配したそうです。ところが職員全員がビッシリ書いてくれたのです。町長は「うちの職員には問題意識も、アイデアも、やる気もある。住民といっしょに200人の職員が知恵を出したら自立への改革は必ずうまくいく」ときっぱり。

 これは大事な観点です。全国各地の、自立した自治体づくり、地域経済の活性化で前進している市町村は、どこでも住民と職員の英知を結集していることが共通しています(ぜひ「リストラ反対、雇用と地域経済を守る全国交流集会」での私の問題提起をご参照ください)。その流れが着実に広がっていることにうれしくなりました。

photo 懇談には、衆院和歌山2区予定候補の下村党紀北地区委員長も同行してくれました。町長のお勧めもあり、樹齢数百年の杉の古木に囲まれた奥の院を散策して高野山をあとにしました。

 きついカーブの連続する坂道を下り、午後はかつらぎ町へ。周辺の山肌には果樹園が広がっています。ここはパイナップルとバナナ以外は何でもできる「フルーツの里」。とくに柿の産地として有名で、大阪にもたくさん出荷されています。山本しげ章町長と懇談しました。

photo ここでも周辺町村との合併話があったのですが、町長みずから町内23の自治区を回って住民の意見を聞いたそうです。「合併しても将来が見えてこん」などの意見が出され自立の道を選びました。4月からは自立した町づくりに向けた懇談会を、各地域でおこないます。町長は「昨年の三位一体改革では、これほどカットされるのかと思った。新しい学校の建設は断念しました。交付税をある程度充実してもらうことは絶対に必要です」といいます。

 国の財政危機を、ただ地方にしわ寄せするだけのやり方が、自治体と住民にどういう事態を招いているか、政府は真剣に検証すべきです。そして上からの市町村合併の押し付けや、三位一体改革と称する国から地方への財政支出カットはただちにやめるべきです。

photo 打田町で、富澤、石井両町議と合流し、密造軽油が大量に漏れ出して田んぼやため池など周辺環境を汚染した現場を調査。昨年暮れに2箇所でこうした事件が起こり、町職員は総出で油の回収作業に当ったといいます。担当職員の方から「罰金30万円ではやり徳。ぜひ罰則の強化を」と国への要望をいただきましたが一理あります。おそらく密造販売の組織、ルートがあるはずです。国民の安全、環境保護などの観点から国の対応をつよめることが求められています。

photo 最後に、JA紀の里の石橋芳春組合長と懇談。産直センター「めっけもん広場」について話をうかがいました。年間19億円もの販売額で全国的にも注目される「めっけもん広場」。組合長は「ここは果物も花も年中できる。その利点を生かして始めました」といいます。1600人もの出荷登録者が入れ替わりながら、常時地元の農産物を棚に並べ、消費者に提供しているそうです。

 「安全なものを届けらよ。自分らが食べるものを届けらよ」と、何回もルールを話し合い、農薬使用を記録する栽培防除日誌など、努力を重ねてきました。その結果、来客者の半数以上は大阪からの消費者となっています。「安全」「安心」「新鮮」は消費者の信頼を得るキーワードです。

 組合長は「なによりの収穫は年寄りがものすごく元気になったこと」とも。早い人で朝5時ごろから出荷するその姿は、背筋がしゃんと伸びて、まるで飛ぶようにして商品を棚に陳列するそうです。「みんな立派な農業の担い手。規模拡大ばかりいう農水省の『担い手づくり』は絶対にできない。後継者というのは若い人だけと違う。60歳定年で帰ってきて農業する、それが貴重な後継者なんよ。それの繰り返しと違うかなー」。なるほど、日本農業と社会の実態に根ざしたとても説得力のある意見です。

 毎年開く「出荷者大会」では農家の皆さんによる「めっけもん劇団」が、産直運動の意義と課題について楽しく演ずるといいます。それが生産者の教育の場になるそうです。「上手ではないけども帝国劇場より理念は高い」という組合長。その高い志とリーダーシップに感激しました。

photo(写真は「めっけもん広場」の店内。夕方5時に残った農産物は片付けられます)

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