西淀川での話その2です。ある地域を自転車をこいで訪問・対話しました。
古い平屋に住む老夫婦。詩吟が趣味の夫は73歳。「ほれこのとおり毎日の生活にもことかく状況ですわ」。そこへガラリと戸を開けご近所の婦人が。手には折り込みチラシの入った段ボール箱。「これだけお願いねえ」。部屋の奥から妻が「はーい」。妻の手はその間も動いている。夫は「わしも手伝うてまんねん。1枚入れて10銭ですわ。でもこれせな食べていかれへん」
長屋の端屋を利用した町工場。使い込んだ工具に囲まれたほそながい空間からでてきた男性は72歳。日曜なのに仕事ですかとたずねると「あそんでてもしょーないから」と微笑む。「まわりの鉄工所もようけつぶれた。いまは材料の仕入先にも困る」「日本の国はどうなってしまったんかなあ」
玄関を開けると部屋の奥にあるミシンが目に飛び込む。年配の女性は自宅で婦人服の仕立ての仕事をしている。「いいお客さんが減りました。みんな年をとってあまり洋服を作らなくなった」。おだやかな表情で語る。「ベトナムあたりで作らせた服が安い値段で売られてる。でも糸が絹でなく木綿。そんな服の直しをたのまれたら困るんです」
町なかの紳士服店。ご主人はここでもう40年以上店を開いている。陳列されたセンスのいいブルゾンが目利きの確かさを物語る。けど客はめっきり減ったという。「心斎橋でも有名店がなくなってしまいました」。大型専門店の安売りと高級品志向の狭間で小さな店の品揃えが難しくなった。大型店出店の規制緩和を厳しく批判してきた国会の話に真剣に耳を傾けてくれた。
まじめに働き、まじめに生きる人々に、希望と勇気のわいてくる政治を――また国政に戻るエネルギーを蓄えさせていただきました。
今日は、講義準備の後、夜、西成区の革新懇主催の「憲法学習会」で講演。70人が参加してくれ、熱心な討論も行われました。青年が自分たちで企画を進めていることに感動。2月15日夜、大正区コミュニティーセンターで、きくちゆみさんを招いた講演会を開くといいいます。がんばれ!みなさんもぜひご参加を。