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「土地区画整理事業」の矛盾は深い

2005年02月06日

 先月、赤穂を訪ねたときに「土地区画整理事業」の矛盾を感じたことは報告しましたが、おなじような話が東淀川区にもあるということで、さっそく状況をうかがいに現地に足を運びました。豊里、大桐あたりの「東淀川東部第1地区土地区画整理事業」(大阪市が施行者)です。

photo 「清算金を考える会」のまとめ役のTさんによると、この地区の事業は25年前にスタートしたとのこと。Tさんは「土地区画整理事業の1番の問題は、小土地所有者の権利が守られないこと」といいます。

 それがはっきりした形で現れるのが「減歩(げんぶ)」と「清算金」です。土地区画整理事業は、簡単にいうと土地のうえの権利関係をいっせいに整理すること。「前に持っていたあなたの土地をこっちと取り替えます」ということで、土地の「取り替えっこ」(換地処分)をその区域でいっせいに行います。

 その際、前から持っていた土地を減らされます。それが減歩です。それで道路や公園など「公共用地」を生み出します。しかし、土地を減らされた分の補償はありません。なぜそんなことが許されるのかというと、「区画整理事業によって、その区域の土地が便利になったので地価が高くなる。だから面積は減っても損はさせてない」という理屈です。

 この理屈には大きな疑問があります。だいたい「売ったらナンボになるはずやから損してないやろ」というのは不動産屋には通じても、そこに住み続ける「住民」にまで通じるのか。「売る」ためではなく「住む」ための土地所有なのですから。

 当然、減歩をする余裕のない小さな宅地もあります。こうした小土地所有者には、減歩の代わりに清算金が課せられます。「みんなは○割の土地を減らしたんだから、減らさない(あるいは減らし方の足らない)あなたにはそれに見合う清算金を払ってもらいます」というわけです。

 これで、25年も経ってから、多い人で800万円もの清算金が課せられたといいます。「そんな多額のお金はよう払わん」との悲鳴がいっせいに噴出しました。そこで住民の皆さんが「清算金を考える会」を立ち上げたのです。

 Tさんの話をきくと、清算金は4種類ほどに分けられると思います。@標準の減歩率(東淀川東部第1地区の場合は当初20%の計画を運動して14%に下げさせました)に足らない分の清算、A土地の価値が上昇したとされる分の清算、B過去の登記が実測値と違っていた場合の清算(昔は土地を小さめに登記することもあったといいます)、C換地で余った土地をくっつけられた部分の清算(三角形や細長い土地など使いようがありません)です。

 清算金は払う人ばかりではありません。もらう人もいます。ではその人たちは喜んでいるかというとそうではないのです。先ほど述べたように、減歩というのは補償がありません。清算金をもらう人も、減らされた土地のすべてを補償してもらうわけではないのです。標準減歩率を超えて減歩した分だけが清算金としてもらえるのです。「先祖代々の土地をあれだけ減歩したのにたったこれだけ?」との不満が出るのも無理はありません。

 住宅の建て替えにも資金が必要です。移転補償はもとの住宅を建て替えるのに必要な額しか出ません。大方はせっかく建て替えるのだからと、新たなローンを組んで、2階建て、3階建てにするなどします。Tさんは「みんなキチキチの生活をしている」といいます。そこに突然多額の清算金がのしかかるのです。高齢者だけでなく比較的若い人でも払えない事態が生まれます。

 赤穂の場合もそうでしたが、いったい何のためにやる事業なのか。たしかに行政は、都市計画を用地買収なしにすすめられるし、区画整理後は固定資産税が大幅にひきあがり税収も増えるので儲かるでしょう。また田畑ばかりの地区なら矛盾も小さいのかもしれません。しかし、住宅がひしめくように建ち並び、たくさんの人々が長年にわたって生活している都市部において、はたして「土地区画整理事業」はなじむ制度なのか。真剣に検討することが必要ではないかと思います。

 ますます研究しがいのある問題だとの認識を持ちました。HPをごらんの皆さん、ぜひとも情報をお寄せください。

 午後は西淀川区へ。北山良三大阪市議とともに街頭宣伝。その後、「しんぶん赤旗」のご購読のお勧め。ここでもドラマがたくさんありましたがそれはまた後日報告します。 

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