2004年11月07日
11月4日、「クラボウ人権裁判の解決をめざす夕べ」に参加しました。クラボウは、意欲も能力もある労働者(伊藤建夫さん、宮崎周吉さん)にたいし、日本共産党員であることのみを理由に、30年にわたって、研究の仕事を奪い、他の労働者と隔離するなど人権侵害をし、昇格・昇給・賃金を差別してきました。裁判では一審で”思想差別は許されない”との判断が下されましたが当然です。 私の好きな言葉に「真理は必ず勝利する」という言葉があります。しかしこの言葉は、真理がひとりでに人々の心をとらえる、労働者、裁判官の心をとらえるということを意味するものではありません。伊藤さん、宮崎さんが不屈にたたかってこられたからこその勝利です。 職場の労働者はまっすぐにたたかうものを見捨てたりはしません。伊藤さんの「隔離部屋」に、匿名で激励の手紙がそっと投げ入れられたこともあったそうです。こんな人権侵害を許していたら、職場で自由にものが言えない、のびのびと働くことができない――こころある労働者はそのことを感じ取っていたのでしょう。 こうした職場の粘り強いたたかいのひとつひとつが、歴史を前に進める原動力なのだと改めて教えられました。いま高裁は和解を勧告していますが、速やかな解決に向けて応援したいと思います。 同時に、日本共産党は、大企業をつぶしたり、敵視する立場に立っているのではない、ということも多くの人々に伝えなければなりません。世界ではとても通用しない職場での人権侵害や身勝手なリストラ・首切りに歯止めをかけることは、働くものの意欲を高め、企業の長期的な利益にもかなう道だと思います。「せめてヨーロッパ並みの働くルールの確立を」――これは、労働者・国民と大企業とが”共存共栄”する立場です。