裏金29議員に道義的責任 「勧告が当然」
参議院政治倫理審査会 2025.6.4
![]() (写真)審査した29人に政治的道義的責任があると全会一致で認めた参院政治倫理審査会=4日、国会内 |
参院政治倫理審査会は4日、自民党裏金事件をめぐり審査した議員29人について「政治的道義的に責任がある」と全会一致で認め、報告書を作成することを決めました。参院政倫審規程に基づき「行動規範等の順守の勧告」をすることは自民党が同意せず、見送られました。
各党が意見表明し、日本共産党の山下芳生議員は、裏金事件が政治資金規正法の目的である「民主政治の健全な発展」を破壊するものであり、その政治的道義的責任は極めて重いと強調。質疑でほぼ全員が裏金づくりに知らぬ存ぜぬで済まそうとした態度は国会議員としてあまりに無責任だと批判し、「全員に勧告を行うことが当然だ」と主張しました。
また山下氏は、組織的犯罪という深刻な事件であることから、自民党から真相解明を求められたかと質問したが、「求められた」と答えた者が一人もおらず、自民党全体が裏金事件の真相解明に背を向け、幕引きを図ろうとしていることが明らかになったと強調。自民党自ら真剣に反省して真相解明を行い、再発防止のため政治資金パーティー収入の原資でもある企業・団体献金の全面禁止に踏み出すべきだとし、「それができないのなら民主政治を担う資格が問われる」と厳しく指摘しました。
自民党の佐藤正久議員は、29人が行った弁明について「疑念を払拭できるまでに至っていない点で不十分だ」と指摘。一方、勧告については「慎重であるべきだ」と主張しました。