○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
二〇二二年八月五日の、清和会の世耕氏を含む幹部四人と松本淳一郎事務局長が還付金の維持あるいは復活について協議した会合についてお聞きいたします。
二〇二四年六月十八日、松本淳一郎氏が裁判の公判で、一度中止する方針となったものの、二〇二二年八月の幹部協議で継続が決まったと証言した際に、世耕参考人は取材に対し、還付の復活が決まったことはないと語られました。
それから、二〇二五年、今年二月二十七日、松本淳一郎氏が今度は衆議院の予算委員会で参考人質疑に応じられ、二〇二二年八月の幹部会で還付復活についてやむを得ないという結論に至ったと証言された際、世耕参考人は取材に対し、八月五日の会合で現金による還付が決まった認識はなく云々と語られております。
半年間で還付の復活が決まったことはないという証言から、現金による還付が決まったことはないという証言に変わった理由は何ですか。
○参考人(世耕弘成君) 私は、その点については何ら認識は変わっていません。
現金による還付は駄目だ、これは八月五日の幹部会でコンセンサスができ上がったというふうに思っております。ただし、オーバーして売ってしまっている議員が活動資金としてですね、これをもう既に年間の活動計画の中に織り込んでいる点もあるので、何らかの資金的対応が必要だろうと。現金による還付は駄目だけれども、例えば、各議員が個別に開催をする政治資金パーティーの券を派閥が購入する等の形で対応が、してはいいのではないかという方向が共有された。これは、私、この事案が起こってから、特に八月五日の会合の件について、いろんな指摘が出てから、私はこの点の認識は一切ぶれておりません。
○山下芳生君 そうしますと、現金であれ別の形であれ、二〇二二年八月五日の幹部協議で還付の復活が決まったということは紛れもない事実ではありませんか。
○参考人(世耕弘成君) これは言葉の定義論になりますけれども、いわゆるそれぞれの議員のパーティー券を政治団体としての派閥が購入するというのは、これは別に私は還付ということには当たらないと思います。先ほども付け替えというような言葉も出ていましたけれども、これはあくまでも政治団体間の資金のやり取り、特にパーティーという事業に対する派閥という政治団体がチケットを購入するという行為、それに尽きるというふうに思っていまして、これは還付には、還付という言葉は当たらないのではないかと思っております。
○山下芳生君 還付という言葉には当たらないかもしれませんが、還流という言葉には当たるような私は気がしますね。ええ、オーバーして、ノルマ以上にね、パーティー券を販売した。その額についてどうしようかと、現金で返すのはちょっとどうかなという思いが世耕さんにはあったんでしょう。しかし、いろんな形で還流すると、返すということについては議論されて、それで大体結論が出たということではないかと思うんですね。
したがって、その世耕さん、下村さん、西村さんは、二〇二二年八月五日の会合で結論は出なかったとおっしゃっていますけれども、形はどうあれ、還付あるいは還流を継続あるいは復活する結論は出ていたんじゃありませんか。
○参考人(世耕弘成君) 私は、この八月五日のミーティングというのは、ともかく現金による還付は駄目だという認識が共有され、だけど何らかの資金的対応は各議員の政治活動のためにも必要だということになり、そしてパーティー券を、それぞれの議員が開催するパーティー券を派閥が購入するというのが一番適切ではないかという意見が出て、その方向で終わった。
で、これは、ここを私は大変後悔しているのは、このとききちっと、これが結論ですねというのを四人あるいは事務局長も入れた五人でしっかり確認をしておくべきだった。少なくとも議員への連絡は書面でやりましょうということをやっておけば、こういう行き違いは起こらなかったと思っております。
何よりも私は、先ほどから何度も申し上げている八月九日のメッセージアプリでの事務局長とのやり取りなんです。これ、現金による還付が決まっていればこんなやり取りは発生するわけがないわけでありまして、その点を御理解いただきたいし、それで私は胸を張るつもりではなくて、八月五日しっかり決めて、そして八月九日以降フォローをしておけばよかったと深く反省をしているわけでございます。
○山下芳生君 二〇二二年八月の幹部会合について、松本淳一郎氏は、今年二月二十七日の衆議院予算委員会参考人質疑で、還付再開の方向性を決める会議で反対する声は上がらず、意見の対立はなかったとも証言されています。
世耕参考人は、この会合で還付再開に反対はしなかったんですか。
○参考人(世耕弘成君) 私は、現金による還付は駄目だということは、これ、はっきり申し上げた記憶があります。で、それに対して何らかの資金的対応は要るじゃないかという意見が出てきて、じゃ、でも、だけど、現金による還付はもう安倍会長がやめろと御生前おっしゃっていたんだから、それは絶対駄目だよねという議論が行われたことは、明確に私は申し上げられるというふうに思っております。
○山下芳生君 そうしますと、私の、今、世耕さんのおっしゃることを聞いていますと、松本淳一郎さんが、先ほど証言がこういうふうにあったというふうに述べましたけれども、それはですよ、世耕さんの意見も還付再開に反対する声ではなくて、還付再開の方向性については、やはり意見の対立もなかったというふうにやはり認識されるような世耕さんの発言だったんではないかと思うんですね。
で、もう一回聞きますけども、世耕さんは、現金による還付は駄目だとおっしゃったそうですが、まあそれは世耕さんがおっしゃったのか、今、先ほどの証言ではほかの方が言ったというニュアンスのことも言われました。そういう意見に対して、いや、反対だと、やっぱり現金がいいんじゃないか、異論がある、やっぱり現金の方がいいんじゃないかという意見は出ませんでしたか。
○参考人(世耕弘成君) あの、私も記憶の限り思い出してお話をしていますが、現金還付は逆に駄目だというのがこのときのコンセンサスだったと思っています。現金還付を、これをやり切ろうという、主張した方はいなかったと思います。
ただ、先ほど山下議員はまた現金還付と還付を分けられていますが、還付ではなくてパーティー券を購入する形で各議員の資金的サポート、対応をするということも逆にコンセンサスはできた、現金還付は駄目だけど何らかの資金的手当ては必要だということになった、それは各議員が開催するパーティー券を買うというのが一番やり方としては適切ではないかというところで終わってしまっている。
で、私自身は、先ほども申し上げたように、安倍総理の御指示がある以上、パーティー券購入であっても受け取るべきではないと思ったので、私自身は対応不要という返事を事務局長に送らせていただいているところであります。
○山下芳生君 まあ全体の恐らく、今、世耕さんの御発言も聞いていますと、現金は駄目だというのは大体コンセンサスになったということですが、実際は現金による還付が続いたわけですよね。ということは、その会合で明確に現金による還付は駄目だではなくて、還付再開あるいは還付復活の方向性が合意されたということだったんじゃないですか。
○参考人(世耕弘成君) 済みません、何度も同じ答えになってしまうんですが、現金での還付は逆に駄目だということがこの八月五日の会合のコンセンサスだったと思っています。その代わりに、だけど何らかの資金対応が必要で、それは各議員のパーティー券購入がいいのではないか、でないかというところで終わってしまったことに関して反省しています。事務局長もその辺が混乱してしまったんだと思います。このとき明確にこれが結論だねという確認、あるいは議員に対する連絡をしっかり書面で行う等の丁寧な対応をしていれば、こういう行き違いで混乱が起きることもなかったんではないか、この点は私の非常に深く反省をしているところでございます。
○山下芳生君 世耕さんがそういう認識をされていたというのは、恐らくそうでしょう。しかし、それが全体の認識だったのかどうかというのは、世耕さんのお話だけでは証明したことにはなりません。で、結果はそうならなかったということは事実でありますので、恐らく全体として還付再開のコンセンサスということにとどまってしまった、まあ、とどまってしまったというか、とどめたということで再開されたということも大いにあり得るということではないかと思います。
以上です。終わります。