日本共産党の宮本岳志参議院議員の国会質問がNHKテレビで生中継されました(2/5)。
小泉首相相手に気迫の論戦でした。テーマはイラク戦争と自衛隊派兵問題。よく知られているとおり、小泉首相は昨年、米英がイラクに対する戦争をはじめたとき、真っ先に「支持」を表明しました。その最大の理由が「イラクは大量破壊兵器を保有しているから」というものでした。ところが、先日、大量破壊兵器問題を調べるためにイラクで半年間活動したアメリカの調査団の責任者(デビッド・ケイ氏)が「イラクにはもともと大量破壊兵器はなかった」と証言したのです。宮本議員は、この証言を取り上げ、「首相がイラクは大量破壊兵器を保有していると断定した根拠は何か」と核心に迫りました。
小泉首相は「イラクは過去に大量破壊兵器を使用した。その後放棄したことを証明していない。だから持っていると判断しても不思議ではない」としか答えられませんでした。すかさず宮本議員に「それは可能性を示す根拠にはなっても、保有していると断定する根拠にはならないではないか」と詰め寄られると、首相は「見解の相違だ」と開き直ってしまいました。
冗談ではありません。あの戦争のために、イラクでは何の罪もない子どもや女性など市民が1万人以上も殺されたのです。その戦争の最大の「大義」がおおもとから崩れてしまったのです。アメリカでも、イギリスでも、なぜ「イラクは大量破壊兵器を保有している」と判断してしまったのか、再検証する機関を設置することになりました。宮本議員は「開き直っているのは世界中であなたひとりだ」と厳しく批判しましたが、まったくそのとおりです。
アメリカの戦争なら根拠もなく「支持」してしまう、根拠が崩れても誤りを認めず居直る。あまりにひどいアメリカ言いなりと無責任な政治の実態が浮き彫りになった質問でした。
直後、30年にわたり衆議院議員をつとめた大先輩の寺前巌さんから私に電話がありました。「オイ、宮本君の質問みたか。家で寝とったんやけど目が覚めた。いまの中心問題を堂々とやってくれた。エエ質問やった。大阪はあれで燃えなアカンで」と興奮気味でした。私はうれしくなり、友人でもある宮本議員にすぐ伝えました。
政府はすでに陸上自衛隊をサマワに送りましたが、なし崩し的に追認することは出来ません。「大義なき戦争への、大義なき派兵」はいまからでも中止すべきです。