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 シスターのマリア・コラレスさんと対談

 憲法9条は人類の宝ですね

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 日本共産党の山下よしき元参院議員が、大阪市西成区の通称・釜ヶ崎で野宿者支援活動の傍ら、「憲法は世界の宝」と各地で語っている修道女のマレア・コラレスさんを訪問。憲法問題、阪神淡路大震災の時のそれぞれの活動など語り合いました(この対談は、「大阪民主新報」2006年10月22日付に掲載されたものです)。

photoマリア 日本の憲法はアメリカに押し付けられたものだという人がいるでしょう。しかし日本の国民はみんなそれを喜んで受け入れ、そして60年間守ってきた。この憲法は日本国民の総意なんですね。それよりも今、この憲法を変えようとしていることこそがアメリカの押し付けだと私は思います。

山下 ほんとですね。だけど、憲法を変えようとしている人たちは、それがアメリカの要求だとは絶対言わない。アメリカと一緒に海外で戦争するための改憲だって分かってしまいますからね。

 日本国憲法は戦争によって日本とアジアの無数の犠牲を生み出したことへの反省から生まれたものです。安倍新総理はそれを5年以内に変えると言っていますが、それはつまり自分の任期中にやるということ。歴代総理でそんなことを言ったのは彼が初めてなんですね。

 侵略した国の3つの謝り方


マリア 侵略戦争をした、国の謝り方には3つの条件があります。一つは自分たちの行いを謝罪すること。二つ目は被害者に十分な補償をすること。三つ目は二度と過ちを繰り返さないと約束することです。憲法9条は、そのうちのうちの一つの謝り方で、とても重要なものです。それを今、放棄しようとしている。

 最近、疑問に思うのは、北朝鮮が核実験をしたという。絶対許されないことだけれど、アメリカや他の国も核兵器をたくさん持っていて何度も核実験をしています。核兵器を持っていい国と悪い国があること自体がおかしな話です。世界の国々がみんな核兵器を持つことをやめるペきです。


山下 日本共産党の志位委員長が先日、パキスタンに国賓として招かれて行った際、世界から核兵器を全部なくすという立場にパキスタンも立ってほしいと提起すると、アジズ首相もその通りだと言った。核保有国のパキスダンがそういう態度をとれば、非常に大きなプレッシャーになるでしょう。被爆国である日本の役割はとても大きいと思います。

マリア 紛争の解決は武力でしないと決めている憲法を持つことで、日本は世界に貢献しているんですね。憲法9条は日本だけのものじゃない。世界の宝物です。

山下 まさに人類の宝物ですね。

マリア そうです。人類の宝物です。

山下 九条の会呼び掛け人の井上ひさしさんも『子どもにつたえる日本国憲法』という絵本の中で、“武力とか戦争だとかよりも言葉の力を信じる”“お互いに意見が違っていても言葉の力で筋道たどってしずめることができる。それが人類なんだ”と。これはすごく深い考えだと思います。

マリア 言葉は何を考えているかを表す手段ですからね。

 もし日本が戦争する国になったら、最高の価値は戦争に勝つことになり、そのために命を捧げる人が偉い人になる。そうではなくて最高の価値は命なのです。生きながらえるだけではなく豊かに生きること。豊かな命が最高の価値なんです。靖国神社で英霊とか言って、国のために命を捧げて初めて「死」に価値が出てくることは大間違いです。


山下 人の命を奪うために自分の命を捧げることが最高の価値というのは逆転していますよね。

マリア それを教育で植え付けようとしている。

山下 命より大事なものがあるみたいなゆがんだ風潮を許さないためには、日常生活の中で私たち一人ひとりが命の大事さを考えることが必要ですね。

マリア 1995年1月17日の阪神淡路大震災のあくる日、私は何をしたらいいか分からなくて献血に行きました。驚いたのはものすごく人がいたんです。若者がいっぱい。その後、大阪から神戸に移って3ヵ月過ごしたんですが、そこにも、じっとしていられなくてと若い人がたくさん来ました。日本もそういうことがあればみんな動くということが分かり、希望が持てました。

photo山下 あの時は本当に若者たちがエネルギーを発揮してくれましたよね。

マリア 人々は、まるで壁が倒れてお互いに顔が見えたような感じでした。だけど行政の壁はなかなか壊れなかった。

山下 行政と国の壁は本当にぷ厚かつたですね。
 僕は震災直後、国会議員になったんですが、被災者の声を届けようと思って国会で何回質問しても、“自分で頑張れ”という答えしか返ってこず、議員バッヂを付けても何の役にも立ってないのかと無力感を味わったこともありました。だけど政府がやらないのなら法律を作ろうと、被災者の方々と一緒に運動し、他党の議員にも声を掛けて被災者生活再建支援法案を一緒に作ったんですね。そんなことができるようになってから、被災地にもまた行けるようになった。僕は阪神大震災は日本の社会にとってすごく大きなインパクトを与えたと思います。マリアさんがおっしゃったようにみんなが親切になってお互いが助け合うようになったし、国会議員と市民が連帯するようにもなった。日本政府も何もしないわけにはいかなくなり、少ないながらも全半壊世帯には支援金を出す制度ができた。

 同時に震災で日本の政治の歪みも見えてきました。震災で住宅を失った人がたくさんいたのに、政府が復興支援ということでやったのは、港や高速道路を直し、新しい空港を造ること。一番肝心な人々の暮らしの復興は置いてけぼりでした。

 被災地から政治のゆがみ見えた


 そして住専(住宅金融専門会社)や大銀行がバブルに踊ってつくったこげつきを、何千億円、何兆円もの公費をポンと投入して助ける一方で、被災者の生活再建は「自己責任が原則」と放置する。政治の歪みが被災地から発信されました。

マリア これも今の教育基本法の問題と同じです。国のため、社会のためと言って、′一人一人の幸せは考えない。

山下 逆立ちですよね。

 私たちは、憲法を守り、福祉や社会保障を良くするために政治を変える活動をしてきましたが、もう一つ大事にしているのは、自分たちの身の回りで困っている人たちをほっとかないことなんです。温かい人間の連帯で助け合うということがないと本物じゃないんですね。

 日本共産党の支部は全国に2万4干あります。郵便局の数、小学校の数と同じです(マリアさん、目を丸くして驚く)。回りで困っている人がいれば助け合って、人間の命を守る運動が大事だと思います。

 温かい人間の連帯は共通


マリア 温かい連帯というのは私たちキリスト者で隣人を愛するというのと共通していますが、私が一番体験しているのは野宿者の間です。自分の苦しみがあるから相手の苦しみも分かる。それで必要な物を与え合っている姿など、ハッと思うようなことに毎日出会います。キリストの福音が一番分かるのがそこです。洗礼を受けているいないに関係なく、神の思いがみんなの中に生きている。人を大切にすること、一番困っている人を大切にすることこそ神の思いなんですね。

山下 私たちの支部の仲間の連帯活動がすごいなあと思うのは、助けられた人が今度は助ける側になる場合が多いことです。元ホームレスの方が行き倒れになっている人をお世話して行政とかけあったり、すごい力を発揮されるんですね。

マリア 困っている人を大事にすることが私が信じている神の望みです。政治的な問題で苦しんだり、困っている人がいたら動かなくてはならない。人々が豊かな命を持ち、人間として尊敬される上での制約をなくしていくことそのものが神を大切にすることだと思います。

 他の人が何もしないから自分がやっても仕方がないという考えはダメ。たとえ人が動かなくても、一人が動いたら私もしようかと行動する人が増えていくのです。


山下 私もいろんな宗教の方とお話させていただいていますが、日本の社会が非常に歪んでいることを真剣に憂えて、それに対して何ができるかを考え、行動しておられる。立場の違いはあっても、そんな方々と垣根を越えて対話して、一緒にいい世の中をつくっていきたいと思います。
マリア・コラレスさん   1936年、スペイン生まれ。敬虔なキリスト教徒の家庭に生まれ少女時代に修道院に入り、20歳でシスターに。23歳で来日し、布教活動。阪神大震災時は、滞日外国人の人権を守るために奔走。現在、釜ヶ崎で夜回りなどをしながら野宿者とかかわっています。聖母被昇天修道会シスター。「おおさか女性9条の会」呼びかけ人。


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