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論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 ダイハツ「雇い止め」政府は是正指導を

山下芳生議員は1月21日、参院予算委員会で、3月までに契約期間が満了 になる500―600人の期間・派遣労働者を減らすと発表した自動車メーカー・ダイハ ツ工業(本社・大阪府池田市)の「雇い止め」を追及し、政府に是正指導するよう求めま した。

山下芳生 日本共産党の山下芳生です。
 大きな社会問題となっております非正規切りについて舛添厚生労働大臣に伺います。
 大阪に本社のあるダイハツ工業は、昨年末、三月までに契約期間が満了になる派遣・期間労働者のうち五百人ないし六百人を減らすと発表いたしました。先日、労働者から話を聞いて驚きました。期間社員として契約を繰り返し、十年近く働いてきた労働者が昨年十二月で雇い止めになっておりました。別の労働者も、期間社員として十六年働いてきましたけれども、今年の一月に雇い止めにされました。
 厚労大臣、こういうことが許されるんですか。

舛添要一厚生労働大臣 個別の事案についてのコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、裁判の判例をいろいろ調べてみました。雇い止めについて争われた裁判所の判例でございますけれども、有期労働契約が反復更新されている事案では、解雇権の濫用法理が類推適用されるとしているのがあります。ただ、雇い止めについて、正社員の整理解雇の判断基準とは異なるとの理由で雇い止めを認めた事案がかなり見られる、これが今の判例の状況でございます。

山下芳生 ダイハツの期間社員がどのように仕事をしているか。ボディーを組み立てるラインでは、長年、正社員八人、期間社員七人で組を作って生産に当たっております。期間社員がいなければ生産ラインは動きません。このラインで十六年期間社員として働いてきた労働者は、職場の人がてっきり正社員だと思っていたというぐらい長くおられます。正社員の中には、この期間社員の方に作業を習って、今では職制として働いている人もおります。まさに実態は常用雇用です。こういう方が何人も雇い止めにされております。これは是正指導すべきではないですか。

舛添厚生労働大臣 繰り返しになりますが、個別の事案についてのコメントは差し控えますが、雇い止めにつきましては、労働基準法に基づきまして、有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準というものが、これは大臣告示がございまして、そこで、契約の締結時にその契約の更新の有無を明らかにする、それから、雇い止めの理由について労働者が請求した場合は証明書を交付すること、これが定めてございます。
 この大臣告示を含めまして、最近、法令や裁判例につきましてのパンフレットを作成して事業主に対して啓発・指導を実施しているところでございまして、また、雇用調整助成金などを活用して、安易に労働者を解雇することなく雇用の維持を図るよう要請しているところでございます。
 昨日、国会に提出した雇用保険法の改正案におきましても、非正規労働者への適用基準の緩和などの見直しを行うこととしておりまして、こういう施策を講じて雇用の維持ということに努力をしているところでございます。

山下芳生 昨年の十二月九日に厚労省が通達を出されてパンフレットも作られたと。そういうところで、判例に照らして解雇権の濫用に当たる場合もありますよと具体的に例示されてこれを指導する、徹底するということが言われております。
 今私が申し上げた事例は、私はパンフレットを読んでも、もう明らかに業務内容は恒常的であります。正社員と同一であります。こういう人をどんどんどんどん雇い止めにするというのは解雇権の濫用に当たると私は思いますよ。これが止まらないんだったら、このパンフや通達は何の役にも立たないと私はいうことになると思いますが、大臣、これでいいんですか。少なくとも調査して、正すべきは正すべきじゃないですか。

舛添厚生労働大臣 何度も繰り返しになりますが、個別のケースについてのコメントは差し控えます。ただ、厳しい啓発・指導を今お示しくださったこのパンフレットに基づいてやっております。
 それから、調査を含めてですけれども、これももう個別の事案にかかわりますので細かい点は申し上げませんですが、きちんと指導をするということは繰り返し申し上げておきたいと思います。

山下芳生 調査も含めて厳しい指導をするということであります。
 もう一つ、ダイハツでは、これまで期間社員の契約期間は原則六か月だったんです。ところが、昨年末から三か月契約、今年に入ってから一か月契約での更新が増えております。どうしてか。御存じのように、契約中途の解約は違法になります。それを回避するために、非正規切りを行う三月に合わせて契約期間を短くしている。そこまでして期間社員を企業の都合よく使い捨てようというやり方だと私は思います。こういうやり方は労働契約法十七条一項及び二項に照らして許されるんですか。

舛添厚生労働大臣 もう何度も前置きになりますが、個別の事案についてのコメントは差し控えますが、今御指摘になりました労働契約法十七条がありますが、ここの二項に、使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないように配慮しなければならないというふうになっておりますので、基本的には必要以上に短い期間にならないように配慮をすべきであるというふうに思います。

山下芳生 ダイハツは確かに減産いたします。しかし、止めるラインは一本なんですね。全部止めるわけじゃない。ほかのラインは動いているわけですよ。ですから、一か月の細切れ契約にする必要はない、ほかのところに異動してもらえばいいわけですから。ところがそういうことをやっているというのは、本当に企業の都合よく雇い止めするためのこれはやり方だと。これは是非調査してください。

舛添厚生労働大臣 個別の事案についてのコメント、それ具体的にどうするというのは避けますけれども、しかしながら、労働契約法の十七条がございますので、我々は法律に基づいて行政としてきちんと責務を全うするということはやりたいと思います。

山下芳生 ダイハツで三月までの一か月更新となった若い期間社員は、もうすぐ子供が生まれるのにと私に不安を語ってくれました。別の二十代の期間社員は、生産活動に必要な数値をコンピューターに入力したりQC活動でもリーダー役を務めるなど、生産の中心として頑張ってきました。彼も三月末で雇い止め、契約が切れます。
 期間社員や派遣社員の多くは、いつかは正社員になりたい、いつかはなれると思って歯食いしばって頑張っているんです。そのささやかな願いですら今断ち切られようとしている。この不安、この悔しさ。私は、政治家だったら、これしっかり胸に刻んで、非正規雇用をこんなに増やしたのは政治なんですから、彼らに責任ないんですから、政治の責任で、非正規切り、これを止めるために今知恵と力を尽くすべきだということを申し上げて、時間参りましたので終わります。



山下芳生 厚生労働省の昨年末の聞き取り調査で、三月末までに八万五千人の非正規労働者が雇い止めされることが明らかになりましたが、この数字、更に増えるんじゃないですか。

舛添厚生労働大臣 これは、昨年の十二月十九日の時点で状況を把握して、三月までに解雇される方も含めた数でございますので、今後経済情勢が悪くなればもっと増える。それで、雇用の数値というのは遅行指数でございますから、ほかの経済指標に比べても遅く出ますから、そういう悪化するということを非常に懸念をしております。

山下芳生 実際、八万五千の数字が発表された後だけでも、新聞に載っただけでも、たくさん新たな非正規切りが発表されております。
 平成十八年度の製造業務に従事した派遣労働者の数、何人ですか。

舛添厚生労働大臣 平成十八年の製造業務の派遣労働者は約二十四万人でございます。

山下芳生 同じく、平成十九年度は何人ですか。

舛添厚生労働大臣 約四十七万人でございます。

山下芳生 そうしますと、派遣労働の受入れ期間は原則一年、最大でも三年ですから、今年度は少なくとも二十三万九千人。今日の派遣切りのように企業が三年を待たずに雇い止めすれば、最大四十六万人が職を失うこともあり得るということですね。

舛添厚生労働大臣 中途で解雇されればそういうことになります。

山下芳生 実際、厚労省の調査でも八万五千の半分以上は満了でない、中途解約ですので、これ満了になったら、もういっぱい切られてくる可能性があるわけですね。
 ということは、大変な事態です。昨年末よりもけた違いに深刻な事態が今年度、三月末、それから今年度中に起こるということですが、可能性があるということですが、大臣、どう対応されますか。

舛添厚生労働大臣 これはもう非正規労働者の雇い止め、そういう事態が起こる懸念がありますから、あらゆる今施策を展開しているところでありますし、派遣先、派遣元に対して様々な指導を行う。法的な問題点があればきちんとこれは対応する。そして、例えば経団連などに対して中途解除をしないように、どうしても解雇しないといけないときには、これは再就職先をあっせんするように、そしてまた雇用を続けられるように従業員を訓練させてください、休業させてください、その間に雇用調整助成金で八割まで面倒見ますよと。様々な施策を準備をし、対応しているところでございます。

山下芳生 私は、職を失ったすべての人に住居、生活、職業を保障することは緊急の課題であると思いますが、その点でまず、一昨日、派遣村からの緊急要望書には、全国にシェルターを増開設し総合相談窓口の設置をというものがありますけれども、これ緊急に検討すべきじゃないですか。

舛添厚生労働大臣 年末年始の日比谷の派遣テント村などに対して、緊急事態に対して対応を行ってきたところですが、まずは職、そして住居ということでありまして、今一番問題なのは、職を失った途端にアパートから追い出されるというようなことがあって住居がなくなる方々なんで、例えばこういう方に対してはそのまま社宅に、ないし社員寮にいてもらえればということを措置してもらえれば、その雇主に対して家賃の補てんを六万円まで行うというようなことをやって、解雇とともに住居を失わないようにする。
 それから、様々な融資制度もやっておりますし、先ほど申し上げています雇用促進住宅及び様々な役所が持っている、中央、地方を問わず、その住宅へのあっせんということをやっておりますので、こういう形で、特に全国ハローワークで住み込み、つまり社員寮付きの求職、あっせんというのを全力を挙げてやっていますので、これを是非活用していただいて、職とともに住居を確保していただくような政策をやっていっておりますので、是非御活用いただければと思っております。

山下芳生 大臣、まず職とおっしゃるんですが、私はもう職も住まいも既に失った方にとっては、まず住むところと食べるものの心配をなくす、そうしてこそ落ち着いて自分に合った常用労働を探すことができるんだと、派遣や非正規のワーキングプアから抜け出すことができるんだと。そのためにシェルターのようなものがやっぱり必要なんだと。是非そこのところをしっかりと受け止めて検討していただきたいと思います。
 同時に、今現に非正規で働いている人たちの雇用を守ることがどうしても必要です。大臣、今言った対策でこれ以上の非正規切り、止めることできるんでしょうか。

舛添厚生労働大臣 先ほど申し上げました政策をフル回転させてこの問題に対応していく、そして経営者の団体にもそういうこともお願いしておりますし、特にこの雇用調整助成金を御活用いただきたいと思いますし、それからもう様々な支援を国も地方自治体もやっているところでございますので、是非こういう政策を、あるんだということを、お困りの方も御活用いただいて、我々も全力を挙げて努力をしたいと思っております。

山下芳生 残念ながら、雇調金などの政策が発表された以降も、一昨日、トヨタが期間工をゼロにするということを発表するなど、非正規切りは全く止まっていないわけですね。
 厚労省に、自動車産業関連事業所における雇調金及び中小企業緊急雇用安定助成金を活用した企業数と対象労働者数、報告してください。

舛添厚生労働大臣 まず数字でございますが、平成二十年十二月一日から十二月二十二日までに十二の主要な都道府県労働局に休業等の実施計画届出を提出している自動車産業関連事業者数が百四、対象労働者が一万三百十一人でございます。そのうち大企業にかかわる事業者数は四、対象労働者は千七十九人となっております。

山下芳生 結局ごくわずかなんです、自動車の大手は。雇用調整助成金は使っていないんですね。ですから、非正規労働者もせっかく対象にしたんですけれども役に立っていない。現にトヨタは期間工をゼロにすると言っております。ですから、大企業にお金をあげるからお願いしますという姿勢では雇用は守れないと。私は、まず契約中途の解除は違法を始め、現行法や判例で示された内容を大企業に守らせるべきだと思いますけれども、いかがですか。

舛添厚生労働大臣 自動車産業だけじゃなくて、全体の休業実施計画の受理件数で見ますと、十一月五十七件が三百三十九件に約六倍に増えておりますので、そういう意味で雇用調整助成金に対してニーズがどんどん高まっているということをまず申し上げた上で、先ほど申し上げました派遣元、派遣先に対して必要な指導を徹底して行っているところでございます。

山下芳生 大企業は残念ながらそれ活用する前に切っているというところが問題だと思いますね。同時に、契約満了による雇い止めがこれから大量にやられますけれども、これは現行法でこれを救うのはなかなか困難もあるでしょうから、やはり、しかし契約満了であっても、例えば常用代替の場合などは濫用を許さない、こういう非正規切り防止の緊急措置、実効ある、これ新規立法も含めてとることがどうしても必要だと。私は、今こそ政治の責任という点では、そこに踏み出さなければ、二十三万とか四十六万と言われる大量のこれから非正規切りが起こってくる、大変な問題になると、そのことを提起して終わりたいと思います。

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