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論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 国家公務員のメンタルヘルス対策、徹底を

 急増する国家公務員のメンタルヘルス(心の病)について。時間外勤務時間が1月80時間を超えた職員は、本人の申し出での有無にかかわらず、医師による面接指導を受けさせるよう提案。鳩山総務相は前向きな答弁でした。

山下芳生 日本共産党の山下芳生です。
 国家公務員の中でメンタルヘルス、心の病が急増しております。長期病休者の傷病別順位でうつ病、統合失調症等が断トツの第一位となっておりまして、しかも、平成八年度、千五十人、それが平成十三年度、二千二百十八人、そして、平成十八年度、三千八百四十九人と、五年ごとの調査のたびに倍増し、今や長期病休者の六割以上が心の病によるものとなっております。加えて、年齢別の割合を見ますと、二十代、三十代が七割を占めると。若い方が心の病で休まざるを得なくなっているわけですね。能力のある有望な公務員が心の病となって長期間休まざるを得なくなる。これは、御本人や御家族にとってはもちろんですが、国民にとっても大きな損失だと私は思います。
 総務大臣、心の病が急増している問題、ゆゆしき事態だとは思われませんか。

鳩山邦夫総務大臣 ゆゆしき事態だと率直に思います。
 やっぱり、社会が複雑化する、行政の内容も極めて複雑で高度化する、スピードは求められる、あるいは何か日本の社会の独特のしっとりとした部分というのが欠落していって、日本の社会もだんだんかさかさした方向に向かっている。いろんな要素の中でストレスが増えて、メンタルヘルス上、何というか非常に重大な事態になってしまうと、これは本当に残念なことだと思っております。
 政治家などというものは大体みんな、諸先生方も意志が強いわけですが、我々の仕事だって、これ意志が弱ければメンタルヘルスでケアが必要な状態に簡単になるような緊張した職場だと思いますけれども、政治家ほどの意志の強い人間でなくて、普通に公務員として暮らしている場合、今かなり厳しいものが様々あると思いますから、したがって、カウンセラーを育てる講習会とか、メンタルヘルスセミナーとか、医師による直接指導とか、いろいろ対策を進めていってはおりますが、これはもっともっと真剣に取り組んでいかなければならない重大課題との認識はあります。

山下芳生 政治家の意志とはまた別の問題だと思いますね。やっぱり職場で自分で管理できないわけですからね、仕事量があって。
 根本的な対策は、私は定員を増やすことだと思いますが、人事院の指針にもあるように、心の病は治療など専門家による適切な対応を早期に実施することにより早期の回復を期待できることが多いというものでありまして、ただ、これも本人に自覚がなかったり、隠したり、言い出せないことも多いようで、早期に対応するためには、職場やあるいは御家族等の協力が大事であります。特に、日常的に部下に接している現場の管理監督者が果たす役割は極めて大きい。そのためには、先ほど少し御答弁ありましたけれども、管理監督者の教育、研修がかぎを握っていると思います。
 私、先日、日本産業カウンセラー協会の代表の方に話を聞いたんですけれども、民間の企業にももちろん行きますけれども中央の府省にもよく行くと、山盛りの書類に囲まれて仕事をされている、ああ、これでは心の病が増えるなというふうに率直に感じるそうですね。そのカウンセラー協会の方が言うには、まず心の健康を保つ大切さをちゃんと教育することが大事だと、特に幹部、上司は部下に目配りすることを研修でちゃんとつかむことが大事だというふうにおっしゃっていました。今まで元気だった方が、おはようというあいさつもできなくなるとか、あるいはもう言葉が少なくなって口が動かなくなって、ぼうっとしている状況が増えるなど、そういうときには、どうだいとちゃんと声を掛けて相談に乗るというふうなことが大事だというふうに聞きました。そういう意識がなければならない。そういう意識なしに、ただ仕事を部下に押し付けるだけではこれは駄目なんだということでありました。
 そういう点では、幹部職員がメンタルヘルスに意識を持つこと、持てるように教育、研修をすること、これは非常に大事だと思いますが、もう一回その点、大臣、どうでしょうか。

鳩山総務大臣 全く異議はありません。
 それは、先ほど人事評価に部下の超勤のことを反映させるという話がありましたけれども、ひょっとしたらもっと大事かもしれません。部下のメンタル的に健康であるかどうかをきちんと見れるかどうかなんていうのは人事評価で大いに取り入れるべき要素ではないかと。
 同僚というのもあるでしょうけれども、やっぱり上司が使っているわけですから、しかも膨大な仕事量を与える。特に国家公務員、地方公務員、権限がありますから、それだけの緊張感というのもある、責任感に押しつぶされていくという面もあるだろうと。そういった意味で、上司が意識を高く持って部下の精神的な健康状態を見ると。だから、もちろんカウンセラーの講習会に行くとかメンタルヘルスセミナーへ行くというのももちろん大事だけれども、問題はまず意識だと思いますね。部下の精神的な健康状態を見ようという強い意識だと思います。

山下芳生 その意識もやはり教育、研修を受けなければ自然には出てきません。
 相談というのは非常に大事で、カウンセラー協会の方がおっしゃっていました。上に行けば行くほど、幹部になればなるほど相談になかなかちゃんと乗れないんだそうですね。いつも自分で判断して指示を出す側に立っていますから、何か相談したいのに、まともにちゃんと聞かずに、すぐ自分はこうなんだというように説教してしまうとか、そういうことも含めて、やはり心の病にちゃんと対応できるようなことを身に付けるという研修が幹部には求められているんだろうというふうに思います。
 それから、メンタルヘルスの悪化の背景には、第一に長時間労働の問題があります。長時間の残業は、睡眠時間を減らし、疲労を蓄積させるなどして就労者のメンタルヘルスを悪化させるということは、もうこれは研究で明らかになっております。したがって、私は、労働時間を一つの目安にして早期対応することが大事だというふうに思います。
 人事院に伺いますが、国家公務員の勤務時間と医師による面接指導の関係、どうなっていますか。

川村卓雄人事院事務総局・職員福祉局長 お答え申し上げます。
 面接指導でございますけれども、人事院規則一〇―四におきまして、各省各庁の長の責務として、超過勤務時間が月百時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる職員から申出があった場合には、面接指導を行わなければならないというふうにまずされております。また、月八十時間を超え、疲労の蓄積が認められるか健康上の不安を有している職員から申出があった場合にも面接指導等を行うように努めることとされております。
 それからさらに、これら以外の職員につきましても、規則を受けました通知で、百時間を超える職員それから二月から六月の月平均で八十時間を超える、そういう職員につきましては、面接指導を実施するよう努力するということになっております。

山下芳生 そういうことになっているんですが、実態はどうかということですね。
 今日は、ちょっと経済産業副大臣に来ていただきました。
 経済産業省は、在職者に対する病気休暇取得者の割合が平成十九年度三・三%、全府省平均が一・七%ですので、二倍近いんですね。在職者千人以上の本府省の中では、残念ながら一番悪い数字となっております。
 そこで伺いますが、経済産業省では、時間外勤務時間が一月当たり百時間を超える職員数それから時間外勤務時間が連続三月八十時間を超える職員数は、平成十八年度、十九年度、それぞれ何人か、そして医師による面接指導を申し出た職員は何人か、お答えください。

吉川貴盛経済産業副大臣 山下先生にお答えを申し上げたいと存じます。
 時間外勤務時間が一月当たり百時間を超える職員数は、平成十八年度におきましては三百五十人でございます。平成十九年度は、少し増えまして三百八十人でございました。連続三月八十時間を超える職員数は、平成十八年度が九十人、さらに平成十九年度におきましては百二十人と把握をいたしております。
 また、今御指摘をいただきました件でありますけれども、平成十八年度及び平成十九年度におきまして、時間外勤務が一月について百時間を超えまして、かつ疲労の蓄積が認められる職員からの面接指導の申出はございませんでした。

山下芳生 今お答えがあったように、もう八十時間、百時間を超える職員がそれぞれ五百人程度ありながら、医師による面接指導を受けたいと申し出た職員はゼロなんですね。ですから、これでは早期対応になっていないんじゃないかなと私は感じるわけです。
 もちろん、経済産業省がいろいろメンタルヘルス対応に努力されていることは、これ以外にもやっているということは聞きましたけれども、やはり有能な人材をメンタルヘルスの悪化で失うことがないように、私は、時間外勤務時間が月百時間あるいは八十時間を超えた職員には、本人の申出の有無にかかわらず、医師による面接指導を受けさせるようにすべきだと思ったんですが、経済産業副大臣、これは検討すべきじゃないでしょうか。

吉川経産副大臣 経済産業省におきましては、職員のメンタルヘルスにつきましてきめ細やかな対応を行うために、職員が気軽に相談を行えるよう、本年の四月から健康支援センターを設置をいたしました。専門の医師によるカウンセリングを受け付けるようにしたところでございまして、医師が三名と保健師が二名体制で行っております。
 また、毎年行う職員の定期健診、健康診断におきましても、超過勤務によるストレス度が高い職員に対しましては、健康支援センターへの来室をただいま積極的に呼びかけているところでございます。
 御指摘いただきましたように、経済産業省におきましては、引き続き職員のメンタルヘルスケアにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

山下芳生 今、努力の内容を紹介されましたけれども、それでも残念ながら長期休暇者が比率が高いんですね。
 実は、人事院の話を伺いました。人事院では、時間外勤務時間が月八十時間を超える職員は、本人の申出の有無にかかわらず医師の面接指導を受けるようにしているんだそうですね。
 具体的には、課長が毎月時間外が八十時間を超える職員の名簿を作りまして医師に判断を仰ぐと。まあ先月も医師にもう診てもらっているから今月はいいやという判断もあるそうですが、基本的には、八十時間を超えた職員の名簿が医師に渡って医師の診断を受けることができるんです。受けて元気だったらそれでいいわけだし、本人の自覚があろうがなかろうが、やっぱりちょっとこれは対応した方がいいよとなれば専門的な対応、治療を受けるようになっていけばいいわけですので、これはなかなかいい実践をされているなというふうに思いました。大いに人事院の取組、評価したいんですが、ただ、自分のところだけやっていたのでは、人事院の責任を果たしたとは私は言えないと思います。大いに、これがすべての府省でこういうことができるように強力な働きかけを求めておきたいと思います。
 そこで総務大臣に、公務員の処遇にかかわる問題を担当する大臣として、心の病を予防し早期対応をするために、人事院のような方式ですね、八十時間超えたらもう本人の申出の有無にかかわらず医師の面接指導を受けることができるようなこういう方式を全府省に広げるように、私は大臣から是非、大臣として力を発揮していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

鳩山総務大臣 職員の健康管理のための医師による面接指導等については、人事院規則に基づき各府省で取り組んでいるところでございますが、国家公務員福利厚生基本計画というのがありまして、平成三年内閣総理大臣決定、平成十八年三月十七日最終改正となっておりまして、そこに、「特に長時間の超過勤務を行う職員については、医師による面接指導を実施するなど健康管理に配慮する。」とあるわけですね。問題は、これをどう読むか。
 結局、こういう文書が確定しておっても、みんな恥ずかしいから、希望する者は医者が会ってあげますよと言っても恥ずかしいから会いに行かないということだと問題は解決しないと。これはみんな医者の面接指導を受けるんだと、まあ義務とまでは言えないけれども、そういう空気が醸成されてくれば、みんな恥ずかしいなんて思わないで医者に会いに行くと、そうすればそのことが予防になると、間違いないと思います。

山下芳生 大変前向きな答弁だというふうに受け止めました。
 是非、人事院ではされていますから、これをどう読むかというんじゃなくて、メンタルヘルスによる長期休暇者が、ほかの疾病、がんだとか全部、数も率も減っているんです、でもメンタルヘルスによる長期休暇者だけが数も増えているし、もう今や六割ですから。これによって、国民全体に奉仕する、そういう意欲を持って能力もある方々が、そのことができなくなるようなことをみんなで職場全体で予防すると。そのためには、人事院の方式というのは非常に有効だと私感じましたので、是非大臣の方から改めて徹底できるように努力いただきたいと思います。
 最後に、非常勤職員の待遇改善について伺います。
 ある中央官庁で働く非常勤職員Aさん、二十歳前後の方ですけれども、六か月の任用期間で日々雇用です。月十四日までしか働くことができません。日給は八千三百円、月十一万六千円、往復の交通費千円は自分持ち。更に税金、国民健康保険、国民年金の保険料を払うと手元に残るのは大体七万五千円ほどでありまして、六か月任用されたら三週間空けて更新されるので、年次休暇も社会保険加入の資格もないと。この方は、せめて交通費は出るようにしてほしいと、非常にささやかですけれども、それだけでも随分違うという要望を私に訴えてくれました。
 人事院に伺いますが、今回の指針でこうした点、改善されるんでしょうか。

吉田耕三人事院事務総局・給与局長 今回の指針では、非常勤職員の給与につきまして、基本となる給与については当該非常勤職員の職務と類似する職務の常勤職員に適用される俸給表の一級の一号の俸給月額を基礎として、その職員の職務内容、在勤する地域、職務経験等の要素を考慮して給与を決定するとともに、通勤手当等の支給を求める内容の指針を定めております。
 この指針によりまして、給与水準がこの指針の水準に満たない官署におきましては指針の水準まで給与が引き上げられ、あるいは通勤手当をこれまで支給しなかった官署については支給されることになるというふうに考えております。

山下芳生 大変これは朗報だと思いますが、まだまだしかし、それでも処遇低いですので、是非、処遇全体が引き上がるように、もう少し、もっと努力する必要があると思います。
 最後に総務大臣に、今度のこの処遇の改善が、しかしそうはいっても原資は限られていると、したがって、処遇が上がることによって逆に非常勤職員の人数を減らすとかあるいは雇い止めが進むとか、こんなことになっては本末転倒だと思いますので、待遇改善に伴う予算の確保を始め、そういうことがないように目配りが必要だと思いますが、決意を伺いたいと思います。

鳩山総務大臣 待遇の問題は温かく考えなければいけないと先ほどから申し上げているわけで、待遇を良くしたためにそれだけの人数は雇えないというので雇い止めになると、大体日雇契約だと思いますからいつでも止まってしまう可能性がある。そうならないように地方税財源の確保に全力を尽くして、今日は午後三時から財務大臣とちょうちょうはっしとやってまいってくる予定でございます。御支援をよろしくお願いします。

山下芳生 終わります。

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