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論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 血の通ったという言葉だったら、高齢者にこそ血の通った政治を

2008年4月17日 参議院・総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 四月十一日の政府・与党決定に増田総務大臣がどのようなかかわり方をされたのか、まず聞きたいと思います。

増田寛也総務大臣 政府・与党決定でありまして、その中で政府の一員として、関係閣僚の一人としてあの決定に参加をしたところでございます。

山下よしき では、内容に直接責任を負う大臣に伺いたいと思います。
 政府・与党決定は、与野党協議の前提として、道路特定財源と暫定税率を十年間延長する法案を一日も早く成立させるとしておりますけれども、これは、政府・与党決定自身が掲げた二十一年度から一般財源化するとの方針と根本から矛盾するのではないでしょうか。

増田総務大臣 政府・与党決定の文書の柱書きのところに、二十年度の歳入法案、一日も早い成立を前提としていると、そういうことで決定が取りまとめられているというその関係から来ているものでございます。その上で、今お話ございましたとおり、二十一年度から一般財源化をすると、こういうことになっておりますので、今後、これが与野党の協議の政府・与党の案になっていくわけでございますが、今後様々な協議が行われていくというふうに思っておりますけれども、一般財源化に向けて新たな法律の手当てが私は必要になる部分が当然出てくるわけでございますので、そこについては適切な時期に法律改正をするなり手当てをしていかなければならないというふうに考えております。

山下よしき 私は、新たな手当てをしなくても、今現実に立って考えれば、現在、ガソリン税の暫定税率はなくなっておりますし、道路整備財源特例法の期限も切れて一般財源化しております。言わば二十一年度から一般財源化するという政府・与党の方針を現実が先取りしているわけですね。何でわざわざこれを復活、後戻りさせるようなことをするんでしょうか。

増田総務大臣 政府として今提出をしている法案に基づいて最善のものとして今、国会の方にお出しをしているわけでございますが、今、国会の状況から考えますと、これに対して与野党協議ということが必要になると。その案として決定をお出しをしたわけでございますが、その大前提は、二十年度は歳入法案等を一日も早く成立をして、そして例えば地方財政に混乱を来さないようにすると、こういうことが大前提になっているわけであります。
 そういうことが大前提になっているものでありますので、今、国会の方にお出しをして、衆議院の方ではもう御議決をいただいておりますが、その法案についてはそのとおり成立をさせていただくことをお願いをしたいと。ただし、そのことは一般財源化ということを決めていることと相反することになりますので、適切な時期に手当てをすると、こういうことであります。

山下よしき どうもその適切な時期に手当てをするということで逃げようとされるんですが、私たちは〇八年度から一般財源化すべきだというふうに思っております。百歩譲って政府・与党の言うとおり〇九年度から一般財源化するにしても、道路特定財源を十年間維持するということを定めた道路整備財源特例法改定案は明らかに矛盾すると。これは、今大臣もお認めになりました。
 だったら、適切な時期にというんじゃなくて、もう分かっているわけですから、〇八年限りに限定する法案にして出し直すというのが、政府・与党の立場に立ったとしてもこれは当然の帰結になると思うんですが、何で、道路特定財源制度を廃止し一般財源化するという首相の提案、これは国民は歓迎していると思いますよ。その一番確かな保証は法律で担保するということのはずなんですが、今すぐできることをなぜ適切な時期まであえてやらないのか。いかがでしょうか。

増田総務大臣 この内容で、この内容というのは決定の内容で、是非与野党で早め早めにいろいろ御議論していただきたいと、こういうことでありまして、議論していただいてお認めいただけますれば、そうした内容に私どもは従うということでございます。また、政府として、当然政府としては、内容について今、国会の方でお出しをしている法案に修正はできないわけでございますので、これはやはり与野党協議をあの私どもが決定をした文書の筋に従ってやっていただいて、もちろん内容はあの文書のとおりに全部なるというわけには必ずしもいかないかもしれませんけれども、与野党協議をしていただくということが今一番重要なことではないかというふうに思います。

山下よしき 私は、半世紀にわたる道路特定財源制度、それから三十年を超える暫定税率、これは例えば全く採算の取れない東京湾横断道路、アクアラインなど、無駄な道路を造り続ける自動装置だったと思っております。
 国民の世論それから国会の論戦に押されて、三月二十七日、福田首相がようやく一般財源化ということを提案された。四月一日に法律の期限が切れて、ガソリン税は一般財源化された。進んでいっているわけですね。なのに、わざわざまた自動装置を復活させようとしている。結局、これまでどおり無駄な道路を造り続けるつもりではないのかという国民からの疑問が起こっても私は仕方がないと思います。
 そこで聞きたいんですが、この政府・与党決定にある、必要と判断される道路は着実に整備するとありますけれども、これはどういう意味でしょうか。

増田総務大臣 これはまさに道路財源の一般財源化の方針とともに同じ文書の中に入れられているものでございまして、これについては国の場合とそれから地方の場合といろいろあると思います。
 私は、こうした問題について特に地方の立場から参画をしているものでございますので、地方の道路ということについて申し上げれば、今御案内のとおり、これ多くの議員の先生方も十分御理解いただいていると思いますけれども、今はまだ地方において道路整備のニーズというのが大変高い状況にあると。地方の道路財源も特定財源の形になってございますが、さらにそれに一般財源等まで充当して、そういった地方の道路整備を賄っているということがございます。
 したがいまして、特に地方の場合には、なお更に自動車交通に頼っている部分も大変多いということでございますので、今後とも地方道路の整備の促進を図っていく、こういうことは大変重要であると、これは今回の一般財源化ということになっておりますが、国の場合は多少状況が違うかもしれません。
 違うというのは、今地方の場合と、一般財源を継ぎ足しているというところと、逆に国の場合には、そういった道路財源が二千億弱でございますがオーバーフローしているんで一般財源化をそこでしているということと、ちょっとそこが違うということがございますが、地方について言いますと、地方の道路整備の必要性が大変高くて、一般財源まで入れて地方の道路整備を行っているということも十分踏まえて、必要と判断される道路は着実に整備すると、こういうこともこの文書の中に入ってきている。当然、これについては事業評価による客観的な判断等を念頭に置きながら、必要と判断される道路かどうかということを判断していくことになるんだろうと思いますけれども、そういう地方の今の道路整備の状況を念頭にこういう決定の文書を行ったということでございます。

山下よしき 政府・与党決定は、地方の必要と判断される道路はとは書いてないんですね。全部の道路を含めてです。それで、その決定に増田大臣もかかわっておられますから聞いているんですが。
 昨日の参議院本会議で民主党の辻議員が大変いい質問をされまして、首相が答えられて、昨年十二月の政府・与党合意にあった真に必要な道路と、今般の必要と判断される道路とは基本的に意味を異にするものではございませんという答弁がありました。昨年十二月の合意というのは、今日持ってまいりましたけれども、冒頭に真に必要な道路整備の計画的な推進という項目を挙げて、今後十年間の道路の中期計画を策定すること、それからその計画の事業量を五十九兆円とすることなどをうたっております。つまり、ここでいう真に必要な道路計画の推進というのは初めに総額ありきで、一万四千キロの高速道路や六千九百五十キロの地域高規格道路、先日紹介したあぶくま高原道路もその中に入っておりますけれども、こういう大型道路建設を際限なく行うということと同じ意味だったわけですね。今回の政府・与党決定がこれと基本的に変わりないというんだったら、たとえ道路特定財源の一般財源化を実現しても、税収の大部分が大型道路建設につぎ込まれて、特定財源と実質的に変わらないということになりかねないと思います。
 大臣に伺いますけれども、一般財源化というのなら、当然これまでの道路中期計画、事業量を十年間で五十九兆円などという初めに総額ありき方式、これはやっぱりやめる必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

増田総務大臣 前回、前回というか、今までは真に必要な道路というふうに言っておりました。今回のこの文書は、必要と判断される道路と、こういうふうに表現を変えている。基本的には、昨日総理答弁していますとおり、その意味合いというのは変わらないと思うんですが、ただ、今回こういうふうに必要と判断される道路と、こういうふうに書いている意味合いは、この間国会審議等がずっとございました、今年になりまして国会審議等がございましたので、そういった国会審議等を踏まえて、事業評価による客観的な判断等をより念頭に置いた表現にする必要があるということでこういう表現にしているということでございます。
 その内容について、したがいまして、今私が申し上げましたように、その事業評価による客観的な判断というものを加味してその道路を整備するかどうかということをきちんと決めていくということになるわけでございます。

山下よしき 道路特定財源の一番の問題は、これまでその四割が高速道路ネットワークに使われてきたと、高規格幹線道路ですとか地域高規格道路であります。これが際限なく高速道路を造り続ける仕組みになってきた。その中には採算の取れない道路が一杯あるじゃないかということを国会で提起し、冬柴大臣も今後はそういうことはもうやめましょうということまでおっしゃってきた。その大型道路偏重になっていたことが、さっき増田大臣が言われた、地域に本当に必要な生活道路を造る予算、財源を圧迫して、それが遅れているということにもなっている。
 ですから、基本的に同じだがちょっと違うとおっしゃるんだったら、この高速道路ネットワーク中心の初めに総額ありき方式は見直さなければ変わらないと思うんですが、いかがでしょうか。

増田総務大臣 きちんと当然事業評価を行うと、そして様々な客観的な判断基準に基づいてこれをやっていくということで、これは昨日も総理がきちんと本会議で申し上げたとおりでございまして、それを具体的にどうしていくか、これはまさに与野党協議の中で道路の整備の計画をいろいろと御議論していくわけでございますので、政府としては、今申し上げましたようなそういう考え方に基づいてこの計画を策定していく、その具体的な考え方を詰めていきたいというふうに思っておりますが、今後行われます与野党協議などで決められていく事業計画が、道路計画がどういうふうになっていくか、そういったことにも懸かってくるというふうに思っております。

山下よしき これだけ国会の中で初めに総額ありき方式の問題が浮き彫りになっているのに、与野党協議だと、今それを見直すと言えないというのは、非常に私から言わせれば情けないと思うんですね。
 実は、増田大臣自身、道路にしがみつく立場にあられるということを私感じたんです。この間の質疑でこうおっしゃっています。道路は最後は幹線道路につながってネットワークを構築していかないといけないと。道路というのはつながらぬとあかんのやということを言うんですが、しかし、つながっていかなければならないのは道路だけと違いますよ、それは。例えば年金の記録、つながらなければなりません。後期高齢者の医療、七十五歳で切るようなことをしたらあきません。京都の公聴会でも、そういうものと比べて、経常的な経費と比べて道路というのはかなり伸縮性がある、止められないということじゃないんだという御意見も出されました。何で伸縮性のある道路はつながなければならないというふうにこだわるんでしょうか。いかがですか。

増田総務大臣 やはり、道路というのはネットワークを構築して機能が発揮できるので、道路はつながなくていいということを言うというのは私はやっぱり間違いだと。だから、そのつなぎ方ですとか、それから道路の密度などをどうするか、これはいろいろ政策論として考え方が多様にあると思いますが、そういった道路の密度ですとか、それから道路の一つ、一本一本の機能をどういうふうにしていくか、これを踏まえた上でやはり造るべしと言われた道路を段階的に、国が責任を持つもの、都道府県が責任を持つもの、市町村が責任を持つもの、それからごく例外に民間が行っているものもごくたまにはございますが、そういったもの全体のネットワークを考えて、最終的にそれをいかにきちんとつないでいくか。まさに人間の血管と同じようなものでありまして、そこに血が通わないと、車がネットワークとしてそこに通らないということになるとその地域が、血管が、通わなければ人間の組織は劣化していくわけでありますが、そのところを私は、やはりネットワークとしてはつながっていなければ機能が出ない。
 年金記録も同じようで、要は、問題はそれをどういう形で、どのスピードで、どれだけのコストを掛けてやはりつないでいくのか。年金記録などはもう今一番の最重要課題でございますので、やはり国、国家としてきちんとその記録を全部つないでいかなければならない、統合していかなければならないということでありましょうし、道路については十年という計画を国土交通省さんの方でお示しをされたわけですが、今回総理の方の御決断で、そうではなくてもっと短い五年間のもので、しかもなおかつその計画は与野党協議の場の中できちんとした議論をすると、こういう御提案でございますので、内容についてどうするかは今後の議論でございますが、そこででき上がる計画もやはりきちんとつながっている計画でなければいけないんではないかというふうに思っております。

山下よしき 血の通ったという言葉だったら、高齢者にこそ血の通った政治をやってくれというふうに思いますね。
 それからもう一つ、つなぐという点では、子供の命を私はつなぐのは最優先だと思っています。
 文部科学省に伺いますが、平成十四年度と平成十九年度の公立小中学校施設における耐震化率の全国平均、最高、最低の数字を述べてください。

岡誠一文部科学大臣官房文教施設企画部技術参事官 お答えいたします。
 平成十四年度、十九年度ですか。

山下よしき 十四と十九。

岡参事官 ありがとうございます。
 平成十四年度、これは平成十四年四月一日現在のものですが、公立小中学校施設における耐震化率の全国平均は四四・五%でございます。都道府県別に見た最高の耐震化率は七〇・一%、最低は二三・三%でございます。また、平成十九年度、これは十九年の四月一日現在のものでございますが、耐震化率の全国平均は五八・六%、都道府県別に見た場合の最高の耐震化率は八九・〇%、最低は三七・三%でございます。
 以上でございます。

山下よしき 耐震化率に格差が広がっていっているんですね。私は、地方の予算のこれは多い少ないが一番の原因だということは文部科学省も認めております。大臣もそう答弁している。こういうところにこそ真っ先にお金を注ぐ、掛ける必要があると思うんですね。
 大臣に伺いますけれども、一般財源化して、道路特定財源を、子供の命をつなぐということは道路をつなぐのと同等以上に私は緊急性があると思いますが、いかがでしょうか。

増田総務大臣 一般財源化をするということは、今お話ございましたところに、道路から上がりました揮発油税などですけれども、そういったものの使途を拡大してそういったところに回す可能性が十分出てくるということだと思いますから、そのことは今回、国民的な合意も得られることだろうというふうに思います。
 ですから、まさにその使途をどうするかなども含めて、今後お互いに、お互いといいますのは、政府・与党のあの決定がございますが、そういったことをやはり与野党で建設的に御議論をされていくということだろうと思います。

山下よしき 初めに総額ありきの方式をやめなければそこには回らないということを指摘して、終わります。

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