あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
トップページ ご意見・ご要望をお寄せくださいサイト内検索
論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 

2008年2月4日 参議院・予算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 救急医療について質問します。
 最近、救急搬送の受入先がなかなか見付からずに患者が死亡するという出来事が相次いでおります。総理は参議院の本会議で、救急患者の受入れが可能な医療機関を検索するための救急医療情報システムについて、ITを活用しながら、診療の可否や空きベッドの有無等の情報を迅速かつ正確に更新できるようにすると答弁されました。大事なことだと思います。ただ、それだけで解決できるだろうか。
 一月の二日、東大阪市で交通事故に遭った四十九歳の男性が五つの救命救急センターから受入れを拒否され、一時間後に収容されましたが、死亡されました。先日、この男性を救急車で搬送した大東市消防本部を訪ねて話を聞きました。受入れを断った五つの救命救急センターはすべて処置中か満床だったということが分かりました。受入先がどこも処置中、満床では、幾ら情報を迅速かつ正確に伝えてもらってもこれは搬送のしようがありません。どうしてこんなことが起こるのか。(資料提示)
 救急医療体制は、比較的軽い患者を受け入れる初期救急医療、次に、入院を必要とする重症の患者を受け入れる二次救急医療、そして最後に、一刻を争う重篤な患者を受け入れる三次救急医療、救命救急センターから成り立っています。ところが、このところ二次救急から撤退する病院が相次いでおります。(資料提示)これは大阪の二次救急を担う病院数の推移であります。二〇〇〇年の三百四病院をピークに減り続け、二〇〇七年には二百五十八病院と一割五分も減りました。全国の二次救急病院もこの二年間で百七十四か所減ったという報道もあります。その結果、本来二次救急で受け入れるべき患者が三次救急に流れ、言わば最後のとりでの救命救急センターがいつも処置中か満床に近い状態になっております。
 総理、救えたかもしれない命を救えなかったという事態を二度と繰り返さないためには、救急医療情報システムの改善だけでなく、救急医療から撤退する病院が増えているという根本問題にメスを入れなければならないと思いますが、総理の御認識を伺いたいと思います。

舛添要一厚生労働大臣 この緊急医療体制の整備、昨年五月に政府・与党で決めました方針にのっとりまして、今、いろんな理由があります、その一つ一つに対して的確な対応をいたしているところでございますし、例えば診療報酬の引上げ、それから勤務医の過重な、この過酷な労働条件を改善する、そういうこともやっておりますし、今委員おっしゃった大阪の例ありますけれども、地域のネットワークをどうして再構築するか、それは委員おっしゃるような情報システムだけの問題ではございません。そういう意味で、円滑な受入れができる、そして医師を確保する、緊急にやる政策も含めまして来年度予算で約百億円の措置をとったところでありまして、政府として全力を挙げてこの問題に取り組んでまいります。

山下よしき 総理、どうですか。

福田康夫内閣総理大臣 委員御指摘のとおり、この救急医療については、これはやはり深刻な状況にあるんだというように認識、私もいたしております。ですから、この問題をどのように解決していくかということについて、具体的に早急に手当てしてまいりたいというように考えております。

山下よしき 実は、先進的な救急医療情報センターを持つ東京都でも、一月七日清瀬市で、九十五歳の女性が十一病院に搬送を断られて死亡しております。ですから、情報システムも大切ですけれども、受入先が縮小しているという根本問題を止めなければ状態は悪くなるばっかりだと思います。
 どうやって食い止めるか。大阪府医師会で救急担当の役員の方からお話を聞きました。病院が救急から撤退する原因は、大きく言って二つあるそうです。医師不足と経営難です。元々救急は病院にとって不採算部門です。その上、診療報酬が連続して引き下げられて病院全体の収益が減少したことで救急を維持できなくなっている。
 大阪府医師会では、日本の医療全体が厳しくなる中で救命救急にひずみが出ていると訴えられました。昨年十二月、六十六歳の男性が十八の病院に受入れを拒否され死亡した姫路市の医師会も声明を出しております。今回このような不幸な状況となったことは、医療制度改革がもたらした医療のゆがみの表れと言わざるを得ません。
 ひずみとかゆがみという言葉で救急医療の最前線から政府の医療政策の転換を求める声が噴き出しております。総理、しっかりと受け止めるべきではありませんか。総理。

舛添厚労大臣 今御指摘の点は、例えば診療報酬の引上げというような形で対応する。しかし、最大の問題は、今例えば二次医療機関、三次医療機関、そこに行かなくても、近くのかかりつけ医で処理できる方までそちらに行ってしまうと。こういうことを含めて、地域の医療システムのネットワークの再構築、これに全力を挙げたいと思います。

山下よしき そういう認識では命救えないと思いますよ。
 救急医療の現場の医師や看護師は一人でもたくさんの命を救いたいと二十四時間、三百六十五日、一生懸命頑張っております。消防の救急隊員も同じ思いで、訓練や研修を積みながら日夜頑張っております。今頑張らなければならないのは政治だと私は思います。
 医師の数や診療報酬を抑制することで医療費全体を先進七か国で最低の水準に抑えてきた政府の低医療費政策を根本的に転換することを求めて、質問を終わります。

ページ最上部へ   トップページへ    
 

 ■山下芳生国会事務所  〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1123号室 TEL:03-6550-1123 FAX:03-6551-1123

 日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所〒537-0025 大阪市東成区中道1-10-10ホクシンピース森ノ宮102 TEL:06-6975-9111 FAX:06-6975-9115

本サイトへのリンクや、文書・写真などの複製・転載などにつきましては、事前にご連絡をくださるようお願い致します。
Copyright since 2003, Japanese Communist Party. All right reserved.