あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
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【動画】参院本会議 山下副委員長の代表質問

2017年11月22日

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 日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。
 総理は、森友、加計疑惑について、丁寧に説明すると繰り返しながら、所信表明では一言も語りませんでした。しかし、総理夫妻のお友達のために行政がゆがめられ、国政が私物化されたのではないかという重大な疑惑です。いつまでも逃げ続けることは許されません。
 まず、森友疑惑について聞きます。
 国民の財産である国有地が8億円も値引きされ、ただ同然で森友学園に払い下げられたからくりが、音声データの生々しいやり取りで明らかになりました。
 近畿財務局の職員が、幾らなら買えるのかと籠池理事長に尋ね、籠池氏が1億6000万円と応じ、財務局職員は、それに近いところまで努力していますと述べていました。深さ9.9メートルまでごみが埋まっていたことにして土地を値引きするというストーリーが作られ、それが財務省の側から提案されていたのです。
 総理、政府の側から値引きが持ちかけられたことは異常だと思いませんか。総理の責任で事実の究明を行うべきだと考えますが、いかがですか。
 大幅値下げ実現の背景に安倍昭恵氏の存在があったとの疑いはいよいよ強くなりました。総理は、妻はだまされたと言っていますが、園児に教育勅語を暗唱させていた幼稚園をすばらしいと絶賛し、小学校建設予定地を籠池氏と一緒に視察するなど、一連の過程に積極的に関わっていたのが昭恵氏ではありませんか。
 籠池氏も、昭恵氏の名誉校長就任で神風が吹き、大幅値下げが実現したと国会で証言しました。真相究明のためには、安倍昭恵氏に国会に来ていただき、真実を語ってもらう必要があると考えますが、総理の見解を求めます。
 次に、加計疑惑です。
 獣医師の数は足りているとして52年間認められなかった獣医学部の新設が加計学園に認められたのは、今年1月、その計画が国家戦略特区に認定されたからであります。政府は、認定理由について、一つ、新分野での具体的な需要が明らかなどの4条件を満たしている、二つ、競合する他の大学の計画よりも熟度が高いと説明してきました。
 ところが、この説明には全く根拠がなかったことが明らかになりました。今年5月、文部科学省の大学設置審議会は、加計学園の計画に対し、新分野の具体的な需要が不明である、教員が高齢層に偏り、実習を補助する助手もおらず、カリキュラムの実現可能性に疑義があるなどとして警告を発していたのです。
 4条件についてまともに検証されず、熟度が高いどころか設置基準の最低ラインさえ到達していない計画だった。要するに、1月の特区認定がでたらめだったということではありませんか。認定したのは国家戦略特区諮問会議。その議長は安倍総理です。総理、あなたの責任は重大だと考えますが、いかがですか。
 大学設置審専門委員会のある委員は、しんぶん赤旗の取材に対し、4条件はアンタッチャブルだった、設置審の審査は答えを教えながら何回も試験するようなものだ、だから最終答申では合格に至った、じくじたる思いだと証言しています。
 こんなずさんな計画がごり押しされたのはなぜか。加計学園の理事長が総理の腹心の友だったからではないかとの新たな疑問が起こっています。
 総理、加計学園の特区認定プロセスについてしっかり検証すべきではありませんか。真相究明のためには、加計孝太郎氏も国会に来ていただき、本当のことを話してもらう必要があると思いますが、いかがですか。
 次に、北朝鮮問題について、総理の認識、基本姿勢を伺います。
 北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて許されません。同時に、破滅をもたらす戦争だけは絶対に引き起こしてはなりません。
 トランプ大統領の日本、韓国、中国歴訪の際、中国と韓国の首脳は、いずれもこの問題について対話による平和的解決を表明しました。これに対し、安倍総理は、今は対話のときでないと北朝鮮との対話を拒否する姿勢を示すとともに、全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の立場を一貫して支持すると表明しました。この選択肢の中には軍事的オプションも当然含まれます。対話による解決を求める中国と韓国、さらに同じ姿勢を示すドイツやフランスなどと比べ、安倍政権の立場は異常なものと言わねばなりません。
 今、最も危険なことは、米朝両国の軍事的緊張が高まる下で、双方の意思に反して偶発的な衝突が発生し、それが戦争に発展してしまうことです。秋山昌廣元防衛事務次官は、米朝の対立が進めば誤解や誤算による軍事衝突の危険が高まる、第2次朝鮮戦争に発展し、韓国のみならず日本にも悲惨な戦禍をもたらすと警告しています。
 ところが、総理は、トランプ氏との首脳会談後の会見で、偶発的な軍事衝突を避けるためにどのような対応が必要かと問われ、誰も紛争など望んでいないと答えるのみでした。そんなことは当然です。しかし、望んでいなくても偶発的な衝突が発生する危険が高まっていると内外の専門家が共通して指摘しているのです。その点について、政府は対応策を持っていないのですか。危機を打開し、戦争を回避するためには、米朝が直接対話することがどうしても必要だと考えますが、いかがですか。
 国際社会が一致して経済制裁の圧力を強めることは必要です。しかし、それだけでは問題を解決することはできません。制裁強化と一体に、対話による平和的解決を図ることこそ唯一の解決策です。そのために日本政府が積極的な役割を果たすべきではありませんか。真剣に考えていただきたい。
 さらに、米国による先制的な軍事力行使への懸念もあります。それがどのような深刻な事態をもたらすか。米統合参謀本部は、北朝鮮の核兵器を完全に破壊する唯一の方法は陸上侵攻だとする文書を発表しました。これに対し、退役軍人である民主、共和両党の米上下両院議員16人が共同声明を発表し、何十万あるいは何100万人もの人命が最初の数日の戦闘で失われることすら意味する、北朝鮮問題で有効な軍事選択肢というものはないと強調しています。
 韓国の大統領は、先日の施政方針演説で、いかなる場合にも朝鮮半島で武力衝突はあってはならないと述べ、一方的な軍事行動には同意しない立場を改めて示しました。国民の生命と安全に責任を持つ為政者として当然の見識です。
 総理、日本を守り抜くというのなら、日本にも大きな被害がもたらされることになる先制的な軍事力行使は絶対にやるべきでないと米国に提起すべきではありませんか。答弁を求めます。
 東京電力福島第1原発事故から6年八か月。総理は所信表明で、福島では、帰還困難区域を除き、ほぼ全ての避難指示が解除されたと述べました。また、今年3月、避難指示の解除を決めた際には、本格的な復興のステージを迎えると述べました。
 しかし、福島の現実は、避難指示解除が本格的な復興に直結するような状況ではありません。医療、介護を始め、除染、住宅の整備、雇用など、まさに課題山積です。そもそも、原発事故は収束していません。だからこそ、いまだに6万8000人の方がふるさとや元いた場所に帰れない、あるいは帰らないということになっているのではないでしょうか。総理にこの認識はありますか。
 しかも、安倍政権は、自主避難者への住宅提供を今年3月末で打ち切り、精神的苦痛への賠償は来年3月末で終了するとしています。絶対に許されません。復興加速の看板の下に被害者切捨てを進める安倍政権こそ、復興の最大の障害だと言わなければなりません。全ての被害者が生活となりわいを再建できるまで国と東京電力が責任を持つことは当たり前ではありませんか。総理の認識を伺います。
 政府の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度の電力に占める原発の割合を二〇ないし22%にするとしています。全国で約三十基もの原発を再稼働することになります。
 しかし、これは国民の世論に真っ向から反するものです。どの世論調査でも、再稼働に反対が賛成の約二倍となっています。
 他方、財界は、原発の再稼働を強く求め、原発事故を起こした東電の柏崎刈羽原発まで再稼働しようとしています。政府も、稼ぐことが福島事業への貢献などとして、柏崎刈羽を再稼働させようとしていますが、福島を口実に再稼働を正当化するなど言語道断、被害者を愚弄するものではありませんか。
 再稼働にひた走る道に未来はありません。原発事故後、約2年間にわたって稼働原発ゼロとなり、日本社会が原発ゼロでやっていけることも証明されています。直ちに原発ゼロの政治決断を行い、再稼働を中止し、再生可能エネルギーの本格的普及へと道を切り替えるべきではありませんか。答弁を求めます。
 総理は、今回の解散・総選挙に当たり、2019年に消費税を10%に引き上げるとともに、全世代型の社会保障への改革を行うと宣言しました。ところが、選挙が終わるや否や政府が打ち出してきたのは、医療費の窓口負担の引上げ、介護保険の在宅サービスの給付外し、子育て世代の生活保護費削減など、全世代を対象にした社会保障の切捨てです。国民をだまし討ちにするにも程があると言わなければなりません。
 これらがどんな影響を与えるか。例えば、認知症の高齢者は462万人、軽度認知障害のある人も400万人いると推計されています。高齢者の三ないし4人に1人が認知症か軽度認知障害という状況です。ところが、現行の介護保険では利用できるサービスに限度があり、認知症のお世話は専ら家族任せという高齢者が膨大な数に上っています。
 にもかかわらず、安倍政権は、要支援一、二に続き、要介護一、二の在宅介護サービスを保険給付から外すことを検討しています。こんなことをやれば、政府が提唱している認知症の早期発見、早期対応に逆行する事態を政府自らつくることになるではありませんか。介護を必要とする多くの人に影響する在宅介護サービスの保険給付外しは中止すべきであります。
 認知症の人と家族の会の皆さんは、認知症になったとしても、介護する側になったとしても、人としての尊厳が守られ日々の暮らしが安穏に続けられなければならないという理念を掲げ、奮闘されています。こうしたすばらしい理念に現実社会を近づけることこそ政治の役割だと考えますが、総理の認識はいかがですか。
 所得の低い人ほど負担が重くなる、社会保障財源として最もふさわしくない税金が消費税です。10%への増税はきっぱり中止し、応能負担の原則に立って、アベノミクスで大もうけした大企業と富裕層に応分の負担を求めるべきではありませんか。答弁を求めます。
 安倍政権は、働き方改革と称して、労働時間規制が掛からない労働者をつくり出す残業代ゼロ制度を導入しようとしています。さらに、月八十から100時間という過労死ラインの残業を合法化しようとしています。とんでもありません。これでは、長時間労働と過労死が一層はびこることは明らかです。
 総理も演説で触れた、電通で過労自死した高橋まつりさんの母、幸美さんは、過労死遺族の1人として全く納得できません、政府は働く人の健康と命を守るために法律改正を行ってくださいと訴えています。総理、この訴えにどう応えますか。
 働き方に関わって、喫緊の課題について質問します。
 政府は、昨年、通算雇用期間が5年以上になる有期雇用労働者のうち、希望する労働者は全て無期転換、すなわち期間の定めのない雇用に切り替えるとの目標を掲げました。
 ところが、改正労働契約法に基づく無期転換権が生ずる来年4月を前に、トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーは、雇用契約更新の際、六か月の空白期間を設ける契約への変更を進めています。無期雇用にしないためです。明らかな脱法行為です。こんなことが許されたら、無期転換権を行使できる労働者は誰もいなくなってしまうではありませんか。
 5年たったら無期雇用でなく、5年以内で雇い止め、これでは雇用の安定化どころか大量の失業者を生み出すことになります。多くの国立大学、独立行政法人でも同様の動きが顕在化しています。有期雇用労働者1500万人に関わる重大な問題です。
 政府は大手自動車メーカーに対する調査を行っているといいますが、具体的にどのような手だてを取るつもりですか。このような脱法的なやり方は今すぐ止めるべきではありませんか。しかとお答えください。
 最後に、憲法について質問します。
 5月3日、総理は憲法9条を変えると宣言しました。しかし、憲法9条は、日本国民310万人、アジアの人々2000万人もの犠牲をもたらした日本が起こした戦争への深い反省から生まれたものです。戦争はしない、戦力は持たないと決意した9条には、内外の犠牲者の無念、残された者の平和への願いが刻まれています。
 9条は、その後、国民の中に広く定着し、日本社会の姿形を規定する根幹となりました。軍事では、自衛隊の海外派兵を制限する最大の歯止めとなり、自衛隊員が海外で殺し殺されることのない状態をつくりました。経済では、軍事費を抑制することにより、民生分野を中心とする経済成長を促し、国民生活を向上させる力となりました。学術、文化では、戦前のような軍事優先と決別し、科学と文化が我が国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献する基礎となりました。
 総理は、こうした憲法9条の生い立ちと働きについてどのような認識をお持ちですか。しっかりお聞かせいただきたい。
 総理は、憲法に自衛隊を明記すると主張しています。
 仮にそれが実現すれば、新法は旧法を改廃するという法の原則によって、戦力は持たないとした9条2項が空文化し、歯止めのない海外派兵に道が開かれます。経済でも学術、文化でも、軍事が優先され、今述べた日本社会の姿形が大きく変わります。それが総理の狙いではありませんか。そのようなことを断じて認めるわけにはいきません。
 今変えるべきは、憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治であることを訴えて、質問を終わります。




安倍首相の答弁

 山下芳生君にお答えいたします。
 森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
 国有地の売却における当事者間でのやり取りについては、現在捜査が行われており、捜査の場及びその後の司法の場において明らかになっていくだろうと思います。
 ただ、私の妻が、一時期、名誉校長を務めていたこともあり、国民の皆様から疑念の目を向けられたとしても、もっともだと思います。
 その上で、本件については、私自身、閉会中審査に出席するなど、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。今回の衆議院選挙における各種の討論会でも質問が多くあり、その都度、丁寧に説明をさせていただいたところであり、今後もその考え方に変わりはありません。
 なお、国会における審議の在り方については、国会においてお決めいただくことと認識をしております。
 特区認定のプロセス、加計理事長の国会招致についてお尋ねがありました。
 今回のプロセスは、規制改革項目の追加、事業者の選定のいずれについても、御指摘の四項目も当然踏まえた上で、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適正に行われてきました。その際、節目節目で、農林水産大臣、文科大臣も会議に出席するなど、関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で関係法令に基づき実施してきたものと理解しています。
 このように、法令にのっとり一貫してオープンなプロセスで進められる中で、関係大臣の合意の下、四項目の充足は確認されており、その選定のプロセスについては、民間有識者も一点の曇りもないと述べられていると承知しています。
 そして、さきの閉会中審査では、関係大臣を始め誰一人として、誰一人として私から何らの指示も受けていないことが明らかとなったところであり、そのことが今回の行政プロセスを評価するに当たり最も重要なポイントであると考えています。
 その上で、国会の運営については国会がお決めになることであると考えます。
 北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
 まず指摘したいのは、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、世界の脅威となっているのは北朝鮮であります。私も、世界中の誰一人として紛争など望んでおりません。
 韓国でトランプ大統領は、北朝鮮が対話のテーブルに着き、北朝鮮の人々や世界中の人々にとって良い合意を結ぶことは筋が通っている、また、米国は北朝鮮に対してより良い未来への道を提供することができると述べており、これに対し、非核化に向けた対話を拒否しているのは北朝鮮です。
 北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
 我が国としては、国際社会とも緊密に連携しながら、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。
 もとより、政府として、他の国・地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはありません。米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、日米間で北朝鮮問題への対応に関し、緊密に連携してまいります。
 福島の復興の現状と原発ゼロについてお尋ねがありました。
 今年春には大幅に避難指示解除が進みましたが、これは福島復興のスタートにすぎません。いまだ多くの方々が避難生活にある現状を胸に刻み、一日も早い生活再建、なりわいの再生に向けて、お一人お一人の事情に応じたきめ細かな就労支援、住まいの復興などに引き続き国として責任を持って取り組んでまいります。
 原発については、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減することが安倍内閣の一貫した方針です。同時に、資源に乏しい我が国にとって、電気料金のコスト、気候変動問題への影響、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。
 高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の方針であります。
 軽度者向け介護サービスと認知症対策についてのお尋ねがありました。
 御指摘の軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、経済・財政再生計画改革工程表に沿って、認知症の方を含め、高齢者の自立支援等の観点から、引き続き検討を行ってまいります。
 なお、平成二十六年の介護保険法改正では、要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として、市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるよう仕組みを見直したものであります。
 認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気です。認知症の方の意見が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる取組を進めていくことが必要です。そのため、一昨年、我が国の認知症国家戦略として新オレンジプランを策定しました。
 今後とも、新オレンジプランに基づき、認知症の方やその家族の方の支援を進め、認知症の方々が自分らしい生活を営めるよう支援してまいります。
 消費税率引上げの中止等についてお尋ねがありました。
 消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置付けております。
 消費税率の一〇%への引上げに当たっては、その使い道を見直し、子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当することとしており、引上げを中止することはありません。こうした使い道の見直しによって、我が国の社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。
 企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかり確保しております。
 また、税制の再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げ等を講じてきたところです。
 今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討をする必要があるものと考えています。
 働き方改革についてお尋ねがありました。
 過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない。強い決意で長時間労働の是正に取り組みます。
 罰則付き時間外労働の上限規制の導入などの働き方改革については、働き方改革実行計画の内容を踏まえ、法案の早期提出を目指します。まず、時間外労働の上限は、月四十五時間かつ年三百六十時間と法律に明記します。その上で、労使が合意した場合でも上回ることができない上限を年七百二十時間とし、その範囲内において、複数月の平均では八十時間以内、単月では百時間未満と定め、これらに違反した際には罰則を科すこととします。
 なお、高度プロフェッショナル制度は、働く方の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであり、残業代ゼロ制度との批判は当たりません。
 無期転換ルールについてお尋ねがありました。
 まず、無期転換ルールを避ける目的で雇い止めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げます。このため、無期転換ルールの適切な適用のため、都道府県労働局に特別相談窓口を設置するなど、企業への周知や啓発指導にしっかりと取り組んでまいります。
 御指摘の企業における事例については、現在、厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応を取ってまいります。
 憲法九条についてお尋ねがありました。
 我が国は、第二次世界大戦後、再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう決意し、不戦の誓いをより確かなものとするべく、平和国家の建設を目指してひたすらに努力を重ねてきました。恒久平和は日本国民の念願であります。
 この平和主義の理念は、国民主権、基本的人権の尊重と並ぶ日本国憲法の基本原則の一つであり、憲法前文は我が国が平和主義の立場に立つことを宣明し、第九条は平和主義の理念を具体化した規定であると考えています。
 憲法九条の改正についてお尋ねがありました。
 憲法改正の内容については、私は今、内閣総理大臣として答弁しており、自民党が検討している改正案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、自衛隊の存在が憲法に明記されることによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないものと考えており、御指摘は全く当たらないことを申し上げておきたいと思います。

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