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○山下よしき 日本共産党の山下芳生です。 古希、70歳と、喜寿、77歳という人生において大変喜ばしい節目の間に、後期、75歳以上という74歳以下の国民との間を非人間的に分断する制度設計が割り込んできました。4月から始まった後期高齢者医療制度は、横暴に社会保障を切り捨てた象徴的な事例です。 総理、総理の言葉に間違いありませんね。 ○野田首相 言葉というか、書いたということでございます、はい。 ○山下よしき ここにあるように、後期高齢者医療制度は74歳以下の国民との間を非人間的に分断する制度だと、横暴に社会保障を切り捨てた象徴的な事例だと、こう言って国民の支持を得て民主党は政権に就いたんですよ。 総理、今でも同じ認識ですか。 ○野田首相 年齢区分の在り方とその伝わり方についての懸念を当時持っていました。それはその後、運用面での改善はしてきていると思いますが、当時の思いは率直にこういうことでございました。 ○山下よしき 当時そういう思いがあったということですけど、総理は後期高齢者医療制度の問題点を三点にわたって具体的に指摘をされていました。このパネルの中段に抜粋してあります。 まず第一は、受け取る年金は消えているかもしれないのに、支払う健康保険料はしっかり満額天引きされるという不合理ですと。現に、年金は毎年減っているのに保険料はきっちり天引きをされております。総理の指摘どおりになりました。 さらに、総理は、第二は、年間18万円未満の年金受給者は保険料が年金から天引きされない代わりに、1年以上保険料を滞納すれば保険証を取り上げられてしまうことですと指摘していました。 厚労大臣、保険料の滞納者は何人か、うち、正規の保険証を取り上げられ、有効期間の短い短期証にされているのは何人か、お答えください。 ○小宮山洋子厚生労働大臣 平成23年度の後期高齢者医療制度の保険料の滞納者の数は28万5千人で、全体のおよそ2%です。そのうち、平成23年度に短期被保険者証を交付された被保険者の数はおよそ3万6千人、全体の0・3%になっています。 ○山下よしき たくさんの方がそうなっているんですね。 しかも、それだけじゃありません。保険料が払えずに差押えを受けた高齢者もいるんですね。厚労大臣、差押えの推移を報告してください。 ○小宮山厚労大臣 後期高齢者医療制度の保険料の滞納処分を受けた被保険者の数は、平成21年度はゼロ、平成22年度は829人、平成23年度は1792人です。 滞納から滞納処分までの間には一般的に一定の期間を置くために、制度施行後2年を経た平成22年度に初めて発生いたしまして、その後徐々に増加していますが、平成23年度は全体のおよそ0・01%で、ほとんどの被保険者の方にはしっかりと保険料を納めていただいています。 ○山下よしき 高齢者に重い保険を課す、その上、保険料を払い切れないからと、これ、病気になりがちな、みんな75歳以上の方ですからね、そういう高齢者から正規の保険証を取り上げ、しかも差押えまでやる、これは余りにも冷酷なやり方だと言わなければなりません。これ差し押さえられた金額、全国からいろいろ取り寄せて調べてみて驚きました。1万円とか2万円とか数千円という数字が並んでおります。総理、これはあなたの政権の下でこういう無慈悲な差押えが広がっているんですよ。責任感じませんか、総理。 ○小宮山厚労大臣 一つは、短期の被保険者証を渡しているというのは、頻繁に納付相談の機会を設けるために、その接触するという意味もあって有効期間の短い被保険者証をお渡しをしています。 ただ、今、そして滞納からそれを取っているという処分についてお尋ねでございますけれども、たとえ少額であってもやはりそれは払っていただくことがほかの方との公平という面から大切だと思って、そのようにやらせていただいているところです。 ○山下よしき 本当に無慈悲な答えだと思いますよ。実態分かっているのかと。 東京では、年金月6万円、83歳の方の預金口座が年金が振り込まれた途端に差し押さえられたんですよね。これ生きる糧を奪うものですよ。総理、これはあなたの政権の下でこれが起こって広がっているんですよね。責任感じませんか、総理。 ○小宮山厚労大臣 その滞納処分の実施につきましては、きめ細かな収納対策を適切に行った上で、保険料の納付について十分な収入とか資産などがあるにもかかわらず、なお納めない方についてそういう措置をとっているということでございます。 ○山下よしき 総理、どうですか。 ○野田首相 数字で見ると、それは確かに処分者数は増えていますけれども、その理由というのをよくちょっと調べないと何とも言えません。今申し上げた、厚労大臣のような傾向もあるのかもしれません。これはちょっとよく調査しなければいけないと思います。 ○山下よしき 無責任ですよ。調査もしないで、あるかもしれないと。私はさっき紹介したような事例を聞いていますよ。年金月6万円しかない方の振り込まれた年金の預金口座をその場で押さえているんですよ。そんなことがこれだけ増えているんですよ。責任感じないのか。 もう一つ、総理は第三の問題点として、75歳以上の高齢者の増加に応じて自動的に保険料が引き上げられる仕組みであることですと指摘していました。これはどうなったか。厚労大臣、今年度の改定で保険料は何%上がりましたか。 ○小宮山厚労大臣 後期高齢者医療制度の保険料は2年に一度改定されますが、今回、全国平均の一人当たり保険料額は月額300円、およそ6%増加する見込みです。 ○山下よしき 月額にしたら小さいかもしれませんけれども、2年間で6%もこれは上がっているんですよ、このデフレのときに。しかも、これで終わりじゃありませんね。厚労大臣、保険料の将来見通しについて報告してください。 ○小宮山厚労大臣 厚生労働省が今年3月に行った推計によると、後期高齢者医療の保険料の額は、平成24年、2012年度の賃金水準に換算した場合、2015年度に月額5800円程度、2020年度に月額6200円程度、2025年度に月額6500円程度となっています。 ただ、これだけ高齢者が増え、医療が高度化をし、医療費が掛かるときに、公費も多額入れています。それで現役世代にも負担をいただいています。そうなったときに高齢者自身にも一定の御負担をいただくということが必要だと考えています。 ○山下よしき 今の数字を厚労省の別の資料でパネルにいたしました。こうなるんですよね。 保険料は天井知らずに上がっていくんですね。2025年には今の5割増しになるんですよ。これではますます払えない人が増える、保険証が取り上げられて差押えが増える。 これ、ずっと見てきたように、この制度は、年金は減っているのに保険料は天引き、それで払えなければ保険証を取り上げられたり差押えされたりする。でも、保険料はずっと上がり続けるんですね。何でこんなにたくさんの問題がある制度なのか。もうはっきりしていますよ。75歳以上の方だけを集めて制度をつくったからですね。 総理もそのことはもう言っていたんですね。総理は、そもそも保険という考え方に立ちながら、ある年齢以上の方々だけを別枠にしてしまうというのは矛盾しています。病気にかかるリスクの高い高齢者だけを切り分けて保険が成り立つはずがありません、こう言っていました。この制度が続く限り、高齢者の苦しみは積もるばっかりですね。 総理、後期高齢者医療制度はきっぱり廃止すべきではありませんか。 ○野田首相 私は、ずっと毎朝街頭に立ってビラを配ってきました。そのことによって過去にいっぱい言動があります。たくさんあります。その当時の私の思いを一番率直に伝えた手段がこのかわら版なんですね。そのころと状況は変わったこともあります。当然のことながら、ここに書いてあることでも、例えば満額天引きであるとか保険証を取り上げられてしまうとか、そういうことの状況は変わっていることもあるんです。 こういうことは、是非通告をしていただければ大変有り難いと思います。当時はこんなこと言ったじゃないかと、きちっと調べ直してみれば説明できることは多いんです。是非ちょっと、そういう御質問をお願いをしたいと思いますが、後期高齢者については、今は関係者の御理解をいただきながらの私どもの今提案をさせていただいているところでございまして、これが私どもの全ての考え方であります。 ○山下よしき このブログの最後に、私たちは後期高齢者医療制度の廃止を目指します。「野田よしひこ」と書いてありますよ。このときと事情が変わったと言いますけれども、この制度の根幹は全然変わってないですよ。変わったのはあなたの姿勢じゃないですか。 総理、廃止しないんですか。廃止を目指すと書いてあるのに続けるんですか。 ○野田首相 したがって、関係者の理解を得て法案提出に向けて今いるということでございます。 ○山下よしき 幾ら聞いても廃止するとは言えない。何でかと。これ、自民党、公明党と談合して消費税増税法案を通すためですね。そのために、この悪い後期高齢者医療制度を廃止することを棚上げするということですよ。 結局、あなたが政治生命を懸けるという社会保障・税一体改革というのは、消費税は上がる、社会保障は一層悪くなるということですね。こんな道に未来はないということを申し上げて、質問を終わります。
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