あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
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日中議員会議での発言

2009年03月26日

日中議員会議発言               日本共産党・山下芳生

 日本共産党の山下芳生です。全人代代表団のみなさんの訪日を心から歓迎します。また、昨年12月、北京で行われた日中青少年友好交流年中国側閉幕式に福田康夫前首相とともに参加した際、親切な対応をしてくださった関係者のみなさんにこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

 さて、「日中戦略的互恵関係」について、私の意見を述べます。日中両国関係は、一時期、「政冷経熱」といわれるほど冷え込んでいました。その根本には、歴史認識の問題があります。しかし、2006年10月、訪中した安倍晋三首相と胡錦涛国家主席が日中首脳会談をおこない、「歴史を直視し」、「共通の戦略的利益に立脚した互恵関係の構築に努力」することを確認したことで、新しい局面が開かれました。

 その後、温家宝首相の訪日、胡錦涛国家主席の訪日と「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」の調印、日中青少年交流など、日中両国政府間、国民間の友好関係が前進していることを喜んでいます。

 友好関係を継続・発展させるうえで、歴史認識での逆流を克服することが大事です。その点で、昨年、日本の政治にはひとつの事件が起こりました。航空自衛隊トップの幕僚長が、日本の侵略を否定する論文を発表したのです。国民のなかで大きな議論となり、日本政府は、この人物を幕僚長から更迭しました。また、わが党の国会での指摘もあり、この人物が自衛隊幹部教育のなかに設けた不適切な「歴史観」の講座は中止されることになりました。

 私は、「歴史を直視し」、侵略戦争を正当化する逆流を許さないことは、日中両国の友好関係の継続・発展の土台となるだけでなく、日本が世界とアジアのなかで生きていく根本にかかわる問題として、重視し続けなければならないと考えています。

 「戦略的互恵関係」にかかわってもうひとつ、北東アジアの平和と安定について、意見を述べます。この問題では、朝鮮半島の非核化を目標とする6カ国協議の枠組みと、そこで採択された2005年9月の共同声明の内容が重要だと思います。 

 共同声明では、「6者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した」と述べ、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議し、北東アジア地域における安全保障面の協力を促進する方策について探求するとしています。

 私は、6カ国協議の議長国としての中国の努力に敬意を表するとともに、6カ国協議の枠組みが、当面する核問題の解決を進め、さらに北東アジアの平和と安定を保障する新たな枠組みへと発展することを展望し、期待するものです。

 その点で、現在、憂慮すべき問題があります。北朝鮮が4月に「人工衛星」を打ち上げるとしている問題です。2006年10月に採択された国連安保理決議1718は、朝鮮半島の非核化の達成と北東アジア地域の平和と安定の維持のために、関係国は「外交努力を強化し、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控える」としています。

 私は、北朝鮮はもちろん、日本を含む関係国も、軍事的対応で緊張を悪化させることはやめることが大事だと考えます。こういうときこそ、6カ国で協議することが求められていると思います。北朝鮮が発射を予告している日時までまだ9日間ありますから、その間に、緊張を悪化させるような事態にしないための最大限の努力を注がなければなりません。

 以上、「日中戦略的互恵関係」について私の考えを述べました。きょうの会議のように、日中間で関心のある問題を、双方の議員が率直に意見交換できる場があることを喜んでいます。この会議が、日中間の政治的相互信頼の増進に資することを期待して、発言を終わります。ありがとうございました。

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