乳児守る体制なし 認可外施設の男児死亡事故を追及---参院内閣委で母親の手紙紹介
2016年04月28日
3月に乳児の死亡事故を起こした東京都内の事業所内保育施設(無認可)で、保育士資格もなく経験の浅い保育者が配置されるなど安全を確保する体制になっていなかったことを明らかにしました。28日、参院内閣委員会で取り上げたものです。
事故が起きたのは、アルファコーポレーション(坂本秀美社長)が運営する東京都中央区のキッズスクウェア日本橋室町。亡くなったのは1歳2カ月の男児で、施設長の指示で窒息などの危険が高い、うつぶせ寝にされていました。担当は保育士資格のない非常勤職員で、他の作業をして異変に気付かず、人工呼吸をしたのも迎えに来た母親でした。
私の質問に厚労省は、「国の保育指針でうつぶせ寝は避けなければならず、事情がある場合でも呼吸を確認しなければならないが、なされていなかった」と認めました。
同施設は22人の乳幼児に有資格者は4人、1年3カ月の経験しかない人が施設長となり、他の3人も1〜4年の経験しかありません。認可外施設基準は満たしているというが、専門的知識を持つ有資格者と経験が圧倒的に不足しています。配置基準の見直しなどを求めました。
また、坂本社長が、内閣府の子ども子育て会議の委員であり、国や都の基準や指針が守られず、子どもの命が失われたことは重大です。「規則や指針で安全を掲げても、現場の保育士たちが余裕をもって保育にあたれなければ実効性に乏しい。子どもを犠牲にしないでください」と訴える男児の母親手紙を読み上げ、待機児童緊急対策として子どもを詰め込むのではなく、保育基準の引き上げこそ政治の責任だと指摘しました。
加藤勝信担当相は、「資格があろうがなかろうが安全確保に努めることは当然」とのべるにとどまりました。