「リーダーに大切なのは思いやり」――OECDグリア事務総長に共感
2011年04月22日
訪日されたOECDのアンヘル・グリア事務総長主催の集いに出席。2007年10月、仏ストラスブールのOECD本部でお会いした関係で招待を受けました。
同年12月、東京の集いでお会いした時に、「欧州評議会でのあなたの演説は聴く人を魅了するとてもいい演説でした。いい演説をするために大切なことはなんですか?」と質問したところ、グリア氏は笑いながら胸に手を当てて、「ハートです。相手を説得するためには、まず自分が信じなければなりません」と答えてくれました。
きょうは、「あなたのアドバイスを実践しています」と伝えたうえで、「(東日本大震災が発生した)このような危機の時に、リーダーにとって大切なことはなんですか?」と質問。
グリア氏は即座に、「思いやりです。とくに弱い立場の人々のこと、自分では立ち上がることができない人々のことを考えることです。それが政治家、リーダーの役割です」と答えてくれました。すばらしい答えです。ぜひとも今後の救援・復興活動に生かしたいと思います。
そこでグリア氏に、先日訪ねた宮城県東松島市、塩釜市のフォトレポートを渡すと、すべてのページに目を通し、私の説明を聞いてくれました。塩釜の魚市場が早くも再開したこと報告すると、グリア氏は「ベリー・グッド」と笑顔に。
★ところで、けさの「日経」1面に「OECD 日本に改革求める 消費税率 段階上げ案も例示」との記事が載りました。OECDの対日審査報告書(2011年版)に明記されているというのです。
(これは難儀だな。グリア氏とは気持ちよく再会したかったのに…)と思いながら集いに出席したのですが、冒頭のグリア氏のスピーチは、東日本大震災に対するお見舞いとあらゆる協力を行う用意があることの表明、今後の日本経済の成長見通しとその基礎的条件についてであり、消費税増税については一切言及なし。
むしろ、「日本では短期間の雇用、悪条件の雇用が増えている。こういうときに一番先に解雇されやすい」と日本の雇用の質の悪化を危惧する内容もありました。
OECD東京センターの中谷好江所長に、「報道とスピーチが違ったので、おや?と思いました」と話すと、「そうなんです。きのうの(日本記者クラブでの)講演でもグリア事務総長は消費税のことは言ってないのです。報告書には書いてありますが…。なのに消費税だけが大きく報じられました。私たちは全部をみていただきたいのです」とのことでした。
私が、「日本共産党の政策にもOECDのデータを多用させてもらっています」とお礼を述べると、「ありがとうございます。ただデータは使ってもらえるのですが提言までは使ってもらえていません。『その政策は日本では無理だよ』というご意見でも聞かせてほしいと思っています」と中谷氏。
「わかりました。レスポンスを届けます」と私。そのためにもOECDの様々な報告書を研究したいと思います。