都内の保育所を視察 日本にストライカーが生まれないわけは…
2010年04月20日
午後、総務委員会で東京都内の保育所を視察してきました。1カ所目は江東区豊洲の認可保育所「ひまわりキッズガーデン豊洲」。ちょうどお昼寝の時間で、96人のかわいい子どもたちの寝顔をながめながら、しずかにしずかに施設を見てまわりました。
3年前にできた保育所はさすがに新しい。ランチルームは明るくて清潔でした。でも保育室の面積は最低基準ぎりぎり。「弾力化」の名の下に、ランチルームの面積を「活用」して、2歳児の定員を3人増やしているとのことでした。
ランチルームは調理室とつながっています。「おかわり」はここから子どもたちが自分でするそうです。
都会のマンション林立地域の保育所は周辺環境にも気を遣います。窓ガラスは右方向が見えないような遮光性のものでした。「子どもの声がうるさい」という声もあり、窓は開けない約束になっているそうです。
幼児用トイレはとてもちっちゃい。
ありました!3階から2階へ、2階から地上への避難用すべり台。らせん状になっています。3〜5歳児は自分で上から下にすべり降り、0歳、1歳児は、保育士と保育士の間に入れて、あるいは背中におんぶしてすべり降りるそうです。毎月1回、北側あるいは南側から火が出たことを想定して避難訓練しているそうです。これは絶対になくせない!
園庭は地方の保育所と比べるとすごく狭い。元Jリーガーの友近議員に「これじゃサッカーは無理ですね」と声をかけると、「リフティングしかできません。日本にストライカーが生まれないのは園庭が狭いからかも…」とのことでした。やはり最低基準はなくすのではなく、引き上げこそ必要です。
★続いて、中央区晴海にある東京都認証保育所(国の最低基準よりゆるい基準でつくられています)「小学館アカデミー ベイシティ晴海保育園」を視察。なんと地上49階建ての高層マンションの2階部分が保育園でした。今年の1月に開設したばかりで45人の定員です。
東京都の認証保育所には園庭がありません。近くの公園まで歩いて出かけて遊んでいるそうです。園長先生は行き帰りの交通安全に気を遣うとのことでした。
保育室は、乳児用(写真)と
幼児用(写真)の2つ。他に多目的室(ごはんやおやつを食べる)、調理室がありました。
東京都の認証保育所では、保育従業者は「保育士以外の者も可」だそうです。こちらの保育園では正規職員は全員保育士だとのことでした。
また、乳児室の面積は国基準と同じく一人あたり3・3uとなっていますが、5月以降は「弾力化」で2・5uにしてもいいことになっているそうで、これは東京都による「つめこみ」の認証だと感じました。
いずれも貴重な視察となりました。今後の審議に生かしたいと思います。ありがとうございました。
★けさの総務委員会で予定されていた公明議員氏の質疑ができなくなってしまいました。理由は、「地方自治法改正案」(地域主権改革関連)の条文に間違いがあったため。政府が国会に提出した法案が間違っていたと、あとから分かるとは情けない。当然、きちんとした「訂正」の手続きがされない限り委員会審議はできません。というわけで、今週の法案採決はできなくなりました。
★朝と夕方、厚労省の役人や高官が私の部屋を訪ねてきました。4月13日の総務委員会で、政府は、児童福祉法の最低基準をなくし地方の条例に委任する、「従わなければならない基準」を厚生労働省令で定める、としているが、その内容をひとつひとつ国会に出してもらわなければ責任をもって審議できない、と山井厚生労働政務官に求めていた件です。
「申し訳ありませんが、これ以上出せません」と持ってきたのはA4のペーパー1枚のみ。そこには委員会で山井政務官が答弁したのと同じ文言が書いてあるだけでした。まったくお話になりません。いくら頭を下げられても、子どもたちの発達と命にたいする国会の責任を曖昧にするわけにはいきません。断固、がんばりたいと思います。