「地域主権」の名で、子どもの発達に対する国の責任放棄はやめよ 原口総務相に質問
2009年11月17日
総務委員会で原口総務相に質問しました。テーマは「地域主権と保育所の最低基準」。
首相や総務相が、新政権の“1丁目1番地の改革”としているのが「地域主権」改革です。私も「地域のことは地域に住む住民が決める」という改革を全否定するつもりはありません。しかし、何でもかんでも「地域が決める」ということでいいのか?
たとえば、国が決めている「保育所の最低基準」。施設の面積基準や保育士の配置基準などが決められています。これは全国どの地域でも、子どもたちが健やかに成長・発達できる環境を保障するために必要な最低限の基準です。「地域主権」の名の下に、この基準を緩めたり、引き下げたりすることは絶対にあってはなりません。
ところが、原口総務相は「それも地域が決めるということ」と答弁しました。子どもたちの発達保障に対する国の責任放棄です。
“面積基準を緩和すれば、保育所の新設がすすみ、待機児童が解消される”との主張も見受けられますが、それは机上の空論です。面積基準の緩和で真っ先に起こるのは、保育所の新設ではなく、既存の保育所にいま以上に子どもたちを詰め込むことです。
現に、自公政権は、保育所を増やさず、「定員の弾力化」によって保育所への子どもの詰め込みを認めてきました。その結果、大阪府では毎年1万人近い子どもたちが定員を超過して保育所に詰め込まれています。大阪市では定員の200%を超える子どもが入所している民間保育所もあるのです。
最低基準・面積基準が引き下げられれば、「詰め込み」がいっそう拡大されることは火を見るよりも明らかです。
原口総務相も「そういうことが起こる可能性もある」と認めました。非常に重大な答弁です。
未来を担う子どもたちの発達・成長を保障するために、「保育所の最低基準」の引き下げを許さない論戦と運動を一段と強めなければなりません。