岩手県九戸村、紫波町を訪問 学生とトーク 岩手革新懇で講演
2009年11月03日
岩手県に行ってきました。この秋いちばんの冷え込みで、時折粉雪も舞うなか、2日は九戸村と紫波町を訪問、夜は大学生のみなさんとトーク。3日は「しんぶん赤旗」おすすめと岩手革新懇の総会で記念講演でした。
★2日、早朝5時に大阪の自宅を出て、東海道新幹線、東北新幹線を乗り継いで二戸へ。そこから車で北上山地の峠を越えると九戸村(くのへむら)です。すでにピークを過ぎたとはいえ都会では見られない紅葉と田園風景に心が和みます。
県北にある人口7,000人の九戸村は、合併せず自立した村としてがんばっています。岩部茂村長と懇談。
「合併というのはいつも中心部に周辺部が吸収される。衰退するのは当然。それでも平成の大合併がすすんだのはH16年の交付税ショックが大きかった。国が財布の紐をびりっと締めれば地方は降参するしかない」
「九戸の基幹産業は農業。ブロイラーの出荷は全国一で年間1,800万羽、110億円になる。農業の担い手育成のため、村独自で新規就農者に3年間月10万円の支援をしている。農協と協力してピーマン、ネギ、トマト、ニンジンの価格保障もやっている」
「やっぱり、ここで生まれた限りは、できればここで生活したいと誰しも思っていることだと思う。東京へ出ていっても、九戸はどうなってる、どうなってるといつも気にしている。できるならいつかは帰りたいと思っている。そんな人におらほの村はええことやってると安心してもらいたい」
東北の山間地でふるさとを守る村長さんの珠玉の言葉の数々に、深い感銘を受けました。橋本敏夫、久保えみ子村議が同席してくれました。
★続いて、盛岡市近郊の人口33,000人の町、紫波町(しわちょう)を訪問。藤原孝町長と懇談しました。
紫波町を訪ねるのは7年ぶり。前回は、アイワ岩手の工場閉鎖による雇用と地域経済への影響を調査する目的でした。当時、藤原町長は、企業の社会的責任を問うとともに、誘致企業に頼らず、地域の資源(豊かな自然、山林、農業など)を活用した地域経済活性化策に取り組んでおられました。
徹底した町民参加で“環境と福祉のまちづくり”のビジョンを策定し、町産材を使った小学校建設、家庭生ごみの堆肥化、町内7カ所の産直センターなど目を見張る実践がされていました。
その藤原町長と再会することができとてもうれしかった。町民との懇談会も年3回×12カ所で続けられ、町産材を使った小学校は2校に、産直センターは10カ所に増えていました。東京の大学生の夏休み3日間の間伐体験を町民ぐるみで受け入れ、紫波町で働きたいという若者も生まれているとのことでした。ますますうれしくなりました。
斉藤信県議、村上充、細川恵一町議が同席してくれました。
★九戸村でも紫波町でも大きな不満と不安の声が出されたのが、それぞれの地域にあった県立病院が4月に無床化されたこと。村内、町内に入院できる病院がなくなりました。総務省の「公立病院改革ガイドライン」が、ふるさとを壊す引き金となっていることに胸が痛みます。(写真は、九戸村の元県立病院)
★夜、学生のみなさんとトーク。ホームレス支援のボランティアサークルを立ち上げた人、教師、看護師、弁護士をめざす人などがあつまってくれました。
「奨学金を借りた額がすでに400万円。しかも、これから大学院に進学する。返せるか不安です」
「公共事業が減ると建設関係の雇用を整理しないといけないのでは?」
「正社員が夜中の1時2時まで仕事を続けている一方で、派遣切りとはバランスが悪すぎると思います」
「共産党の政策は良くわかるが、大企業と政治の癒着が強いもとで実現可能?」
「共産主義ってなんですか?」
などの質問・意見が出され、予定時間を超える熱心な討論となりました。
若者たちの問題意識の深さ、行動力のたくましさには感心させられました。またお会いしましょう。
★岩手といえば岩ガキ。大きな身をほおばると、なんともいえぬ甘さと新鮮な歯ごたえにうならされます。あ〜、来てよかった。
★4日、午前中、鈴木つとむ盛岡市議、地域の党支部のみなさんと「しんぶん赤旗」の拡大行動。
★午後、岩手革新懇の総会で「新しい政治情勢と運動の方向」と題して1時間15分の記念講演。
▼日本の政治の新局面は革新懇運動の出番の情勢、▼新しい国会での各政党のポジションが浮き彫りになってきた、▼国会論戦とともに国民的なたたかいが決定的に重要、▼自民党政治に代わる新しい政治の中身を国民とともに語り合う活動も待たれている
という柱でお話しました。
超充実の岩手2日間の旅。おせわになったみなさん、ありがとうございました。