あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
トップページ ご意見・ご要望をお寄せくださいサイト内検索


■新着情報■

オバマ演説に考える

2009年09月12日

 「無保険に苦しむ多くの国民を抱える先進国は地球上で米国だけだ」――オバマ米大統領は議会でこう演説し、医療保険制度改革実現への決意をあらためて示しました(9日)。

 よく知られているように、アメリカには日本のような国民皆保険制度はなく、公的医療保険制度があるのは高齢者向けと低所得者層向けだけです。中間層は民間の医療保険会社と契約するしかありません。しかし、貧困層向け公的保険を受けるには所得が高すぎるが、民間保険の高い掛け金は払えない多くの人々が無保険者になり、大きな問題となっています。

 アメリカの無保険者は人口の15%、4600万人にのぼります。こういう人たちが医療から疎外され、必要な治療を受けることが出来ないまま、重症化し死亡するケースが後を絶ちません。

 私は、「無保険者に保険を提供することが必要だ」「誰もが手軽に入れる医療保険を」というオバマ大統領の提案は、すべての国民に歓迎されるものと思っていました。ところが、この問題が米国内で激しい賛否の議論を巻き起こし、高かった大統領の支持率も急落していると、日本の総選挙が終わった直後にTVで知って驚きました。

 賛成派の民主党議員らがそれぞれの地元で開いた対話集会に、反対派の人たちが押しかけ、「社会主義だ」などの激しい言葉で医療保険制度改革を批判する様子が、NHKの番組で紹介されていたのです。いったいどうして???

 こうした動きの背景に、“公的医療保険制度の拡充は自らの利益を害する”との立場からの、民間保険会社による大反対キャンペーンともろもろの策動があることはまちがいないでしょう。マイケル・ムーア監督が映画『シッコ』のなかで暴いた、病院と医師を支配下に置き、人の命と健康まで利潤追求の道具にするアメリカの保険会社の実態がここにあります。

 “むき出しの資本の論理と行動”に対し、オバマ大統領は、議会で異例の演説をおこない国民に直接呼びかけました。オバマ氏は決して「社会主義者」でも「共産主義者」でもありません。しかし、彼はこの問題ではまちがいなくヒューマニストです。

 その演説がアメリカ国民にどれほど伝わるか、資本の論理と行動に対し、どれほどの有効性をもちえるか。大いに注目していましたが、演説直後の世論調査では、オバマ大統領の改革を支持すると答えた人が、演説前から14ポイント増えて67%に達しました(米CNNテレビ)。たいへんうれしい結果です。

 いま、アメリカ社会も、日本社会も、大きく変化しようとしています。その変化が、最大多数の人々に幸福をもたらすものとして結実するかどうかは、資本の論理と行動をいかに制御するかにかかっている――そのことが、アメリカでも日本でも日々明らかとなる時代に入ったのではないかと感じます。

感想をお寄せください。(メールニュースなどで紹介する場合があります)
■おなまえ
 ※必須
■ペンネーム(ハンドルなどを匿名希望の場合ご記入ください)
 
■メールアドレス《email》
 ※必須
■ご感想(300字まで)
 

   
ページ最上部へ   トップページへ    

 ■山下芳生国会事務所  〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1123号室 TEL:03-6550-1123 FAX:03-6551-1123

 日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所〒537-0025 大阪市東成区中道1-10-10ホクシンピース森ノ宮102 TEL:06-6975-9111 FAX:06-6975-9115

本サイトへのリンクや、文書・写真などの複製・転載などにつきましては、事前にご連絡をくださるようお願い致します。
Copyright since 2003, Japanese Communist Party. All right reserved.