☆歴史の真実に向き合ってこそアジアと世界に信頼される
NHK討論 山下書記局長が指摘【しんぶん赤旗3/31付より転載】
日本共産党の山下芳生書記局長は30日、NHK「日曜討論」に出演し、オランダ・ハーグで行われた日米韓首脳会談(日本時間26日未明)の評価を問われ、「日韓首脳会談にはまだ距離があります。歴史の真実に向き合い、誤りを認め、未来にいかしてこそアジアと世界から信頼されると思います」と語りました。
○日本軍「慰安婦」問題で「河野談話」を攻撃する動き
このなかで山下氏は「一部勢力から日本軍『慰安婦』問題でおわびと反省をのべた『河野談話』を攻撃する動きがありますが、政府は反論もせず、迎合的な態度をとっています」と指摘しました。「河野談話」と「慰安婦」問題の真実を事実で明らかにした志位委員長の見解(14日発表)を、現在、国会議員や大使館、内外のメディアに届けていることを示し、こうした取り組みは「本来は政府がやるべきことです」とのべました。
これに対して自民党の石破茂幹事長は「迎合していない」といいながら、「(談話が)どういう経緯でできたのか『検証』する。しかし、『見直し』はしない。パーフェクトにつじつまがあうことはないかもしれないが、何が一番の国益かを判断しながらやっていく」などとのべ、「談話」をめぐる政府・与党の態度が矛盾していることを認めました。日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は「事実と違うことが『談話』に盛り込まれているのではないかということは検証し、見直すべきところは見直すべきだ」と主張しました。
山下氏は、「『河野談話』の後、日本の裁判で元『慰安婦』の証言を正確に精査し、強制的に『慰安婦』にさせられたということが事実認定されています」とのべました。
○消費税増税
政府が4月1日から強行を狙う消費税の大増税にかかわって、山下氏は医療・介護や労働者派遣法の大改悪をあげ、「安倍政権による“国民の暮らし壊しの大暴走”にストップをかける必要があります。景気好循環どころか悪循環です。安倍首相がやろうとしていることを全部やめることが一番の景気対策だと思います」と指摘しました。
○「集団的自衛権「容認」問題
NHK討論では、 集団的自衛権の行使容認の是非をめぐって討論となりました。日本共産党の山下芳生書記局長は、政府・自民党の一部で浮上している、“他国の領土に入らない”“公海上に限る”などといった「限定的行使容認」論を厳しく批判しました。
山下氏は、「集団的自衛権とは、米国などが攻撃されたときに、日本が直接攻撃されていなくても武力行使できるようにすることだと、安倍晋三首相も国会で認めた。日本が攻められてもいないのに自衛隊員を海外の戦場に送り出して命を危険にさらし、外国の人の命を奪うことになる。こんな重大なことを憲法解釈の変更でやることは絶対に許されない」と指摘。「限定的(行使)と言っても、日本に対する武力攻撃がなければ、武力行使は絶対に認められなかったのを、日本に対する武力攻撃がなくても、同盟国アメリカが戦争を始めたら日本も一緒に出かける。これはまったく違います」と批判しました。
司会の島田敏男解説委員は、「根っこの部分がちがうわけですね」と応じました。
自民党の石破茂幹事長は31日から始まる首相直属機関での協議について、「論点は多々あるが、どうすれば戦争にならないかを議論する」と発言。これについて山下氏は「戦争にならないためにはまず外交だ。北朝鮮問題も、日本を含む関係国が6カ国協議で解決しようと努力している」と指摘しました。
その上で、「日本はイラクやインド洋に派兵したが、憲法9条が歯止めになって“戦闘地域に行かない”“武力行使はしない”ということになった。集団的自衛権の行使容認になると、この歯止めが取り払われる。戦争にならないどころか、逆にこれまでできなかった戦争をできるようにするのが集団的自衛権だ」と反論しました。