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論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 障害ある子どもたちの人間として発達する権利保障は社会全体の責務

2008年5月19日 参議院・決算委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、養護学校の寄宿舎の役割について、文部科学大臣に質問をしたいと思います。
 私が養護学校に寄宿舎があるということを知ったのは一年半前でございました。滋賀県の親子無理心中の事件がきっかけでありまして、一昨年の暮れに、滋賀県で障害を持つ二人の娘さんと四十三歳のお父さんが無理心中する事件がありました。新聞は、障害者自立支援法による負担増とともに、娘さんの通っていた養護学校の寄宿舎が二年後に廃止される問題が背景にあると報じておりました。この心中事件の三年前から娘さんはお二人、養護学校に通うようになったんですが、すぐお母さんが病死をされるわけです。病死、お母さんがされた後、二人の娘さんを寄宿舎に預けて、週末、金曜日になると娘さんは自宅に帰ってこられると。週末はお父さんと娘さん一緒に過ごしていたそうですが、もし寄宿舎がなくなったら、毎日仕事をしながら、二人に食事を作って食べさせて、おふろに入れるなどお父さんの負担がとても重くなることは目に見えておりました。
 そういうことがあるんだなと、寄宿舎というのは非常に大事な役割を果たしているなと強く思った次第なんですが、この事件の直後に、ある障害を持つ子供さんを持つお母さんから私、お手紙をいただいたんです。養護学校の寄宿舎が、こうした家庭の負担を軽減するというだけではなくて、子供たちの発達、自立にも大きな役割を果たしているとお手紙には書かれてありました。そして、その方にとっては、もし寄宿舎がなかったら母と娘がこんなに明るく元気に生きていくことはできなかった、是非見に来てほしい、国会で取り上げてほしいという訴えでありました。
 もう随分前ですけれども、そういう経過がありましたので、私の頭の中にこの問題がずっと刻まれておりまして、今年になって二月、手紙をくれた方の娘さんが入舎している滋賀県のある養護学校の寄宿舎を見学させていただきました。
 学校と寄宿舎は廊下でもうすっとつながっておりまして、そのときは二十三人の子供たちが寄宿舎に入舎しておりましたけれども、十五人、指導員が交代で夜も付添いをされております。居室は大体三人か四人の相部屋、そのほかに暖房で暖かくなっているトイレルームがあったり、おふろや食堂もありました。ちょうど行った時間帯が午後三時ごろでして、養護学校で授業を終えた子供たちが電動車いすに乗って廊下をずっと寄宿舎の方に何人も帰ってきておりました。お帰りと声を掛けますと、にっこり笑顔を返してくれたわけであります。
 こういう寄宿舎がたくさん全国にあると思うんですが、まず文部科学省に伺いますが、全国の盲・聾・養護学校、今は特別支援学校と呼んでいるそうですけれども、その数、それからそのうち寄宿舎のある学校の数、それから寄宿舎に入居している児童生徒の数、指導員の数、幾らでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長 お答えを申し上げます。
 平成十九年度の学校基本調査によりますと、平成十九年五月一日現在で、特別支援学校の数は国立四十五校、公立九百五十四校、私立十四校でございまして、合計で千十三校となってございます。
 それから、こうした特別支援学校の寄宿舎の数でございますけれども、平成十九年度では三百三十三校となっておりまして、千十三校のうちの三二・九%の特別支援学校に寄宿舎が設けられているところでございます。
 また、特別支援学校の寄宿舎に入居する児童生徒の数でございますが、平成十九年度では一万二百二十九名となっております。また、特別支援学校の寄宿舎指導員の数につきましては、平成十九年度は四千八百七十六人となっているところでございます。

山下よしき 一千の特別支援学校の中で三百三十三寄宿舎があって、約一万人の子供さんがそこで暮らしているということであります。
 私、その滋賀県の寄宿舎を訪ねまして指導員の先生や保護者のお母さんのお話を聞きまして、養護学校の寄宿舎というのが通学困難や家庭事情の対策にとどまらない、障害のある子供たちの発達にかかわる大事な役割を担っていると感じたんですが、まずそうはいっても、家庭の事情をちゃんとフォローできるのは寄宿舎あってこそだということを感じたんです。
 例えば、あるお母さんは、親はぎりぎりの追い詰められ方をしている、子供は大きくなる、自分よりもうんと大きくなる、だから腰もそれから股関節も痛くなる、ぷつんと一つ切れたら、そう思うと、あの心中された親子の気持ちはよく分かりますとおっしゃっておりました。親が安心して預けられるところがあるというのは物すごい安心感なんだとおっしゃっていました。
 それから、別のお母さんは、障害のあるお姉ちゃんが寄宿舎に入るようになって初めて、弟さんがいらっしゃるんですけれども、この子がお姉ちゃんと僕とどっちが好きと初めて聞いたと言うんですね。それまでは、お姉ちゃんのことに大変やっぱりお母さんが力を入れなければならぬというのが分かるわけで、お姉ちゃんもお母ちゃんも僕が守らなあかんというふうに思っていたんでしょうねと、母子家庭でもあるからというふうにおっしゃっていましたけれども、初めてそういう声が弟さんから出てきた。私もということでお母さんが言うには、あっ、私この子の顔見て今御飯食べているわと、お姉ちゃんが寄宿舎に入った後、初めて弟の顔を見ながら御飯を食べられたと。それまではお姉ちゃんの方ばかり見ていたと言うんですね。
 非常にそういう意味では、障害を持つ子供さんを持つ家庭が希望を持って生活する、成長、発達していく上でこの寄宿舎というのは大変大事な役割を担っているなということを生の声を聞いて思ったんですが、渡海大臣の感想をまずお聞きしたいと思います。

渡海紀三朗文部科学大臣 これは委員が直接お聞きになった話でありますから、本当にそうなんだろうなと。今いろいろお話を聞かせていただいて、やっぱりそれぞれの御家庭で環境は違うとは思いますけれども、そういうことだけではない共通の問題点というのか、今御指摘いただいたのは宿舎が果たす役割ということだと思いますけれども、そういったことをしっかりととらえて、我々はこれからも特別支援教育という問題をとらえていかなきゃいけないというのが私が今率直に感じた感想でございます。

山下よしき 続いて、養護学校の寄宿舎の役割について少し御紹介したいんですけれども。
 私は、そういう家庭の事情をフォローする役割にとどまらない、子供たちが自立をし社会参加する力を培う場所に寄宿舎がなっているということに非常に感銘を受けたんです。
 私が参りました寄宿舎では、特別なことをやっているわけではないんですね。養護学校から帰ってきたら、おふろに入ったり、それから御飯を食べたり、寝たり、翌朝ちゃんと起きて排せつをして、また元気になって学校に行くと。ごく普通の生活をしていますとおっしゃっていましたけれども、実はこのごく普通の生活の中で子供たちが獲得するものが大変大きいと言うんですね。
 ある指導員の方はこうおっしゃいました。ここに入って何かボタンを付けられるようになったとかもあるけれども、価値観が広がることが大きいと言うんですね。自分と価値観が違う人もいるんだと、ほかの障害を持つ子供さんであったり指導員だと思いますが。ですから、御飯を食べたり着替えというのは介助してもらう人があったらできるけれども、しかし豊かな人格をはぐくむというのは、これはだれも介助してくれない、自らそういう環境の中で獲得するものだというお話でした。
 健常者と交わることも大事、何かしてもらうことも大事だけれども、同じような障害を持つ対等な子供たちの中で付き合う中で、お互い調整する力、その指導員さんの言葉は子供同士で折り合いを付ける力というふうにおっしゃっていましたけれども、これが身に付いていくということが大きいと。これは非常に教訓的だなと聞いたわけです。
 それからまた、お母さんはこうおっしゃいました。だれの手からでもちゃんと御飯が食べられるようになること、それからだれの手でもスキンシップで意思を伝えることができるようになること、これがこの子にとってキーワードなんですと。いずれ私の手から離れなければならない、私の方が年は先に取ると。そのときに、私からしか御飯を食べられない、私にしか意思を伝えられない子であってはこの子の将来の自立や社会参加は狭いものにしかならない、だからそうおっしゃるんですね。
 確かに、障害の重い子供さんの自立というのはなかなか難しいとは思いますけれども、援助を受ける、受けれるキャパシティーといいますか、お母さんからしか御飯を食べさせてもらえない、お母さんとしか一緒に寝ることができないんじゃなくて、だれとでもそういうことができるようになるということはその子の自立できる可能性を大きく広げることになるんではないかなというふうに学んだわけです。
 そういう点で、寄宿舎のほかの子供さんや指導員とのかかわりの中でそういう大切な発達を遂げている子供たちを見て、寄宿舎の果たす役割、これは非常に大事だなと私は思った次第ですが、この点、大臣、いかがでしょうか。

渡海文科大臣 私は、ちゃんと行かなきゃいけないと思いますが、残念ながらその現場を見たわけでもありませんけれども、委員がおっしゃっているような問題意識というのは、いろんな議論の中で、自立のため、そして社会参加のために大変寄宿舎が重要な役割を果たしているというレポートは届いておりますので、今おっしゃったような効果というものは寄宿舎は非常に持っているんだろうなというふうに思います。
 そういうことを前提に、先ほども申し上げましたけれども、特別支援教育というもの全般についてどういうふうな制度設計をしていくかということを考えていかなきゃいけないというふうに思いますが。

山下よしき 非常に重要な御答弁だったと思います。
 実は、文部科学省が平成十三年の一月十五日、二十一世紀の特殊教育の在り方についてという報告書の中で、この養護学校の寄宿舎の役割について、今大臣がおっしゃったようなまとめ方をされております。
 これ、文部科学省に確認しますけれども、この文書は、新しく学校教育法が変わった下でも、寄宿舎の役割、しっかりと今もこの内容で位置付けられていると理解してよろしいでしょうか。

金森局長 特別支援学校における寄宿舎の果たす役割について、基本的な考え方は同じであると考えております。

山下よしき 確認させていただきました。
 私がこの寄宿舎のある養護学校を訪ねて、もう一つ大事な役割があるなと感じたことがあるんです。これは滋賀ではなくて別の大阪のある養護学校の話なんですけれども、この養護学校は、元々は病弱な子供さんが通うあるいは入舎する学校であり寄宿舎でした。戦後すぐは結核の子供さんたちに始まって、その後、肥満児それから不登校児、発達障害児と、この学校と寄宿舎が受け入れてきた子供たちは時代によって違ってきているんですね。社会の変化に伴って子供たちの抱える心身の困難、その現れ方も変化するんだなということがこの歴史を見ただけでもよく分かりました。その変化に対応してどうすれば子供たちの生きる力、自立する力を引き出すことができるか、この大阪の養護学校と寄宿舎の先生たちは常に模索しながら実践を積み上げて、理論を練り上げてきているなというふうに感じたんです。
 最近の具体的な子供さんの事例を聞きました。小学生時代から学校に行けずに、一年前にこの学校に来たときも車いすやベッドの上で嘔吐を繰り返していた中学生のA君。彼は一年たって今は自分の身体症状との向き合い方が分かったようで、もうしゃんしゃんしているというんですね。運動会にも元気で参加されたようで、このA君のお母さんは、我が子が運動会で走る姿を初めて見たと、どきどきしたという感想をお述べになっております。
 それからB君。周りが自分をどう思っているか気になって仕方のなかった発達障害、ADHD、注意欠陥多動性障害を持つこの中学生のB君は、運動は全く駄目だった、音楽も非常に苦手だった、でもこの学校に来て一年でこんなに速く走れるようになったよと指導員の先生方に自分で走ってみせるようになった、本人はこの学校に来て良かったと、自然がいっぱいだしと言っているようです。
 それからCさん。二年前にこの学校に来た発達障害、アスペルガー症候群というふうに聞きましたけれども、彼女は、当初は自分の心身の症状を認められずに、三十八度を超える高熱があっても平気で何にもないと学校に出てきた、活動していたらしいですけれども、二年たってこの学校の中で、寄宿舎の中でその症状を自覚できるようになって熱も出なくなったと。同じように突然熱が出るような子供に、どうしてあげたらいいのということを先生が今度はこのCさんに聞いて教えてもらうようにまで今なっているという実践例でした。
 目に見える障害のほかに、心身の中から出てくる病気のために学校にも行けない、周りにも理解してもらえずに苦しんでいる子供たちたくさんいると思います。親御さんも対応が分からずに必死でもがいている。そんな親子にとってこの寄宿舎のある大阪の養護学校は、まあいっときといいますか親子が離れることによって、家庭も再出発できるし、子供たちも再出発できるという機会を与えてくれているようにも思いますし、また、集団の中で指導員の先生、子供たち同士でいろいろこれまでなかったかかわりを持って発達、成長しているんだなというふうに思いました。お母さんたちはこう言っております。やっとたどり着いた学校、ここに来るまでいろんなところに相談したけれどもうまくいかなかったんですね、こんなところはどこを探したってない、心のふるさとです、そんな親子の言葉にこの学校と寄宿舎のかけがえのない役割が示されていると思います。
 私は、この学校で培われてきたものとか、それからそういう場所があり、そういう専門家集団がある、そういう点で、これからも培われるであろうものは、これは単に現在障害を持っている子供さんや親御さんだけ、当事者だけではなくて社会全体にとっての宝物だなというふうに思いました。恐らく、これからもいろんな社会の変化に応じていろんな困難や症状を抱える子供が出てくるでしょう。そういうときに、こういう子供たちをゆとりを持って受け入れて、どういう働きかけをすればこの子の成長を促すことができるかというふうに寄り添って実践の中で理論を練り上げていくという機能は、これ非常に今の社会、私たちの社会にとって必要な機能だなというふうに感じたわけですが、その点、新しい症状にも対応する力を持っている、そういう養護学校と寄宿舎の役割、大臣、いかがお考えでしょうか。大臣どうですか。

渡海文科大臣 基本的には前二問と同じ認識なんだろうなというふうに思います。
 そこの面だけとらえてどうだと言われましたら同じお答えしかできないわけでございますが、そういった機能というものを宿舎は持っているという認識をしっかり持つことと、今おっしゃったのは、やっぱり蓄積しているノウハウ、これはやっぱり人間に生かすべきだと思いますね、何よりも。いわゆる研修をやるとか、これは今でもやっておりますが、特別支援のための人材育成ということに我々は力を注がなきゃいけない。器だけつくったってやっぱりそこでちゃんとした指導者がいなければそれは機能しないわけでありますから、そういったことにも留意しながら、現代でもしっかりとこれ特別支援学校寄宿舎指導員指導者講習会とかいうのをやっておるわけでありますが、そういったところにやっぱりそういったノウハウをしっかりと伝えていく必要があるんだろうなと、そのように思います。

山下よしき この大阪の養護学校と寄宿舎の実践というのは専門家の大学の先生方からも非常に高く評価をされておりまして、生きづらさを抱えている子供たちの福祉と教育の経験と知恵を蓄積、凝縮している文化センターだという評価ですとか、こうした子供にはじっくりと自分を見詰め、障害を受容していく支援の場が必要だと、独り特別支援学校だけではなく、通常の学校における障害児への支援の在り方にとっても多くの示唆を与えるものとなるであろうと。
 今度新しい法律によって、特別支援学校の実践が通常の普通の学校の中で勉強している障害のある子供たちの支援にも大いに役に立つようにしようという法の精神にも、こういう養護学校や寄宿舎の役割は大事になっているという評価だと思いますが、これは大臣、是非一回視察していただきたいと思うんですね。そして、実際に子供たちの姿そして指導員さんたちの思いを直接聞いていただいたら、これは非常に、いろいろあっても、この社会の全体の財産をしっかりと大事にしてこれから生かしていかなければならないという気持ちを私はそういう現場に行って非常に実感したんですが、大臣、いかがでしょうか。

渡海文科大臣 既に視察をしなきゃいけないところが五、六か所ぐらいたまっておりまして、お約束して行けていないところが。まあ時間を取って、すべてみんな重要なことでありますから、これが重要でこれが重要でないなんということは言えませんので、まあ国会が終わって時間が許せば、そのように考えたいというふうに思います。

山下よしき 大臣も是非視察に行きたいということでしたので、是非しっかりとその視察を文部科学行政に生かしていただきたいと思います。
 今申し上げましたいろいろな養護学校と寄宿舎の果たしてきた役割ですけれども、家庭の事情に対応できる力、それから子供たちの自立や社会参加を培う力、そして子供たちの新しい障害や困難に対応する力、これがあると思うんですけれども、ところがその養護学校の寄宿舎が各地方では残念ながら縮小、廃止される動きがいろいろ行きますと聞こえてくるんですね。
 例えば、東京は入舎希望者が大変たくさんで全員入れないんだそうです、今でも。ですから、通年入舎できる子供さんはごく少数で、学期ごとに交代して子供さんを入れている。それでも安心感があるというんですね。いずれまた入れると思うと、お母さんたちは大変安心だというふうに聞きましたし、それからある県の養護学校の寄宿舎は、指導員さんの数がぐっと減っちゃったらしくて、宿直をするのに指導員だけでは足らないので、養護学校の学部の先生の応援まで得なければならないという危機的な事態にもあるというふうに聞きました。
 ですから、せっかく大事な役割を果たしている寄宿舎が、そういう地方の財政的な事情が大きいと思うんですけれども、私は、これは財政的な事情で失うわけにいかない、本当に宝だと思うので、是非、全国で今養護学校の寄宿舎などがどうなっているか、全国の実態調査を文部科学省としてしていただいて、必要な支援を強めていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

金森局長 各都道府県におきましては、平成十九年度からの特別支援教育への制度改正を受けて、各地域の特別支援教育の在り方の検討が行われております。その中で、寄宿舎も含めて見直しを進めている県も、委員から御紹介がございましたが、あるものと承知をいたしております。
 寄宿舎は入居する児童生徒の自立と社会参加を図る上で一定の役割を果たしておりますが、その設置や廃止などにつきましては、設置者である自治体において、特別支援学校の設置状況や児童生徒の通学状況などを考慮しつつ、適切に判断されるべきものと考えているところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも、寄宿舎の状況も含め、各都道府県における特別支援教育の推進体制の状況の把握に努めてまいりたいと考えております。

山下よしき 自治体が決めることだということでしたけれども、私、そういう言い方で逃げちゃいけないと思うんですね。財政困難な都道府県に生まれた障害のある子供は、発達する権利が十分保障されなくてもいいと国政に携わる政治家として言えるだろうか。私は、それは絶対言えないと思います。渡海大臣、是非地方の実態を調べて、国として必要な支援を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

渡海文科大臣 基本的に言えることは、やっぱり教育の機会均等ということであろうと思います。そして、特別な事情にある児童生徒に対して我々はどうやって向き合うかという課題、この二つをしっかりと我々はとらえて、しかるべきことをやらなきゃいけない。
 今、地方の問題だということで逃げたと言われましたが、必ずしもそうじゃないんですよね。要は、地方の実態として、地方がやっぱり自分である程度の責任を果たすということをしっかりやらすということをやらない限り、いつまでたったって地方分権なんて言ったってできないですよ。
 私はこの間、増田大臣にも申し上げたんです。教育委員会の問題で、これは地方の問題だからと言ったら、いやそうじゃなくて国から下ろせと。地方分権を言っているのを中央集権で下ろすんですかと私は申し上げたんだけれども、ある種の指導はちゃんとやらなきゃいけないと思いますが、やっぱり地方がある程度責任を持ってやるということを地方にもしっかりと申し上げないと、地方は、じゃ地方はできないからと言ったら何でも国におんぶということは、体質は変わらないわけですよ。
 この問題は確かに、今委員がおっしゃったように、それだけでいいのかと言われると、我々はすぐそれで結構ですとは言いません。言いませんが、ただ、そういうこともやっぱりしっかりと地方に対しても物を言っていかなきゃいけないところがあるということは、最低限御理解はいただきたいと。我々は、前向きの姿勢で積極的に取り組んでまいります。

山下よしき 障害のある子供たちも、健常児と全く異なることなく人間として発達する権利を持っている。その権利を保障することは、私たち大人たちあるいは社会全体の責務だと。これは国連の子どもの権利条約であるとか障害者権利条約でも確認されていることでありまして、これは逃げるというわけじゃないけどもとおっしゃいましたけど、そういう立場で是非進めていただきたいということを申し上げて、終わります。

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