あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
トップページ ご意見・ご要望をお寄せくださいサイト内検索
論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 

2007年12月25日 参議院・総務委員会

山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 まず提案者に質問をいたします。
 弁護士でない者が報酬を得る目的で業として法律事務を行えば即弁護士法違反という見解がございます。日弁連も同様の見解のようでありますけれども、本改正案の提案理由説明では、行政書士は、行政書士が作成できる書類に関連する聴聞又は弁明の機会の付与等の手続に係る行為について、弁護士法第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除き、代理することができるものとしておりますと、こう述べられました。
 そこで伺いますけれども、法律事件に関する法律事務に該当するものと該当しないものに区別をされているわけですが、弁護士法第七十二条の法律事務をこのように区別して解釈することができるのかどうか、また区別して解釈することが一般的に認められているものなのかどうか伺いたいと思います。

今井宏衆議院議員 山下委員にお答えを申し上げます。
 御指摘ございましたような見解があることは承知はしておりますけれども、弁護士法七十二条では、弁護士でない者が法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱う、このことを禁止する旨が規定されているところでございますけれども、御質問ございますように、この法律事件に関する法律事務に該当するのかどうかにつきましては、紛争性があるかどうか、すなわち法律上の権利義務について争いや疑義が具体的に顕在化しているかどうかで判断することとなるわけでございまして、その判断は可能であると、このように考えておる次第でございます。

山下よしき 法律事務のうち紛争のない法律事務については報酬を得て業として行っても弁護士法違反にならないという立場からの御提案だと思います。
 そこで、不利益処分を前提とする聴聞や弁明にはそもそも元々紛争性があるのではないかという批判もございますが、これについて提案者はどうお考えでしょうか。

原口一博衆議院議員 山下委員にお答えいたします。
 今委員が御指摘のような批判があるということも承知をしておりますが、不利益処分を前提とする聴聞や弁明が行われる場合であっても紛争性がない場合があると私たちは考えております。例えば、依頼者である不利益処分の名あて人が不利益処分について争わないということをしている場合などがこの場合に当たるというふうに考えております。

山下よしき 次に総務省に伺いたいと思います。
 二〇〇四年十一月二十六日の「今後の司法制度改革の推進について」という司法制度改革推進本部の決定には、「税理士、不動産鑑定士及び行政書士の代理人としての活用の在り方については、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の施行後におけるこれらの隣接法律専門職種の手続実施者としての実績等が見極められた将来において改めて検討されるべき課題とする。」とあります。政府としてこの決定をどのようにフォローしておられるんでしょうか。

岡本保総務省自治行政局長 お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、平成十六年十一月の司法制度改革の推進本部決定におきましては、司法書士、弁理士等につきましては、裁判外紛争解決手続、すなわちADRにおいて、当事者の代理人としての活用を図るというふうにされました。一方、行政書士につきましては、税理士及び不動産鑑定士と同様にADR法に基づいて、その施行後における認証事業者としての実績等が見極められた将来において改めて検討されるべき課題というふうに整理されております。
 したがいまして、このADR法に基づきまして、各都道府県に設置されております行政書士会でこの認証に向けた準備、研さん、体制の整備といったことが行われているというふうに承知をいたしまして、具体的には十の行政書士会でそのような準備を進められているというふうに承知をいたしております。
 このような取組を通じましてこの行政書士の実績といったものが評価されたことを通じまして、行政書士の活動の舞台といったものがより国民に信頼されるものとなっていくことが必要であろうというふうに感じております。

山下よしき ということは、これからしっかりとフォローしていく、見守っていくということでよろしいでしょうか。

岡本局長 今申し上げましたように、そういう取組等を通じて国民の信頼を得られるような行政書士に、より充実をさせていくことが重要であるというふうに考えております。

山下よしき 今回の改正の動きがこの政府の司法制度改革とどういう関係にあるのかというのは、先ほど魚住委員から質問があって、直接的には関係はないが、信頼を行政書士の皆さんがかち取る上で非常に重要な改革になるであろうという御答弁がありましたので、そこで、国民の側から考えた場合に、今回の法改正が、これは通告してないんですけれども、どのような意義があるとお思いか、総務省の見解をもしおありでしたら伺いたいと思います。

岡本局長 お答えいたします。
 国民の側からいたしましても、先ほど来提案者の方々から御説明がございますように、言わばいろんな行政手続、一貫して行われているわけでございますので、またその手続を進めていく中で、国民の当事者の方と言わばその代理人をされている方との信頼といったものがこのような手続を進めていく上では一番肝心なことであろうと存じますので、そういう意味で、この今回の改正に伴いまして、より行政書士に対する当事者の信頼、先ほども申し上げましたが、信頼がより深まっていく、そういう意味では逆に厳しい目も向くということになろうと思いますが、このことによって、行政書士の側からすればその信頼を高めていくということになりますし、国民の側からもそのような利便性の向上が図れるということであろうと存じます。

山下よしき いろいろな行政手続の迅速化ということになりますと、これは直接の依頼者だけではなくて、更にそのまた関連する様々な国民にとっても利便性が向上するという広義の意義も私は含んでおるんではないかというふうに期待しているところであります。
 さて次に、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士には一定の範囲で不服審査の代理が許容されております。ところが、行政書士だけが不服審査の代理権が認められておりません。これはどのような理由によるものでしょうか、総務省。

岡本局長 不服審査の代理等につきましては、高い専門性が必要だということから、このため、原則としてはまず弁護士法の七十二条におきまして、他法に別段の定めがある場合を除き弁護士でない者はこれを業とすることはできないというふうにされておりまして、弁護士については分野を問わず代理を認めているということでございます。ただし、特定の分野につきましては、その特定分野ごとの高い専門性といったことに着目して、今委員御指摘のような、例えば税理士でございますと租税の分野について不服審査の代理権が認められているということでございます。
 そういう観点から、現時点では、行政書士につきまして特定の分野についての不服審査の代理権といったものが認められるというような体系として整理されているものというふうに考えております。

山下よしき 済みません、ちょっと今答弁を私理解しづらかったんですが。行政書士については不服審査の代理権が認められていないというふうに私は理解しておるんですけれども、その理由をもう一度。

岡本局長 今申し上げました不服審査の代理権の体系は、基本的にまず全部の分野で限定なしに認めるといったものをまず弁護士で基本形としてつくっていると。その弁護士を基本として認めて、それ以外のものは基本的には駄目だという整理をまずいったんしております。そのうち、例えば税理士であればその税という特定個別の分野という、分野ごとにある意味では弁護士法で他の業の者はできないといったものを個別に解除していっているという体系を取っているというものでございます。
 そういう意味で、行政書士については、個別の分野ということでは特段ないという整理の中で、今の現行法の中では代理権を認めていないということでございますが、私どもの考え方としましては、そういう意味で、行政書士のそういう意味での専門性といったものをより高めるということが必要であろうと思っておりますし、行政書士の方々からもそういう御意見がございますので、その行政書士に関します専門性の向上のための検討といったことを私どもからもお願いをし、また行政書士の方の自発的な具現としてもそういう研究会を立ち上げて今後検討を進めていただくというふうに伺っているところでございます。

山下よしき 要するに、行政書士の皆さんの仕事というのはかなり幅広くやられているということだと思います。
 ただ、そういう意味では士業の沿革も違いますのですべて横並びにとは申しませんけれども、同じ士業としてのバランスという面もございますので、今おっしゃったような努力方向で行政書士会の要望にこたえていく意向はおありだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

岡本局長 今委員御指摘のように、この中でできるだけ国民にとって利便の高いいろいろな制度である必要があるわけでございますから、そういう中で、しかしその士業とのバランス、それから今の全体の制度もございますが、そういう意味で行政書士がより高い専門性を有しているというふうに国民に認められるような、そういう意味での専門性を高めていくという努力と相まってその方向に向かって頑張っていくことが必要だろうというふうに考えております。

山下よしき 終わります。

ページ最上部へ   トップページへ    
 

 ■山下芳生国会事務所  〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1123号室 TEL:03-6550-1123 FAX:03-6551-1123

 日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所〒537-0025 大阪市東成区中道1-10-10ホクシンピース森ノ宮102 TEL:06-6975-9111 FAX:06-6975-9115

本サイトへのリンクや、文書・写真などの複製・転載などにつきましては、事前にご連絡をくださるようお願い致します。
Copyright since 2003, Japanese Communist Party. All right reserved.