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論戦・演説・講演原点山下よしき---「おばあちゃんの二つの教え」、「共産党に入ってよかった事」など、自らの生い立ちや政治家としての原点を熱く語った初期エッセイ集  
 

 医療・障害者負担増・消費税 国民の怒りきけ

参院本会議で、政府の二〇〇六年度決算報告に対 する質問に立ち、先の参院選で示された無数の"民の怒り"を肝に銘じるべきだと強調し 、福田康夫首相に、弱者を容赦なく切り捨てる「構造改革」路線からの転換を迫りました 。

山下芳生 日本共産党を代表して、二〇〇六年度の決算について、福田総理に質問します。
 この決算は、貧困と格差が広がる中、弱い立場の人々を更に容赦なく切り捨てる小泉構造改革の総仕上げともいうべきものでした。その下で国民がどれほど苦汁を味わってきたか、私は六年間、人々の声をじかに聞き、一つ一つ胸に刻んできました。
 わずかな年金でおかずのない御飯を何回も食べています、年配の女性がうつむいたまま話してくれました。こういう方の住民税まで三倍、四倍に引き上げたことに怒りを覚えます。
 昨年末、滋賀県で、四十三歳の父親と障害を持つ二人の娘さんが無理心中する事件がありました。新聞には、障害者自立支援法による負担が重くのし掛かったとありました。娘の通う養護学校の体育祭に手作りのお弁当を持っていく優しいお父さんだったといいます。一体どんな気持ちでと思うと、胸が詰まりました。
 総理、さきの参議院選挙で与党が大敗した根底には、二〇〇六年度決算でも明らかな、こうした政治の冷たさ、負担の重さにあえぐ無数の民の怒りがあることを肝に銘じるべきではありませんか。そして、参議院での決算審議を生かし、これまでの政策を転換する決意はありませんか。
 そこで、具体的に聞きます。まず、高齢者医療についてです。
 政府は、来年四月から、七十五歳以上の人を後期高齢者医療制度という新たな制度に移し、年金から高い保険料を天引きしようとしています。診療報酬も別建てとなり、必要な医療さえ受けられなくなるのではと心配されています。とんでもありません。ヨーロッパ諸国など国民皆保険制度を持つ国の中で、年齢で被保険者を切り離し、保険料や医療の内容に格差を付けている国などどこにもありません。こんなやり方は絶対にやめるべきです。
 自民、公明が合意した負担増の一部凍結では解決になりません。総選挙が終われば負担増というこそくなやり方ではなく、後期高齢者医療制度そのものを中止すべきではありませんか。
 与党は、参議院選挙後、障害者自立支援法の抜本的見直しを検討すると言いました。しかし、いまだに具体的な進展はありません。部分的な手直しで済ませるのでなく、障害が重い人ほど負担が重くなる応益負担の撤回という障害者と家族の根本要求に正面からこたえるべきではありませんか。
 奈良県では、昨年の産婦死亡に続き、今年もまた妊婦の搬送先が見付からずに死産するという不幸な出来事が起こりました。深刻な医師不足の下、全国各地で産科、小児科など診療科の廃止や公立病院の縮小が現在進行形で広がっています。世界第二の経済大国で、安心して赤ちゃんを産むことすらできない、命の重さに地域格差がある、こんなことは絶対にあってはならないことです。
 こうした事態を招いた根本には、二〇〇六年度決算で示されている政府の医療費抑制、医師抑制政策があります。医師は不足でなく偏在などという現実離れした認識に基づく小手先の対策では現状は打開できません。医師数抑制の閣議決定を撤回し、医師の抜本増員に転換することこそ政治の責任ではありませんか。
 国民生活と社会保障の充実を図るためには財源が必要です。日本共産党は、史上空前の利益を上げながら、国に納める税金を減らしている大企業、大資産家に対する行き過ぎた減税を是正し、巨額の軍事費にメスを入れることによって賄うべきだと考えます。
 総理は、先日、我が党の志位委員長との党首会談で、政府税制調査会が社会保障の財源として消費税率の引上げを選択肢の一つとしていることについて、同じ考えだ、そうせざるを得ないと言い切りました。これは重大な発言です。
 そもそも消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなるという逆進性を持った弱い者いじめの税金です。立場の弱い人々を社会全体で支えるのが社会保障の基本理念です。その財源に弱い者いじめの消費税を充てることほど本末転倒はありません。断じて認められません。
 消費税はこれまで、導入のときも、税率を上げるときも、一度も国民の審判を受けずに強行されてきました。私たちは反対ですが、総理が消費税率の引上げがどうしても必要だと考えているのなら、選挙の争点になることを避けるのでなく、次の総選挙できちんと国民の判断を仰ぐべきではありませんか。
 最後に、二〇〇六年度決算審議の重大な問題となっている軍事利権疑惑について聞きます。
 国民には増税や社会保障の負担増を押し付けながら、軍事費に年間五兆円もの税金をつぎ込む。しかもそれが、水増し、口利き、天下りなどで日米の軍需企業、政治家、官僚の食い物にされているのではないか、国民はそこに憤慨しているのであります。国民の税金が浪費や腐敗の対象となっていることの真相解明なしに政治の信頼回復はあり得ません。
 我が党は、関係者の証人喚問で真相を徹底解明することを強く求めます。同時に、総理こそ予算編成の責任者であり、自衛隊の最高指揮官、そして自ら任命した大臣が疑惑の渦中にある問題なのです。人任せにせず、自ら真相解明の先頭に立ち、国民への説明責任を果たすのが当然ではありませんか。総理の認識を尋ねて、質問を終わります。(拍手)

福田康夫内閣総理大臣 山下議員にお答え申し上げます。
 さきの参議院選挙の結果を反省すべきではないかとのお尋ねがございました。
 さきの参議院選挙においては、与党に対し国民の強い不信が示されたものと受け止めております。構造改革は今後とも進めていかなければなりませんが、私は、現実に起きている様々な問題から目をそらすことなく、国民の皆さんの目線に立って一つ一つきちんとした処方せんを講じてまいる決意でございます。
 後期高齢者医療制度についてのお尋ねがございました。
 七十五歳以上を対象とする後期高齢者医療制度は、今後、高齢化に伴う医療費の増大が見込まれる中で、現役世代と高齢者の負担の公平化を図るとともに、後期高齢者の心身の特性にふさわしい医療を提供することを目的として、昨年の医療制度改革において創設することとされたものであります。本制度の理念や方向性については適切なものと考えておりますが、一方で、後期高齢者医療制度が高齢者の方々の生活に深くかかわるものであることを踏まえ、こうした方々が置かれている状況に十分配慮する観点から、きめ細かな対応に努める必要があると考えております。
 こうした考え方の下に、先般、与党において激変緩和措置について取りまとめが行われたものであり、政府としてもこれを適切に実施したいと考えております。
 障害者自立支援法についてのお尋ねがございました。
 障害者自立支援法の目的にも定められているように、障害の有無にかかわらず、すべての人々が安心して暮らすことができる地域社会を実現していくことが重要であると考えており、御指摘のような痛ましい事件が生じることのないよう、障害者の方々にとって必要とされる様々なサービスや支援が適切に提供されていくことが大切であると考えております。
 利用者負担につきましては、利用者の方に最大一割の負担をお願いしていますが、障害が重い方の負担が過大なものとならないよう、所得に応じた負担上限の設定などきめ細やかな軽減措置を講じているほか、本年四月からは特別対策により、更なる負担軽減措置を講じております。
 今後は、与党のプロジェクトチームにおける議論や、法律の施行後三年を目途とした見直し規定、特別対策の政策効果も見定めながら、抜本的な見直しに向けて制度全体にわたる検討を行ってまいります。
 医師数についてお尋ねがございました。
 今日、全国各地で医師が不足しているとの声が高まっていることを受け、地域にお住まいの方が必要な医療を受けられるよう、医師を確保していくことは喫緊の課題であります。本年五月末には政府・与党が一体となって緊急医師確保対策を取りまとめ、緊急に講ずべき措置から中長期的な対策まで各般の対策を盛り込んだところであります。これを受け、医学部の定員増等の様々な対策を具体化してまいります。
 次に、社会保障財源と消費税についてのお尋ねがございました。
 政府としては、歳出改革に徹底して取り組むとともに、それでも対応し切れない社会保障などに伴う負担増に対しては、安定財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行わないという方針の下、社会保障及びそれを支える税制改革の在り方について本格的な議論を進めているところであります。その際、まずは社会保障などについて将来のあるべき姿を描くことが必要であり、直ちに消費税について云々という話ではないと考えております。
 もとより、社会保障や税制は国民生活に深くかかわるものであり、国民的な合意を形成していくことが不可欠であります。このため、国民生活の安心にとって何が必要なのか、その財源をどうするのかということを与野党で真剣に議論していくことが重要であります。社会保障の財源として消費税をどのように考えるかについても、こうした議論の中で幅広く検討してまいりたいと考えております。
 防衛費をめぐる問題の真相究明と国民への説明責任についてお尋ねがございました。
 国の防衛は、国民の信頼がなくしてはなし得ないものでありますが、前防衛事務次官による倫理規程違反行為等をめぐり、防衛行政に対する国民の信頼を失わせるような事態が生じていることは誠に遺憾であります。
 報道等により指摘がなされた場合には、仮にも国民に疑念を招くことのないよう、自らの判断で事実関係について説明する努力をすべきものと考えますが、政府としては、国民の信頼を回復するため、防衛省が抱える問題について、基本に立ち返り、検討を行ってまいります。
 以上でございます。(拍手)

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