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【動画&議事録】国保料値上げ問題、特別支援学校の教室不足問題 2019.3.25 参院予算委員会

2019年03月26日

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○予算委員長(金子原二郎君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今、全国で国民健康保険の保険料が高過ぎることが大問題になっております。国民健康保険の加入者は、職を持たない高齢者、非正規で働く若者など、所得の低い方が多く加入しています。にもかかわらず、保険料は他の健康保険と比べて飛び抜けて高いと。国保の構造問題と言われております。
 安倍政権は、昨年四月から国民健康保険の都道府県単位化を進めています。国保の都道府県単位化でどう変わるのか。厚生労働省の資料によりますと、ポイントは二点です。パネルにしました。(資料提示)
 これまで市区町村ごとに行っていた国保の財政運営を都道府県単位化すること、二つ目に、都道府県が市区町村ごとの標準保険料率を算定、公表すること。厚労大臣、間違いありませんね。

○厚生労働大臣(根本匠君) その点においては間違いありません。

○山下芳生君 お認めになりました。その下で何が起こっているのか。全国の市区町村で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。
 都道府県が公表した二〇一九年度の標準保険料率に合わせた場合、国保料がどうなるかを試算いたしました。パネルにしました。大阪市の場合、年収四百万円、四人世帯では、二〇一八年度四十二万円だった国保料が四十六万円へ四万円上がります。年収二百四十万円の単身者では、二十万二千円が二十一万二千円へと一万円上がります。年金二百八十万円の高齢者夫婦では、十六万七千円が十八万二千円へと一万六千円上がります。
 さらに、新宿区の場合も試算をいたしました。年収四百万、四人世帯では、四十二万六千円が五十二万五千円に九万九千円上がる。年収二百四十万の単身者では、十六万三千円が二十万一千円に三万八千円上がる。年金二百八十万円の高齢者夫婦では、十五万五千円が十九万一千円に三万六千円上がると。極めて高い国保料が更に上がるということになるんですね。
 何でこんなことになるのかといいますと、この都道府県が行う標準保険料率の算定は、これまで市町村が独自に保険料を抑えるためにやっていた例えば一般会計から国保会計への繰入れも、あるいは子育て世代、一人親世帯などへの減免も全部なしにして計算することになるからであります。そういう算定の仕方を都道府県にさせているのは国なんですね。
 総理に伺います。
 安倍政権が導入した国保の都道府県単位化で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。これでは国保加入者の生活は成り立たないのではないか、国保料を払えずに滞納する人がますます増えて、お医者さんに行けない方、命を落とす方も増えるのではないかと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは根本大臣からお答えをさせていただきますが、今回の国保改革では、国保の財政運営を都道府県単位化することにより財政の安定化を図ったことに加えまして、年約三千四百億円の財政支援の拡充を行います。財政基盤を大幅に強化をしたところであります。その中で、低所得者、低所得の方への支援や子供の被保険者の多い自治体への支援を拡充するとともに、保険料水準の激変緩和措置を講じています。また、差押えの対応についても、個別の状況に応じたきめ細やかな対応を講じているところでございます。

○山下芳生君 いやいや、総理ね、三千四百億円の財政基盤強化とおっしゃいましたけど、その三千四百億円投入した後で試算したらこうなっている、上がるんですよ。物すごい上がるじゃないですか。認めないんですか。

○厚生労働大臣(根本匠君) 三千四百億円の、財政基盤強化のために投入しました。そして、この保険料率と自治体の、今委員がお示しになりましたけど、その点について申し上げますと、標準保険料率、これは市町村ごとの所得水準や医療費水準を勘案して都道府県が算定する、これは理論上の保険料率であります。そして、実際の保険料率は、各市町村において保険料の算定方式や積立金の状況、一般会計繰入れ等を考慮して決定されるものであります。
 このため、二〇一九年度の標準保険料率が算定されても、実際の保険料率は今後決定されることになりますから、二〇一八年度の実際の保険料率を単純に比較することは難しいのではないかなと、こう考えております。
 いずれにしても、国保については三千四百億円の公費の、国の支援を行っておりますので、全体として我々、負担感、負担は緩和していきたいと思って対応しているところであります。

○山下芳生君 じゃ、何でこんな算定やらすんですか、都道府県に。
 さっき根本大臣は、実際の保険料は市町村が決めるんだとおっしゃいました。これまでだったら財政運営が市町村単位ですから自分で決めることができたでしょう、何も縛られることなくね。しかし、こういうものを、都道府県単位化に財政運営がされた下でその都道府県から標準保険料率を示されたら、これはもう単なる参考では済まないんですよ。A市がこんな標準保険料率守りませんと決めたとしたら、それによって、B市、C市、D市にこのしわ寄せが行くんじゃないかという圧力が、これ掛かってくることになりますよね。だって都道府県単位で財政運営することになったんですから。
 実際、現に厚労省が先進例と示している大阪府では、あと五年で全ての市町村を統一保険料にすると決めているんですよ。もう例外なしですよ。全部の市町村一緒に大阪府が決めた保険料率にすると言っている。
 財政制度審議会、平成三十一年度の予算編成に関する建議、どう書いてあるか。国保財政の都道府県化を機に、速やかに法定外一般会計繰入れを解消というふうに書いてあるんですよ。
 繰入れを解消したら上がるに決まっているじゃありませんか。それを、都道府県化を機に繰入れをなくそう、解消させようと国がしているじゃありませんか。上がるじゃありませんか、大臣。

○政府参考人(厚生労働省保険局長 樽見英樹君) 国民健康保険の都道府県単位化ということでございます。
 まさに、その都道府県を財政単位にするということによって財政規模は大きくなりますので、それによって、その市町村ごとの保険料は、したがいまして、上がるところもあれば下がるところもあるという関係になるわけでございます。そういうことも含めて財政的には安定するというような構造になっているということを申し上げたいと思います。
 それと併せて、これまで保険給付に五割の公費負担というのを国民健康保険やってまいりましたが、さらに公費の先ほどの三千四百億円の財政支援の拡充というようなことを行いまして、財政基盤を大幅に強化するということをやっているということでございます。
 標準保険料率は、そういうことで都道府県のレベルで算定する理論上の保険料率ということでございますが、まさに、これまで市町村でいろいろやってきたというところの違い、あるいは財政方式の違い、あるいは収納率の違いといったようなこともありますので、直ちにそれを一本にするということではなくて、まさに都道府県と市町村とよく相談をしていただいて保険料を決めていただくと、そういうことで進めているということでございます。

○山下芳生君 今、政府の方から、直ちに一本化するわけではないと。そのとおりなんですよ。大阪府だって五年掛けてやるんですよ。これにずっと圧力掛かって収れんされていくような仕組みをつくったんですよ。そのためにつくったんですよ、これは。
 実際、標準保険料率に合わせるために、国保料の値上げが起こっております。去年一月三十日の北海道新聞、こうあります。国民健康保険の運営が道に移行されるのに合わせ、旭川市は新年度から市独自の保険料軽減制度を段階的に縮小し、二〇二四年度に廃止する方針を決めた。こういうことが既に起こっているんですね。軽減制度を縮小し、廃止するということは、国保料が上がるということであります。
 旭川市の軽減制度を見ますと、国保料の均等割を十八歳未満については五割軽減する、そういう制度だったんですね。高過ぎる国保料の中でも一番問題なのが、私はこの家族の人数に応じて掛かってくる均等割だと思います。旭川市の場合、子供の均等割は三万八千円なんですよ。だから、赤ちゃんがおぎゃあと一人生まれたら、三万八千円国保料が上がると。これでは心からおめでとうと言えないですよ。まさに少子化を促進する、それが均等割なんです。そこで、旭川市は子供の均等割を軽減することにしたんですね。
 ところが、二〇一六年度に始まった子供の均等割の五割軽減が、二〇一八年度、国保の都道府県単位化に伴って三割軽減に縮小され、二〇二四年度に廃止されることになったと報じられております。
 総理、子供に係る均等割については、全国知事会や全国市長会からも軽減制度をつくってほしいと要望が出ております。総理も、二月一日の参議院本会議の答弁で、地方の意見を聞き、引き続き検討すると答弁されました。
 しかし、国保の都道府県化でそれに逆行する事態が起こっております。少子化を促進する事態が起こっております。総理、問題だと思いませんか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは厚労大臣から答弁させますが、国保改革においては、交付金制度を見直しをして、子供の被保険者数が多い自治体への財政支援を強化をいたしました。
 子供の均等割保険料の今後の在り方については、財政支援の効果や、そして国の国保財政に与える影響などを考慮しながら、厚生労働省を中心に、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論をしてまいりたいと考えております。

○山下芳生君 総理、引き続き協議すると、考えているとおっしゃいますけど、協議する前に均等割の軽減が逆に縮小されちゃっていますよ。総理の答弁と逆行する事態が目の前で今起こっているんですよ。
 北海道新聞は、国保の都道府県化に合わせ、軽減制度を縮小、廃止と報じております。これ、因果関係はっきりしているんですよ。国の、国保の都道府県化によって、せっかくの子育て世代への軽減、負担軽減がなくなっていっている。これはゆゆしき問題だと思いますね。このままでは私はえらいことになると思います。国保料の値上げと消費税一〇%への増税がダブルで国民生活に襲いかかることになります。いいのかと。
 私、消費税一〇%への増税が世帯ごとにどれだけの増税額となるかも総務省の家計調査に基づいて試算をしてみました。パネルにしました。年収四百万円の四人世帯では、消費税が一〇%に上がりますと三万四千円程度の増税額になります。年収二百四十万円の単身者では一万八千円程度の増税額になります。年金暮らしの二百八十万円の高齢者夫婦では三万二千円程度の増税額になるわけですね。消費税一〇%の増税額です。先ほど試算してパネルにしました国保料の値上げを合わせますと、それぞれ赤い矢印のように、大阪市の場合は七万四千円、二万八千円、四万八千円の負担増、新宿区の場合は十三万三千円、五万六千円、六万八千円の負担増です。
 総理、これではもう家計、もたないんじゃないですか。国民生活は破綻するんじゃありませんか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の引上げにつきましては、これはまさに、伸びていく社会保障に対応するためと同時に、国の信認を確保する、そして子供たち、子育て世代に大胆に投資をしていくために引き上げていくものでございますので、我々は、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律にのっとって引上げを行っていきたいと、こう考えているところでございます。

○山下芳生君 いやいや、国民生活が破綻するんじゃないですかと問うたんですよ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の消費税の引上げによって、先ほど、子育てに、この保険料について子育てに逆行するのではないかというお話がございましたが、今回の消費税の二%の引上げを行うと同時に、十月から幼児教育、保育の無償化を行うことになるわけでございますし、来年の四月からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を行う。言わば、子供の教育費、保育費等の負担を思い切って軽減をしていくことにもつながっていくと、こう考えているところでございます。
 また、低年金者に対する給付、年金の給付も行う予定でございます。

○山下芳生君 子育て世代、低年金者世帯に対してこれだけの負担がかぶってくるようなことをこれから安倍政権がやろうとしているという問題を提起しているんです。
 さっき、自民党席の方から、大阪市、新宿区以外はどうなんだと。全部試算していますよ、都道府県の標準保険料率が発表されたところ。八割の自治体で国保料は上がるということになっているんですよ。これは全国的な趨勢なんですよ。その上に消費税一〇%、まさにダブルパンチじゃありませんか。これで国民生活が破綻するんじゃないかと言っているのに、一言も答えがないと。驚くべき生活実感だと言わなければなりません。
 大体、社会保障のための消費税と言っていたけど、どこが社会保障のためですか。消費税を増税しながら、今でも高い国保料を更に値上げして、医療を受けられない人を増やす。国民をだまし討ちにするようなやり方だと言わなければなりません。
 私は、消費税増税も国保料の値上げもどちらもやめるべきだと思いますし、財源はありますよ、財源はある。大企業にせめて中小企業並みに法人税を払ってもらえば、年間四兆円。そして、富裕層の株のもうけにせめて欧米並みに税金を掛けて、下げ過ぎた所得税、住民税の最高税率を元に戻したら、三兆円。合わせて七兆円ですね。消費税一〇%中止の財源にもなるし、昨年、全国知事会が提言された、公費一兆円投入による国保料大幅値下げの財源もこれで出てくるんですね。日本共産党は、こういう別の道があるということを国民の皆さんに広く知らせて、ダブルパンチを止めて、高過ぎる国保料を引き下げるために頑張ることを表明したいと思います。
 さらに、特別支援学校の問題について、次、質問したいと思います。
 私は、社会保障の充実というんだったら、障害のある子供たちの教育環境こそ充実させるべきだと思います。
 総理に伺います。障害のある子供たちが学ぶ特別支援学校が果たしている役割について、どう認識されているでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの……(発言する者あり)いやいや、先ほどの引き上がる市町村が多いというパーセンテージについて厚労省から答弁をさせたいと、こう思います。(発言する者あり)いや、その共産党の調べとちょっと違うわけでございますので。
 そして、私に対する質問でございますが、特別支援学校の教室不足など教育環境に関するお尋ねでありますが、まずはこの特別支援学校については文科大臣から答弁させたいと思います。

○委員長(金子原二郎君) 樽見保険局長、簡単に。

○政府参考人(樽見英樹君) はい、簡単に申し上げます。
 保険料が国保改革によって上がるか下がるかということでございますけれども……(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
 樽見さん、席に帰ってください。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 特別支援教育について御質問でございます。
 障害のある子供に対してその障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することによって子供の権利を充実させていくということで、極めて重要でございます。

○山下芳生君 先日、私は、ある特別支援学校を視察いたしました。障害のある子供にこそ本物の芸術をと、美術や音楽の専門の先生が配置されていました。音楽の授業を見学いたしました。ピアノや打楽器のメロディーとリズムに合わせて子供たちが声を出し、体を弾ませていました。立っている子もいれば、椅子に座っている子、それからもう寝転がっている子もいました。大変リラックスして音楽を楽しんでいました。その様子を見て、この子たちは間違いなくこの授業を楽しんでいると、力を引き出されている、仲間と一緒に学んでいると感じました。もう余りに楽しそうなので、私も思わず笑顔になったんですけれども。
 先生方に話を伺いますと、子供たち一人一人について、人格的発達はどこまで来ているか、今この子には何が必要か、教師がみんなで話し合いながら集団で判断していると言います。教育の原点を見た思いがいたしました。子供たちの内側から発達要求を引き出すという言葉にも感動いたしました。
 保護者の声も聞きました。ある保護者の方は、人の集まりが苦手、友達との関わりがストレスという子でしたが、支援学校に通うことにより、そのストレスが軽減され、大人との関わりから子供への関心も増えましたと語ってくれました。別の保護者の方は、子供を支援学校に行かせて良かったと思うのは自己肯定感が高まったところかな、得意なところはめっちゃ褒めてもらえて、少し苦手なことは少しでもできるようになったら評価してもらううちに自信付けてきたと思うと語ってくれました。
 支援学校は、障害のある子供たちの学び、発達する権利を保障する大事な役割を果たしていると思います。
 総理、先ほど御答弁ありませんでした。総理の認識を伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害のある子供に対し、その障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することは重要であります。
 このため、政府としては、法律に基づく設置義務を有する都道府県に対し、特別支援学校の新設や増改築等に取り組もうとする都道府県等に国庫補助を行うなど必要な支援を行うとともに、学校指導要領において障害の特性に応じた指導上の配慮事項を規定するなど、特別支援教育の充実を図ってきたところであります。
 今後とも、こうした取組を通じて、障害のある子供たちが安心して学ぶことができる教育環境を整えてまいりたいと思います。

○山下芳生君 その特別支援学校に通う児童生徒が今、全国で急増しております。
 特別支援学校の児童生徒数と学校数の推移をグラフにしました。二〇〇〇年に全国で九万人だった児童生徒は、二〇一八年に十四万三千人になりました。一・六倍に増えております。一方、学校数は九百九十二校から千百四十一校、一・一五倍。児童生徒数の急増に対して学校建設が全く追い付いていないという実態にあります。私が訪ねた滋賀県の草津養護学校、三雲養護学校、野洲養護学校では、僅か十年の間に児童生徒が一・五倍から一・九倍に急増しておりました。
 そういう中で、子供たちが学ぶ教室が足らなくなる事態が生まれています。文部科学大臣、特別支援学校の教室不足数、全国で幾つありますか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 特別支援学校の教育環境の整備については、従来から各設置者である地方公共団体において取組が進められているところですけれども、調査によれば、近年の特別支援教育を必要とする児童生徒数の増加により、全国で合計三千四百三十室が、一時的にはありますけれども、一時的ではありますけれども、不足しているという調査がございます。
 それぞれ各地方公共団体は、これに対して、学校の新増築や、特別教室や管理諸室を教室に転用するなど、教室不足に対応しているということですけれども、先ほど総理が答弁をされたように、国としてもしっかりと、財政的支援等を始め、こうした事態に対応してまいります。

○山下芳生君 三千四百三十、教室不足があると。一時的だとおっしゃったけど、一時的じゃないですよ。もう二十年近くずっとこういう状況があります。
 その下で何が起こっているか。教室不足のために、ある支援学校では玄関前の通路で体育の授業をやっています。後ろに写っているのは靴箱ですね。クラスが増えて、運動場や体育館の空きがないんですね。だから、私が見学した支援学校も、体育館をどうやって使うのかを、そのカリキュラムを組むのにもう一生懸命組合せをやっていました。あぶれる子供たちはこういう状況になるんですね。
 それから、多くの支援学校で特別教室が普通教室に転用されております。ある支援学校の小学部の転用状況を伺って、図にいたしました。これ、左側は一階の図でありまして、元々生活室と音楽室があったんですが、二つのクラスの教室に転用されました。右側は二階の図ですが、教材室、生活室、図工室がありましたが、いずれも潰されて四つのクラスの教室に転用されました。要するに、転用というのは特別教室を潰すことであります。
 音楽室が潰された学校では普通教室で音楽の授業をやっておりまして、隣の教室に音が響くので、音楽の授業なのに音を出してはいけない事態になっております。それから、別の支援学校では、子供たちが社会に出たときに困らないようにするために、学校新設の際に作法室というのを造ったそうです。小さな前庭があって、玄関から入って部屋に上がることができる、そうやって挨拶する訓練をするという作法室を造ったんですが、それも普通教室に転用するために潰されてしまいました。それから、この写真のように、図書室が潰されたために廊下に本が並んでいる支援学校もありました。
 総理に伺います。障害のある子供たちにこそ本物の芸術を、障害のある子供たちにこそより豊かな教育環境をと先生や保護者の皆さんが長年努力されて、創意を発揮されて築いてきた豊かな到達点が本当に困難に直面しております。こんな状態は普通の小学校や中学校にはありません。総理、おかしいと思いませんか。放置できない事態だと思いませんか、総理。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 今委員が御紹介をいただいたように、非常に特別支援教室、不足をしているという実態から、様々な問題が生じていることは事実であります。
 特別支援学校は、対象とする障害の種類に応じた多様な施設や設備が必要とされていることなどから、各学校の状況に応じて柔軟な対応が可能となるよう、その施設や設備についての基準は設けられていないところであります。
 ただ、特別支援学校の設置について、学校教育法八十条において、都道府県がその区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりますので、一義的には都道府県の責任において、障害のある児童生徒の状況や地域の実情などを考慮した上で、そうした特別支援学校の設置等について対応をいただくものだというように考えております。
 ただ、この特別支援学校の教室不足ということについて、今御指摘のあるような状況があることを踏まえて、私どもといたしましては、先ほど総理が答弁をされたような整備に係る補助制度を平成二十六年度に創設したところでありますけれども、その上さらに、各都道府県に対しまして、平成二十八年、潜在的なニーズを含め、児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも、今委員が御指摘された、障害のある児童生徒が安心して学ぶことができる教育環境の整備を国としても懸命に進めていきたいと考えております。

○山下芳生君 様々な問題が生じていることは事実って、そんなさらっと言っていい問題ですかね。子供たちの学ぶ権利が今、目の前でこれは保障されない事態が起こっているわけですよ。一刻も放置できない事態ではないか、その認識、残念ながら聞こえてきませんでした。
 さらに、教室不足で起こっている実態を紹介します。
 教室が足りないために、一つの教室をカーテンなどで間仕切りして、二つのクラスが使用する事態が全国の支援学校で生まれております。この写真は、間仕切りした教室で片側で行われている授業の様子であります。これ、NHKさんの放送から借用しましたけれども、隣の教室から、大丈夫、一つずつ慣れていきましょう、そしたら実習問題、算数の授業でしょうか、その声が聞こえてきていますね。こちらでまた別々の授業がされているということであります。
 障害のある子供の中には、突然大きな声を上げざるを得ない子供さんもいます。そういう大きな声が突然聞こえてくると、パニックになって授業が受けられなくなる子供さんもいます。ですから、こんなカーテン一枚、間仕切り一枚ではそういう状況が防げない。教育上極めて深刻な状態であります。この問題はもう二十年近く続いているんですね。国会でも二〇〇八年から問題となっていますけれども、解決されておりません。
 総理、一刻も放置できない問題だという認識、ありませんか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) ソフトの面とハードの面、それぞれ我々、課題解決に向けて取組を進めております。
 今、ハードの面、設備等の面について御指摘をいただきました。先ほど答弁をさせていただいたとおり、必ずしも我々、施設や整備の基準については特別な基準を設けておりませんけれども、学校教育法による規定により、省令である学校教育法施行規則においては、特別支援学校の学級編制基準などについては規定をさせていただいております。
 また、ソフトの面においても、特別支援学校において、障害のある児童生徒が一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を受けることができるように、特別支援学校学習指導要領の改訂などによる指導の充実、また、特別支援学校教師の専門性の向上、特別支援教育に係る専門家の配置に係る補助事業の実施などを行っているところであります。
 まだまだ狭隘、あるいは共用による設備の不足などについては理解をしておりますけれども、繰り返しになりますが、我々として、こういった状況を放置しないで、ハード、ソフト両面にわたってしっかりと支援をしていくということを進めていきたいと考えております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん政府としては、こうした現状についてもちろん把握をしておりますし、この現状を放置するという考え方はもちろん全くございません。今までも努力を重ねてきたところでございますが、潜在的なニーズも含めて、この教室不足の解消のための計画的な取組を促して、各都道府県に対しては促すとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を実施してきたところでございますが、今後とも、こうした状況の解消のために力を、努力をしていきたい、また都道府県とともに努力をしていきたいと、こう考えております。

○山下芳生君 今総理から、放置するつもりは全くないと答弁がありました。
 こういう事態、異常事態の根本に、では何があるのかと。私は、特別支援学校にだけ学校設置基準がないことがあると言わなければなりません。
 先生と保護者は、特別支援学校にも学校設置基準を作ることを強く求めております。二〇一二年から毎年、数万筆の署名が提出されております。私も、この署名運動で特別支援学校にだけ学校設置基準がないことの深刻さを改めて認識いたしました。
 文部科学大臣、確認いたしますが、学校設置基準とは何ですか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、学校設置基準というのは、学校を設置しようとする者が、学校の種類に応じて、設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならないと規定されているところでありまして、例えば、文部科学大臣が制定した小学校設置基準においては、施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理運営上適切なものでなければならないこと、校舎及び運動場の面積、その校舎には図書室、教室、保健室、職員室を備えなければならないことなどが定められております。

○山下芳生君 今大臣から答弁のあった学校設置基準、どういう性格なのかと。
 上は、今読み上げられた第三条、学校教育法第三条ですけれども、その下側に文部科学官僚の書かれた解説書から抜粋したものがあります。
 学校として備えるべき人的組織や物的組織等について、一定の準拠すべき基準がなければ、設置者の財政事情や教育に対する情熱の相違などによって、学校教育が一定の水準を下回ることになる懸念がある。公の性質を持つ学校がその学校の名に値しないような低劣な状況下で設置されたり運用されたりすることは国法の期待するところではないから、学校教育法は、学校の設置基準についても規定を設けているのである。
 そして、この性格としては、最低基準の性格、学校設置の認可基準たるの性格、そして法規命令としての性格を持つと述べています。
 文科大臣、間違いありませんね。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 性格としては、おっしゃるとおりだと思います。

○山下芳生君 次に、先ほど柴山大臣ちょっと紹介されました文部科学省の小学校設置基準から施設及び設備の中心部分を抜き出してパネルにいたしました。
 一つ、校舎、運動場の面積(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、下回っても良い)。割と柔軟に対応ができるようになっています。二つ、教室(普通教室、特別教室等)、図書室・保健室、職員室を備える。三つ、体育館を備える(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、なくても良い)。
 こういう小学校設置基準ですが、この学校設置基準、小学校だけではなくて、幼稚園にも中学校にも高校にも大学にもありますね。しかし、特別支援学校にはありませんね。確認です。

○政府参考人(文部科学省初等中等教育局長 永山賀久君) 御指摘のとおり、学校教育法第一条に規定する学校において、実質的に、設置基準、いわゆる文部科学省令による設置基準がないのは、実質的には特別支援学校のみでございます。

○山下芳生君 お認めになりました。この学校設置基準がないのは特別支援学校だけなんですね。
 そこで、具体的に提案したいと思います。私は、この設置基準が、法規命令としての強力な基準がないことが、さっき言った、とんでもない、学ぶ権利が侵害されている状態が長く続く根本にあると思っております。ですから、これは具体的に提案いたしますけれども、この学校設置基準がない特別支援学校にもこの小学校設置基準と基本的に同じ基準を作ってはどうかと。文科大臣、いかがですか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 先ほど少し紹介をさせていただいたんですけれども、そもそも、この特別支援学校というのは、障害のある児童生徒が、本当に様々なタイプの児童生徒がいることから、その教育環境の整備について、特別支援学校においては、その生徒に応じた適切な指導及び必要な支援が行うことができるよう適切に対応いただくべきものということからそうした設備基準というものが設けられていないわけであります。
 文部科学省の調査によると、児童生徒の増加に伴う、先ほど紹介させていただいた一時的な対応として特別教室を普通教室に転用している場合があるということは承知をしておりますけれども、ただ、委員がお示しをいただいた資料にあるとおり、特別教室を普通教室に転用している場合であっても、教育上の支障、これがあるかどうかということが非常に重要な観点であろうかというように思っております。
 特別支援学校の教室不足による教育環境の悪化がこれ以上生じないよう、また改善するよう、都道府県等に対し、教室不足の解消のための計画的な取組を促す通知を平成二十八年に私どもとして発出するとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を行っております。
 今後とも、そうした状況が少しでも改善するように、各都道府県の取組を我々としてしっかりとサポートしていきたいと考えております。

○山下芳生君 何でこの三つを作ったら柔軟な対応ができないのか、様々な子供さんに応じた適切な対応ができないのか。おかしいですよ。
 もう時間が迫ってまいりましたので。
 校舎、運動場の面積、これ決めたら何が問題になるんですか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 例えば、車椅子やストレッチャーなど、児童生徒の使用する機器や介助の要否を踏まえた必要なスペース、また、年度の途中で入退院等による児童生徒の転学等や重複障害の児童生徒による学級編制などに対応した教室、障害種に応じた設備、点字ブロックやスロープなどや自立活動用の教室の確保などについて、やはり先ほど申し上げたように個別、柔軟に対応する必要があるというように考えております。
 そういった必要となる施設や設備は個々の子供の状態によって変わってくるものであり、一律の基準を設けることは困難であるというように考えております。

○山下芳生君 いや、校舎や運動場の面積を最低基準として決めたら、なぜ体の大きな子供さんたちの発達とか対応に支障になるんですか。ならないじゃないですか、最低基準なんですから。

○政府参考人(永山賀久君) 先ほどの御答弁にもありましたけれども、年度の途中で入退院とかで児童生徒数の数が変わるということもございます。そういった状況にも柔軟に対応するということもございますので、やはり面積につきましても一律に定めることは困難であるというふうに考えてございます。

○山下芳生君 今のは全然一を否定する理由ではありません。
 では、二番目、教室、普通教室と特別教室等、なぜこれがあっては駄目なんですか。
 それから、柴山大臣、さっき特別な事情と言いましたけど、この二番目にはそれないですよ。特別教室は特別な事情があろうがなかろうが造らなければならないというのが小学校設置基準ですよ。これを何で特別支援学校、障害のある子供たちの学校には造ったら問題があるんですか。具体的に教えてください。

○政府参考人(永山賀久君) 設置基準にはございませんけれども、学校教育法施行規則というものがございまして、これは全ての学校に共通の規定でございます。その規定におきましては、教室についても必要だといったことも規定がございます。

○山下芳生君 そういう強力な、最低基準としての法的根拠のあるものじゃないんですよ、今言われたのは。だからどんどん潰れているんですよ。
 柴山大臣、何でこれ駄目なんですか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 規則において一定の定めがあるというように申し上げておりますけれども、設置したら駄目ということを答弁してはおりません。

○山下芳生君 駄目なんじゃなかったら設置しましょうよ。設置しましょうよ。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 先ほど来何度も答弁をさせていただいたとおり、個々の学校の事情や児童生徒の障害の特性、またそれぞれの設置者や学校の財政状況等に応じて適切に対応いただくべきものと考えており、国としてもそれをサポートをしていきたいというように考えております。

○山下芳生君 さっきから適切な対応適切な対応と言って設置基準がないことを合理化しようとしているけど、設置基準がないことによって音楽室が潰れているんですよ。適切な対応ができなくなっているんですよ。あんなに豊かな個性あふれる成長の姿を見せてくれた子供たちから音楽室を奪うのが適切な対応ですか。
 障害のある子に音楽室は要らないと、それが文科省の立場ですか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、それぞれの学校の状況や児童生徒の障害の特性等を適切に考慮した上で当該学校あるいは先生方に対応していただくということがふさわしいというように考えております。それができないということであれば、我々としても、しっかりと状況を確認した上で必要な指導等をしていきたいというように考えております。

○山下芳生君 本当にこの設置基準がないことによって起こっている実態をもっと直視すべきですよ。幾ら聞いても、私は、今この挙げた二つ、三つ目は行けませんでしたけれども、小学校設置基準と基本的には同じ設置基準を特別支援学校に作ることがなぜできないのか、全くまともな理由は返ってきませんでした。特別支援学校に最低基準としての学校設置基準を作らない合理的理由はありません。
 総理、障害者権利条約には何とあるか。第二十四条、教育のところには、障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限まで発達させることということがうたわれております。音楽室がなかったら、最大限能力が発達できないじゃありませんか。それを支えるのが公教育じゃないですか。私は、それを、ないんだったら作るのが政治の役割だと、責任だと思いますが、総理の見解を求めます。

○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどもう既に大臣から答弁をさせていただいているわけでございますが、この特別支援学校の設置については、学校教育法において、都道府県が区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりまして、基本的には都道府県の責任において障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で適切に対応いただくものと考えておりますが、今後とも、先ほど申し上げましたように、各都道府県と協力をしてしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。

○山下芳生君 障害のある子供たちの学ぶ権利、そして発達する権利が保障されない事態をなくすために設置基準を作ること、校舎新増設を促す緊急の財政措置をとることを強く求めて、質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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